違いもマル分かり!メンズコートの種類を総まとめ~フォーマル編~

コートといったら、単に寒さをしのぐための防寒用として安易に着用している男性も多いのでは?とはいえ、フォーマルな場所にダウンコートなどのカジュアルなコートの着用はNGですよね。シーンごとに適応するフォーマルコートの種類を紹介していきます。

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フォーマルコートの発祥

1800年代にヨーロッパで外套着として、フロックコートと呼ばれる丈の長いコートが着用されたのが始まりです。その後、フロックコートが前の裾を大きくカットしたことで、現在のモーニングコートの原型となり、昼間の正礼装として定着しました。そのため、フォーマルコートとしてはチェスターコートがその流れを汲んでいます。

「フォーマルコート」と「カジュアルコート」の違い

フォーマルコートの特徴は比翼仕立(ひよくじたて)になっていて、襟の裏に別布がついたものです。簡単にいえば、テーラードジャケットが長い着丈になったフォーマルなデザインといったところ。素材は主にウールやカシミアなどの暖かな素材で作られます。対してカジュアルコートは、モッズコートなどのミリタリー調、ワークコート、スポーツタイプ、トラッドコート等のドレスライクなものまで、幅広い種類があります。

<メンズのフォーマルコート①>トレンチコート

●トレンチコートの歴史・発祥
トレンチコートは「トレンチ(塹壕)」という単語で、第一次世界大戦のイギリス軍が寒冷地での戦いに対応する防水型のコートを開発され、軍服が一般的に広がっていったと言われています。製品化した元祖は、イギリスのバーバリーとアクアスキュータムで現在でもトレンチで有名なブランドです。

●特徴・ポイント
防水性に優れたコットンギャバジンを使用し、両肩にあるエポーレット、胸に縫い付けられた当て布である、ストームフラップなど軍服の名残りを残すデザインが特徴です。

●代表ブランド
バーバリー

●似合う着こなしスタイル
ベージュのトレンチコートは最もポピュラーです。ビジネスでもカジュアルでも上手く着こなすためには、中の服装にはダークトーンカラーを持ってくればOKです。

●シーズン
秋・春先

<メンズのフォーマルコート②>ステンカラーコート

●ステンカラーコートの歴史・発祥
「バルマカーンコート」が正式名称で、スコットランドの村の地名が発祥や、また、フランス語の支えるという単語から着たとも言われ日本独自の名称です。元はレインコートの一種がステンカラーコートへと発展しいったものです。

●特徴・ポイント
後ろの襟が高く、前が低く折り返すデザインに、ラグラン袖は余裕の着心地で質実剛健のベーシックシルエット。ビジネス・カジュアル両用で使いやすいのも特徴。

●代表ブランド
バルスター

●似合う着こなしスタイル
ネイビーのステンカラーコートだとオンオフともシックな印象になります。インナーには、グレーを合わせ、ボトムスはスリムタイプだとスタイリッシュに、ビビットな色や明るい色を入れるとカジュアルなムードになります。

●シーズン
秋・春先

<メンズのフォーマルコート③>チェスターコート

●チェスターコートの歴史・発祥
19世紀にヨーロッパで流行した外套の一種であったフロックコートや背広が原型です。チェスターフィールド伯爵が着用したことからこの名称がつきました。フォーマルなデザインなので、あらたまった場所でも着れるコートです。

●特徴・ポイント
どこまでもベーシックなデザインのコート。フォーマルな雰囲気はビジネスシーンやあらたまった場所でその個性を発揮し、品が漂うシルエットが特徴です。

●代表ブランド
スコッチアンドソーダ

●似合う着こなしスタイル
フォーマルシーンだとダブルスーツなどが似合いますが、普段使いでは長めのショールやマフラーを合わせたり、柄物のインナーとあわせて抜け感を出します。コートが暗めだとインナーは明るめにするなど濃淡を意識しましょう。着まわし幅の広いコートです。

●シーズン
秋ー冬ー春先

<メンズのフォーマルコート④>ピーコート

●ピーコートの歴史・発祥
フランスやオランダ、ドイツの漁師が着ている紺のコートで、語源はオランダ語でラシャを意味する「pij(ピー)」が由来といわれています。海軍の下士官が着用しその後防寒力もあることから、パイロットコートとして一般的に人気になりました。

●特徴・ポイント
カラーはネイビーで2列ボタンが特徴で、デザイン自体、左右どちらからでも上前と、ボタンのかけ方を左右で変えられます。

●代表ブランド
マッキントッシュ

●似合う着こなしスタイル
ダブルなので重厚感があり、セーターをあわせても大人の印象になります。ドレスウェアをインナーに持ってきて、シンプルシックな仕上がりに。大人の男性のオン、オフのコーディネートに一役かいます。

●シーズン
秋ー冬

フォーマルコートのサイズ選び

サイズ選びはまず、肩幅を基準にするのが一番です。肩幅をあわせ、着たいスーツの肩幅にプラス1cmぐらいのサイズ感で選ぶのがオススメです。身幅もスーツの身幅より少し大きめを選んで下さい。身長にあわせるとウエストがきつい、胴囲にあわせたら丈が短いなどがないように試着をするのがマスト。どうしてもネットで購入したい場合は、肩幅・身幅・着丈・袖丈など、きちんと自分のサイズを測るのがコツ。

インナー選びの注意点

コートを着る季節はどうしても重ね着が多くなります。厚手タイプやダブッとしたインナーだと着膨れしてしまいます。フォーマルコートに似合うものは、スーツであったり、シャツやカーディガンを合わせた大人な男性の雰囲気。例えニットが厚手であってもインナーのシャツが細めたり、首もとはVラインを作ればすっきりシルエットになります。

パンツ選びの注意点

幅が広いコートに太めボトムはカジュアルすぎるのでNGです。着丈が長いフォーマルコートに合わせるボトムスは、細身のパンツを合わせてスラリと細長くみせるとスタイリッシュに仕上がります。アウターに重量感があればある程、ボトムスをすっきりしてみせるYラインシルエットを意識するのが着こなしのコツ。体型カバーにはもってこいのシルエットでオシャレな魅力が倍増します。

フォーマルコートでも着こなしや、用途で色々と使い分けができます。ラグラン袖だと動きやすく、深めのポケットあれば便利など、機能性も豊かなデザインが揃っています。今季は大人の男性に格上げしてくれるコートスタイルに挑戦してみましょう。

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この記事のライター
富 容華
富 容華
香港、アジア各国を渡り歩き、香港、韓国映画をこよなく愛しています。