プロが徹底解説! ぽっちゃり体型から細マッチョになるための3ステップとは?

ぽっちゃり体型からカラダを引き締めるときは、正しいステップに沿って順番通り進めていくことが大切です。
正しいステップを踏まないと、必要以上に時間がかかったり、最悪の場合まったく効果が現れなかったりといったケースも考えられるでしょう。

今回は、デブの非モテ体型を変えるためにダイエットを決意した男性に、ぽっちゃり体型から細マッチョになるための3ステップと、細マッチョを目指すうえでの注意点をご紹介します。

男のぽっちゃり体型、基準は?

男のぽっちゃり体型、基準は?ぽっちゃり体型に明確な基準はありません。
よく「身長-体重=110」を平均に、それより少ない人をぽっちゃり、多い人を痩せすぎと判断する調査方法もありますが、筋肉や骨格などを加味していないため正確とは言えないでしょう。

ぽっちゃりの指標である脂肪の量は、BMIで計ることができます。
BMIとは、体格を相対評価した肥満の国際基準のことで、体重÷(身長 × 身長)で計算できます。
その結果、男性の場合はBMI25以上が肥満に該当するため、BMIで25%を超える人は太り気味なぽっちゃり体型といえるでしょう。

ぽっちゃり体型からカラダを引き締めるときの失敗事例とは?

ぽっちゃり体型からカラダを引き締めるときの失敗事例とは?よくぽっちゃり体型の人が、ダイエットでやらかしがちな失敗事例があります。

それは、細マッチョを目指すためにカラダを引き締めようとトレーニングに励むものの、間違ったやり方で進めてしまい、単に横へ広がった大柄でドッシリ体型になってしまうことです。
引き締まっては見えますが、決してかっこいい体型とはいえないでしょう。

もともと肉つきのいいぽっちゃり体型は、カラダを引き締めた結果、ガタイのいい本格的なマッチョ体型になりがちですので、くれぐれも順番ややり方に注意しながら進めてください。

細マッチョの定義や特徴は? 細マッチョに見える2大条件

細マッチョの定義や特徴は?見た目がかっこよく、きれいで美しい細マッチョを作るには、まず細マッチョの定義を理解し正しいステップで進めていくことが大切です。
ここからは、細マッチョの定義や特徴など作り方のポイントを解説していきます。

【1】体脂肪率10%を目標にカラダを絞る

細マッチョは、「細い+マッチョ」の組み合わせのため、まずはカラダの線が細いという条件は欠かせません。そのためには体脂肪を落とすのがカギです。
体脂肪の量を減らせば、それまで脂肪に埋もれ隠れていた筋肉が表面化され、腹筋が薄っすらと割れて見えたり、メリハリのある体型に見えたりします。
だいたいの目安として、体脂肪率10%くらいまで落ちてくると、腹筋がくっきりと割れて見えるようになりますので、ぽっちゃり体型から細マッチョを目指す人は、まず体脂肪率10%を目標にすると良いでしょう。

【2】お腹、肩、腕まわりを中心に鍛える

体脂肪を減らすことに成功しても、ただ単にカラダの線が細いだけでは細マッチョとは言えません。
いくら見た目のラインが細くても、脂肪の肉でカラダ全体がたるんで見えたり、反対に骨が浮かび上がるほどガリガリだったりする場合は、細マッチョの定義から外れてしまうのです。
見た目的にかっこいい細マッチョを作るには、体型を絞ったあとに筋肉のラインをくっきり浮き立たせる必要があります。
特にお腹や肩、腕まわりの部位は、パッと見で細マッチョを印象付ける重要なポイント。
「筋肉がしっかりついているけど細い!」という状態を作り上げることこそが真の細マッチョなのです。

ぽっちゃり体型から細マッチョになるための3ステップとは?

ここからは、ぽっちゃり体型から細マッチョになるための3ステップをご紹介します。

ステップ①:筋肉をつける

ステップ①:筋肉をつけるぽっちゃり体型から細マッチョになるためのステップ①は、まず筋肉をつけることです。
おそらく中には「ぽっちゃり体型で太ってるんだし、まずは痩せることが先じゃないの?」と思った人もいるかもしれませんね。確かに、ぽっちゃり体型の人が痩せる前に筋肉をつけてしまっては今よりさらに体重が増えるため、細マッチョにならないと懸念する人もいるでしょう。
しかし、はじめの段階でしっかり筋肉をつけておくことが、この後の細マッチョ計画をよりスムーズに進めていけるのです。

なぜ最初に筋肉をつけるのか?

ぽっちゃり体型から細マッチョを目指すうえで、なぜ最初に筋肉をつけるのかと言えば、はじめに食事制限などでカラダを絞ると確かに体脂肪は落ちていきますが、そのやり方では同時に筋肉も落とすことになってしまうからです。

もちろん、その状態から後で筋肉をつけることも決して不可能ではありませんが、タンパク質を中心とした食事の栄養バランスなど、かなり困難かつ遠回りになるでしょう。

上記の理由から、食事制限が少ないはじめの段階にしっかり筋肉をつけておくことで、いざ脂肪を落とすタイミングがきても筋肉量が維持され、結果的に細マッチョの体型をスムーズに完成させることができるのです。

はじめに筋肉量を増やすと、代謝が向上し体脂肪も落ちやすくなる

はじめの初期段階からある程度の筋肉量を増やしておくことで、カラダ全体の代謝量が向上し、体脂肪も落としやすくなるというメリットもあります。
実際、ボディメイクの競技であるボディビルやフィジークの選手たちは、まずしっかりと筋肉をつけカラダを大きくする増量期をへて、体脂肪を落とし徐々にカラダを絞る減量期によってコンテスト用のかっこいいカラダに仕上げていきます。

タンパク質の摂りすぎに注意する

筋肉をつけるうえで気をつけたいのが、増量期とはいえただ単に太ればいいというわけではないということ。あくまで筋肉の量を増やすことが最大の目的です。特にぽっちゃり体型の人は、普通の人に比べて胃が大きく食事の摂取量も多くなりがちですので、くれぐれも食べ過ぎに注意しましょう。
また、筋肉をつけるためにはトレーニングも欠かせません。タンパク質中心の食事メニューに気を配ると同時に、継続的な筋トレも心がけましょう。

ステップ②:食事のコントロール

ステップ②:食事のコントロールぽっちゃり体型から細マッチョになるためのステップ②は、食事の内容をコントロールすることです。
ステップ①の筋肉をつける段階をへて、ある程度カラダ全体がガッチリし筋肉量が増えていることを実感してきたら、今度は筋肉をつけるためのトレーニング内容はそのまま変えずに、カラダを絞るための食事内容を見直していきましょう。

まずはカロリー制限から

細マッチョを目指すうえで、食事の内容を見直すときはまずカロリー制限に意識を向けましょう。これまでの摂取カロリーを減らしていき、体脂肪の減少を目指します。

ただし、細マッチョの体型を作るのであれば、ただやみくもにカロリー制限で痩せればいいというわけではありません。
確かに摂取カロリーを極端に制限すれば、体重は一気に落ちていくでしょう。しかし、それは体脂肪を減らす以上に、せっかくつけた筋肉量も減らしてしまうことにつながります。

かっこいい細マッチョの体型を目指すためには、筋肉量を極力減らさずに体脂肪を落していく必要があるのです。

摂取カロリーの目安は?

筋肉量を維持しながら体脂肪を落とすうえで、1日あたり理想の摂取カロリーは【除脂肪体重×40kcal】を目安に計算してみると良いでしょう。

『除脂肪体重』とは、本来の体重から体脂肪分の重さを除いた体重のこと。除脂肪体重は、体重と体脂肪率が分かれば簡単に計算できます。

仮にモデル体型が、体重60kg、体脂肪率20%の場合であれば、
60kg(体重) × 0.2(体脂肪率) = 12kg(体脂肪重量)
60kg - 12kg = 48kg
除脂肪体重は48kgということになります。

そして自分の除脂肪体重を算出したら、今度はそこから摂取カロリーの目安を計算します。
48kg × 40kcal = 1920kcal が1日に摂取すべきカロリー数の目安になります。

市販の体脂肪計などを使い、一度自分の除脂肪体重を計算してみましょう。

最適な栄養バランスは?

また摂取カロリーだけではなく、食事の内容も変更していきましょう。
ここでは食事のコントロールでも特に重要な「タンパク質」「脂質」「糖質」3つの摂取バランスの考え方についてご紹介します。

まずは筋肉の量を減らさないために「タンパク質」の摂取量を確保しましょう。タンパク質は除脂肪体重の2~3倍(g)を摂取するのが理想です。
先ほどのモデル体型で計算式を当てはめると、48kg (除脂肪体重) × 2~3 = 96~144g が、1日に摂取すべきタンパク質の目安となります。
ちなみにこのタンパク質の量をカロリーに変換させると、タンパク質は1g = 4kcalですので、1日あたり大体384~576kcalを摂取することになります。

次は「脂質」です。脂質はダイエットの敵と捉えている人も多いですが、実は脂質もカラダを健康に保つためには必要不可欠な栄養素です。
逆に脂質の極端な摂取制限は、健康を損なうリスクも高まりますので注意が必要です。

脂質の摂取目安量は、摂取カロリー全体の15~20%に設定すると良いでしょう。
先ほどのモデル体型を例に挙げると、1日あたり1920kcalの摂取カロリーのうち、1920kcal × 0.15~0.2 = 288~384kcalが1日に摂取すべき脂質の割合となります。
ちなみに脂質は1g = 9kcal。288~384kcalで計算すると、1日あたり32~43gが脂質を摂取すべき目安量となります。

続いては「糖質」です。先ほどのモデル体型で、1日あたりの摂取カロリー1920kcalからタンパク質と脂質のカロリー量を引いた数値が糖質の摂取目安になります。

1920kcal – (タンパク質384~576kcal +脂質288~384kcal) = 960~1248kcalとなり、糖質は1g=4kcalですので、1日あたり240~312gが糖質を摂取すべき目安量となります。

中には、これまでに糖質制限で一気に体重を落とすというダイエット法を試したことのある人もいるかもしれませんが、糖質制限ダイエットはかなりキツイですし、その後もずっと継続していくのが難しい方法と言えます。

そのため、ぽっちゃり体型から細マッチョを目指すうえで、まずは今回ご紹介した必要な栄養素「タンパク質」「脂質」「糖質」をバランスよく摂取していき、体重の変化が停滞したり、カラダを追い込んだりしたいときなど、一時的に刺激を加えたいタイミングで糖質制限を試してみるのが良いでしょう。

ステップ③:有酸素運動を取り入れる

ステップ③:有酸素運動を取り入れるぽっちゃり体型から細マッチョを目指すうえで、ステップ①の「筋肉をつける」、ステップ②の「食事のコントロール」だけではどうにもカラダの変化が乏しいと感じてきたら、最後はステップ③の『有酸素運動』を取り入れてカラダを絞り込みましょう。
有酸素運動を行うことで、消費カロリーが大幅に増え脂肪燃焼を促進させる効果が期待できます。

有酸素運動はどんなメニューがいい?

有酸素運動に取り入れるメニューは何でも構いませんが、エネルギー消費量の観点から見るとやはり一番効果的なのはランニングです。
トレーニング1回あたり最低でも15分位は走ると良いでしょう。
また、当然ですが有酸素運動のトレーニングを実施する頻度は可能な限り毎日行うとより効果が期待できます。

ただし、有酸素運動も慣れてくると効果が薄くなってしまいますので、少し停滞を感じられる場合は実施時間を増やしたり、走るスピードを速くしたりするなど強度を徐々に高めていくようにしましょう。

筋トレと有酸素運動を同じ日にやるのもアリ

筋トレと有酸素運動を同じ日に取り組んでも構いません。
筋トレと有酸素運動を同日に取り入れる場合は、筋トレを先に、有酸素運動を後に行うという順序をオススメします。

なぜなら有酸素運動を先に行ってしまうと、筋トレの効果が薄れてしまう研究結果があるからです。ただ単に痩せる、体重を落とすことだけを目的にするのであれば、そこまで順番を気にする必要はありませんが、特にぽっちゃり体型から細マッチョを目指すのであれば筋肉の量は出来る限り維持すべきでしょう。

ぽっちゃり体型から細マッチョを目指すときの注意点3つ

ぽっちゃり体型から細マッチョを目指すときの注意点最後に、ぽっちゃり体型の人が細マッチョを目指すうえでの注意点を紹介していきます。

食事だけに頼ったボディメイクはNG

ぽっちゃり体型から細マッチョを目指す人の中には、ただ単に食事の内容を変更して痩せれば細マッチョになれる、などと安易な考えの人も少なくありません。
しかし、食事のメニューを改善しただけのボディメイクでは、かっこいい細マッチョにはなれないでしょう。

細マッチョになるためには、やはり筋肉の量が絶対的に必要です。食事をコントロールすれば痩せることはできますが、筋肉の量を増やすことはできません。そして筋肉量がなければ、痩せたとしても弛んだカラダになってしまいます。
細マッチョを目指すうえで、へたに近道をしようと食事だけに頼るのではなく、必ず筋トレも行うようにしましょう。

筋トレだけでは時間がかかる

また、反対に食事のコントロールが面倒くさいという理由で、とりあえず筋トレだけで細マッチョを目指そう!と考える人も少なくありません。
しかし食事のコントロールをせず、筋トレだけに頼って細マッチョを目指すとなると、かなりの時間を要することになるでしょう。

「運動」と「栄養」は、お互いがバランスを取りながらカラダを変化させていくもの。いくら筋トレを頑張っても摂取すべき栄養が不足していれば効率よく筋肉はつきませんし、トレーニングで必死に汗を流しても摂取する食事の量が多ければ脂肪はいっこうに減りません。

特に毎日しっかり運動しているのになかなか効果が出てこない…という人の場合、たいていは栄養摂取に問題を抱えるケースがほとんどです。ぽっちゃり体型から細マッチョを目指す過程において、カラダを絞る段階にきたら、面倒くさがらずきちんと食事のコントロールにも意識を向けましょう。

短期間で細マッチョは作れない

残念ながら、カラダの体型はそう簡単には変化しません。
皆さんご存知の某ボディメイク専門のパーソナルトレーニングジムでさえ、最低2ヵ月を要します。どんなにハードな運動をしたり必死に食事制限をしたりしても、カラダの変化を期待するには2~3ヶ月は必要なのです。

しかも短期間で変化したカラダは、気を抜くとあっという間に元のぽっちゃり体型に戻ってしまいます。そのような点から見ても、短期間でのボディメイクはあまりオススメできません。
時間がかかってもじっくりカラダを変えていくことで、リバウンドの心配が少ない細マッチョの体型を維持することができるのです。
ボディメイクに充てる期間は長期で見据え、正しいステップに沿って計画を立てるようにしましょう。

かっこいい細マッチョを目指そう!

ぽっちゃりから細マッチョに体型を変化させることは、決して容易ではありません。しかし、モチベーション高く定期的な運動と適切な栄養摂取を継続していけば、誰だって必ず細マッチョになることはできます。

まずは各ステップに沿って筋肉量を増やし、ある程度体型がガッチリしてきたタイミングで徐々に食事の量をコントロールしていきカラダを絞って体脂肪を落としていきましょう。
ぽっちゃり体型の人が本気で細マッチョを目指すなら、このステップに沿って取り組むことをオススメします。

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この記事のライター
和田 拓巳
和田 拓巳
プロスポーツトレーナー歴16年。 プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガに関する知識も豊富でリハビリ指導も行っている。 医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関す...