「運動不足の解消に、いっちょ走るぞ!」…は危険がいっぱい! 久しぶりの運動で気をつけること6つ

「運動不足でさすがに体型がヤバい…」などを理由に、日頃の運動不足を解消しようといきなり運動を始めてしまう人は少なくありません。
しかし、急なトレーニングや久しぶりの運動には危険が潜んでいます。
今回は、運動不足の解消など、久しぶりの運動で気をつけることについて、注意すべき6つをご紹介したいと思います。

その①|カラダは思うように動かない…

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以前に運動したのは、いつくらいでしょうか?
中には「本格的な運動は学生の頃以来記憶にない…」という人もいるかもしれませんね。
そしてそんな状態にもかかわらず、今も昔と変わらず同じようにカラダが動くと思い込んでいる人も少なくないようです。
しかしこの考えは大いなる間違い。

しばらく運動していなかったカラダは、体力や筋力はもちろん、柔軟性・心肺機能・神経の伝達など、多くの要素が衰えています。
また運動不足が積み重なり、体力の低下とは反対に体重が増加しているとなると、まるで重りを背負った状態で運動していることと同じ。こんな状態では、以前の時に比べてカラダが思うように動かないのは当然のことでしょう。
よくニュースなどでも取り上げられる、子どもの運動会での保護者徒競走でお父さんが転倒して大ケガをしてしまう…という事態は、まさにこのアタマとカラダの不一致が原因です。
さらには、久しぶりの運動で張り切ってトレーニングを再開してはみたものの、思うようにカラダが動かないことにショックを受け、途中で投げ出してしまう人も少なくありません。

どうしても久しぶりにカラダを動かす際は、やる気やドキドキ・ワクワク感もあり、つい必要以上に期待を抱いてしまうものですが、あまりに高い期待を持ちすぎると、現実的にカラダが動かない状況に直面した際、精神的にも大きなダメージを受け、やる気やカラダを動かすワクワク感が失われ、ますます運動不足が加速しかねませんので、特に運動不足が重なった状態でカラダを動かす際は、あらかじめカラダは思うように動かないものと自認しておく必要があるでしょう。

その②|久しぶりの運動に最適なメニューとは?

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また運動不足の解消とはいえ、久しぶりの運動は当然ケガのリスクも高くなります。
特にダッシュやジャンプを繰り返すような瞬発力を要する運動には注意が必要です。たとえば野球やサッカー・バスケットボール・バレーボールなどの球技は、カラダへの負担が瞬間的に大きくかかりケガのリスクが高くなりますので、十分に注意しましょう。
そして運動不足を解消するため、またリフレッシュを目的に取り組んだはずのスポーツが原因でケガを引き起こしては、運動再開までにも長いリハビリが必要となり、まさしく本末転倒。

もちろん球技系のスポーツを一切やってはいけないということではありませんが、先ほどの通り必要以上に期待せず、昔とは違うんだということを十分理解し、無理をしないことが大切です。

一方、球技とは別でランニングや水泳など有酸素運動のトレーニングや、ヨガやピラティスなどのゆったりとした動きを要するエクササイズであれば、自分自身で動きのコントロールもしやすくケガのリスクが少ないため、久しぶりの運動で運動不足を解消するには最適なメニューと言えるでしょう。

ただし負荷の軽い運動とはいえ、あまりにも熱中し過ぎて長時間運動をしてしまうと、その反動は必ずカラダに跳ね返ります。運動不足の解消を目的に久々カラダを動かす際は、途中途中で上手に休憩を挟みつつ、体力に余裕を持たせながら運動しましょう。

その③|運動前のウォーミングアップ、運動後のクーリングダウンは入念に!

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久しぶりの運動で怖いリスクは基本的にはケガのみ。特に運動不足が重なったカラダを動かす際は、ケガを防ぐためのウォーミングアップや、疲労を溜めないためのクーリングダウンは必須です。

ウォーミングアップは、うっすら汗ばむくらい軽い運動でカラダを動かし、筋肉の温度を高めておきましょう。
カラダが温まることで筋肉の柔軟性が高まり、神経への伝達もスムーズになるためカラダが動きやすくなります。

またクーリングダウンは、久しぶりの運動で特にハリを感じる筋肉部を中心に、しっかりストレッチで伸ばしましょう。
さらに運動後は、使い過ぎや負担がかかって熱を帯びた関節部や筋肉部をアイシングしておくことで回復を早められます。運動直後は、ビニール袋に氷水を入れ痛みや熱感を帯びた部分にあて、20分程度冷やすようにしましょう。

ウォーミングアップやクーリングダウンは、時間もないし、何をすればいいかわからない、面倒くさい、などの理由でどうしても軽視されがちですが、これらの準備も運動の一部です。しっかり行いましょう。

その④|運動後の筋肉痛は覚悟しよう

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そして運動不足が重なった久しぶりの運動で、必ずと言っていいほど頭を悩ませる問題が「筋肉痛」です。こればかりは、運動前にいくら予防しようとも基本的に対策のしようがありません。運動不足のカラダに筋肉痛は必然のものとして覚悟しておきましょう。

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ただこの頭を悩ませる筋肉痛も、考え方によっては決して悪いものではありません。

基本的に筋肉は刺激なくして成長はしないもの。筋肉痛は運動によって筋線維が部分的に損傷し、損傷が治って筋肉が修復される時に出る痛み。つまり運動後に筋肉痛が生じるということは、カラダを動かした刺激がきちんと筋肉へと伝わっている証拠であり、筋肉がつく前兆でもあるのです。

また、久しぶりの運動でトレーニングを再開したばかりの頃は強く出る筋肉痛も、継続的に運動をすれば、徐々に痛みは出にくくなります。はじめのうちこそその痛みが苦痛に感じるかもしれませんが、いつの間にか筋肉痛が出ないとトレーニングをやった気がしないと感じるようになり、筋肉痛を追い求めて運動にハマるという人も少なくありません。

その⑤|その用具、古くなっていませんか?

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久しぶりの運動では、使うウエアや用具などにも気をつけましょう。トレーニングに使う道具は時代の変化とともに進化していくもの。当然昔のモノに比べて今の道具は機能に優れているため、最新の用具を使えばカラダにかかる負担を減らしてくれます。

また久しぶりの運動で自宅のクローゼットから引っ張り出した運動用具は、古くなって劣化していたり、体型の変化によってサイズが合わなくなっているケースも少なくありません。そしてカラダに合わない運動用具を無理に使えば、必然的にケガの発生リスクを高め、運動不足を解消するどころか益々トレーニングの機会から遠ざけてしまいます。

逆に新しい用具を購入することで、モチベーションの向上に繋がり心機一転リフレッシュした気分で運動に取り組めますので、ぜひ運動を再会する際には新しいウエアや靴・用具の新調を検討してみましょう。

その⑥|運動不足に困らないよう日頃から意識すること

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運動不足や久しぶりの運動で困らないためには、日頃から少しでもカラダを動かす習慣を身につけておくこと大切です。

これを機に普段から定期的に運動できればいいのですが、なかなかそうもいかない…という人も多いでしょう。それならば、日頃から歩く機会を増やす、いつもより早足で歩く、エレベーターやエスカレーターではなく階段を使うなど、まずは生活習慣の中から意識的にカラダを動かせる機会を作っていくことをオススメします。また自宅での軽い筋トレやストレッチも効果的ですので、スキマの空いた時間を有効活用した「ながら運動」もオススメです。

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さらに筋力や体力同様、柔軟性も普段からカラダを動かさなければ衰えてしまうもの。「ながら運動」と合わせて、寝る前のストレッチを習慣づけるなど、日頃から柔軟性を高めておくと、急な運動にもさほど困らなくなるでしょう。

運動不足が蓄積されたカラダは想像以上に衰えているもの。ケガをはじめ必要以上に期待を抱かない心掛けが大切です。特に久しぶりの運動時は、なかなか昔のイメージから抜け出せず、実際にカラダを動かした際のギャップに驚くと同時に精神的にも結構落ち込みやすいため要注意。
…とはいえ久しぶりにカラダを動かせば、運動の楽しさや爽快さなど、運動の重要性を再認識する良いキッカケを与えてくれます。
運動は楽しみながら行うのが一番。どんな運動でも構いませんので、継続的に続けられる運動を見つけ、カラダを動かさない期間が長くならないよう定期的にカラダへ刺激を与え、各機能の維持に努めましょう!

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この記事のライター
和田 拓巳
和田 拓巳
プロスポーツトレーナー歴16年。 プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガに関する知識も豊富でリハビリ指導も行っている。 医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関す...