ファストファッションの洋服に頼りがちな男性が気をつけたいこと5つ。

洋服に詳しくない人たちをはじめ、すっかり世の中に浸透した「ファストファッション」。
ユニクロやGU・ZARA・無印良品など、知らない人はいないどころか、むしろファストファッションの服を1枚も持っていない人の方が珍しいほど、私たちの生活に必要不可欠なアイテムになってきています。

今回は、そんなファストファッションの歴史や魅力を振り返りつつ、日常の着こなし全般をファストファッションに頼りがち男性が気をつけたいことについてご紹介したいと思います。

今さら聞けない「ファストファッション」とは?

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ファストファッションは、1990年代終盤より台頭してきたファッションカテゴリーのひとつ。
本来ファストファッションの意味は、「ファスト(FAST)=早い」に「ファッション(FASHION)=流行りを取り入れた着こなしスタイル」をかけ合わせ、安くて早い「ファストフード」になぞらえた造語として誕生し、素早いサイクルで販売・消費するファッションのことを指すのですが、近年においては定番・流行のアイテムを問わず、ある程度の規模をもつアパレル会社が販売する低価格帯の洋服全般を『ファストファッション』と呼ぶように変わってきています。

また、日本人の消費者がライフスタイルにお金と時間を割くようになってきた、1980年代のバブル時代から現在までにおけるファッションのキーワードをいくつか取り上げると、以下の傾向が見られます。

●1980年代
(1)生地の柄=派手め、(2)素材=綿や絹など多彩、(3)値段=高価格帯
●1990年代
(1)生地の柄=無地柄、(2)素材=種類が縮小される、(3)値段=中価格帯
●2000年代
(1)生地の柄=無地柄、(2)素材=機能性重視に変わる、(3)値段=低価格帯

バブル時代を境に、消費者の意識が徐々に華美なブランドで全身を固めるファッションを気恥ずかしいと感じるようになり、その結果ファストファッションの流行に繫がっていることがお分かりいただけるでしょう。

あらためて知っておきたい、ファストファッションの魅力とは?

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ここからは、おさらいの意味も含めてファストファッションの魅力・メリットについて見ていきましょう。

(1)圧倒的にコスパがいい!

まずファストファッションの魅力として挙げられるのは、なんと言ってもやっぱり安く買えてコスパに優れていること。

一例を挙げると、ちょっとしたブランド物のメンズTシャツを買う場合、一般的な価格帯は3千円台後半~7千円位ですが、ファストファッションは千円前後とおよそ数分の1、そしてハイブランドとの比較においては数10分の1の価格帯で購入出来てしまう計算になります。

さらに品質面においても、確かにブランド物の方が良質な生地を使って作られていますが、数倍優れた品質の生地かというと、その差はほとんどなくせいぜい1.3倍位の差だったりします。

また、昔はファストファッションの洋服を一度洗うと、すぐに穴が開いたり襟首がダランと伸びてしまうTシャツも見受けられましたが、今は品質も比較的しっかりしているため安心して購入出来る点もファストファッションの魅力といえるでしょう。

ファストファッションのアイテムは、品物によって数万枚以上販売されるケースも珍しくありません。
一度にたくさんの材料を仕入れ、同じ作業工程をへて一気に大量生産し徹底的に製造コストを下げることによって低価格帯での販売を実現しているのです。

(2)デザインがシンプルで組み合わせしやすい!

ファストファッションの主なターゲット層は、普段着にかける金額をできるだけ安価に抑えたい客層からオシャレが大好きで外見のこだわりを強く持つ客層まで、幅広く対応しています。
言い換えれば、ファッション人口の最も多いゾーンを顧客ターゲットに据えているともいえるでしょう。

たとえば「このブランドしか着ない」「このデザインしか買わない」という思考マインドをもつ客層はかなり限定されており、多くの消費者においては、その時代の流行りに見合った服を選びたいもの。
つまりファストファッションは、世の中で黒い服が流行ればブラック基調の洋服を作り、大きい服が流行ればビッグサイズの洋服を作り、ある意味ではデザインに固執することなく、多くの人たちが受け入れやすい洋服作りをベースにしているため、出来上がるものも自己主張が少なく、極力シンプルな洋服が多いというわけです。

そしてシンプルな洋服は、手持ちの既製服とも難なく合わせることができ、なおかつその服が変に主張することもなく、常に服を着る本人が主役になれる点もファストファッションが選ばれる魅力といえるでしょう。

(3)カラーが豊富に揃っている!

そして最後に、ファストファッションの魅力として色のバリエーションが豊富な点も挙げられるでしょう。

通常のブランド服は、1つの型にたいして多くても2~3色のバリエーションですが、ファストファッションの場合は5色前後、また多い場合は数十色という展開も珍しくありません。

展開しているデザインのパターンが少ない反面、気に入ったパターンの服は色違いで何枚も購入し、コーデの組み合わせによる雰囲気の違いを思う存分楽しめる点もファストファッションの魅力といえます。

ではここからは、日常的によくファストファッションを身につける男性が押さえておきたい5つをポイントを見ていきましょう。

その①|ベーシックなデザイン・色のアイテムを選ぶこと

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ファストファッションの服を選ぶときは、できるだけ定番のデザイン・カラーを選びましょう。

ひとつドレスシャツを例に挙げると、おおよそ1万円位までのドレスシャツであれば、「ナイロンの練りボタン」「ボタンの縫付は機械縫い」「接着芯」「80番手程度の織り糸」というスペックが基本。
実はこのスペック、1万円程の高額なブランド物のドレスシャツも、2千円程度で買えるファストファッションのドレスシャツも、基本的には同じデザインタイプで作られているのです。

パッと見の違いがほとんど分からないレベルであれば、当然安い方がいいですよね。このようにファストファッションの服は、定番の型で作られたアイテムを選ぶと、よりお得感を得られて買うことができます。

また、ファストファッションの服を選ぶときは飽きの来ない定番色を選ぶことも大事。
たとえば華やかな色合いの洋服は、ブランド物に比べて開発や製造コストがかけらない分、ファストファッションの方が劣っているケースがほとんどで、中には数回洗濯しただけで色褪せてしまうケースもあります。このように、あまりにも独自性が強かったり個性的な色合いの服を買うと、買い替えの手間が余計に発生するなど、後々後悔することになりますので、ファストファッションの服はできるだけ定番色の中から選ぶようにしましょう。

もしくは、いっそのこと割り切り、流行りのデザインや色合いの服はブランド物を購入する前提で、その前のお試しとしてファストファッションの服を利用するという考え方もアリです。

その②|自分に合ったシルエット、サイズ感のアイテムを選ぶこと

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また、極端に凝ったデザインや珍しい素材の少ないファストファッションの洋服選びで気をつけたいのが、そのサイズ感。
せっかくセンスのいいアイテムを選んでも、時代に見合わないサイズ感の着こなしでは野暮ったい印象に見られてしまいます。

ルーズなシルエットが見栄えよく見えたり、反対にスキニ―のようなタイトパンツがウケ良く見えたりと、その時代によってジャストサイズの定義は変わりますので、くれぐれも時代遅れのサイズ感にならないように気をつけましょう。

ちなみに、ファストファッションの長所の一つとして、サイズ展開が豊富という点が挙げられます。
他のブランド物は2~3サイズの展開しかないアイテムも、ファストファッションの服はほぼ全てのアイテムでXS~XLのサイズ展開がありますので、自分の体型合ったサイズ感の洋服を選んでスマートに着こなしましょう。

その③|アクセサリーを身につけて個性を出すこと

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それから普段着のシャツ・パンツ・ジャケット類をファストファッションで揃える場合、ヒネリの効いたアクセサリーを身につけ個性の演出を意識しましょう。

シンプルなデザインで全身をコーディネートする場合は、選ぶアクセサリー次第で“その人の色”がハッキリ出るもの。たとえば、バングルの素材をプラチナにすれば上品な雰囲気に、またシルバーにすれば洗いざらしたシャツが似合うカジュアルな雰囲気に仕上がります。

コスパのいい服を買うことで費用を抑えた分、時計やネックレス・カバンなどの小物類は、値段に関係なく一番気に入ったオリジナル商品を身につけ、自分らしさを演出するようにしましょう。

その④|安くてシンプルでも、ファストファッションの靴は履かないこと

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次に足元ですが、ファストファッションに合わせる靴は、できるだけ高品質なシューズを履くようにしましょう。

ファストファッションのメーカーでもシューズは販売していますので、やろうと思えばフルアイテムをファストファッションで揃えることも可能ですが、さすがにシューズに関しては「餅は餅屋に」の考え方がベターです。

たとえばスニーカーを履く場合、コットンキャンバス地の最もシンプルなタイプでもシューズメーカーとファストファッションの作ったものでは、ソールの厚さやクッション性に差があり、履き心地や耐久性が全く違います。

長い距離を歩いたり、長時間立ち姿勢のまま過ごしたときの疲れ度合いも全く異なりますので、シューズだけはファストファッション以外のアイテムを選ぶようにしましょう。

また、洋服に無頓着で全てのアイテムをファストファッションで揃えた着こなしと、それ以外のブランド物もきちんと駆使した着こなしとの一番の差は、靴のセレクトにハッキリ出るもの。
革靴を履くにせよスニーカーを履くにせよ、足元だけはしっかりとしたシューズメーカーの物を履いてください。

その⑤|ファストファッションの服は「清潔感」を第一に考えること

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どれだけファストファッションの洋服をセンス良く着こなしていても、アイテム自体に清潔感が欠けていたらすべて台無しになってしまいます。

洗濯の繰り返しで生地が薄くなっていたり、よれよれのドレスシャツや毛玉だらけのセーターなどはもっての外。
特に耐久性に弱いファストファッションの洋服は、コンディションが落ちてきたと感じたら、躊躇せずに直ぐ買い替えるようにしましょう。

コスパのいい服を身につける最大のメリットは、たとえどんなにお気に入りの商品でも買い替え時のスイッチコストが安価に抑えられることです。

Tシャツなどは、1シーズン毎に買い替えても財布にほとんど響かないレベルの価格帯ですので、着こなしのベースをファストファッションに頼りがちな男性は、いつもパリッとした清潔感のある身だしなみを心がけましょう。

ファストファッションの手入れは、どうすべき?

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よくネット上のコメントに「ファストファッションの服を一度洗ったら、穴が開いたり縮んだ…」という書き込みを見かけますが、これは洗濯・手入方法の解釈が間違っているのではないかと思います。

これはなにもファストファッションの洋服に限らず、たとえばレーヨン素材は、いくら洗濯表示が手洗いになっていても、水に濡れると耐久性が落ちその状態で擦る(洗濯する)と穴が開いたり、繊維が毛羽立ったり縮んだりします。
またウール素材は、水を通すと硬くなりやすく全体的に服が縮みやすいのが特徴です。さらに麻素材も同様で、洗濯し続けていると繊維である茎が折れて、復元出来ない状態になります。

つまりファストファッションの品質が悪いのではなく、洗濯で劣化するのは素材自体の特性である場合がほとんどなのです。

ファストファッションの手入れ方法としては、まずクリーニングor洗濯機など生地素材に合わせた洗濯方法を選ぶこと、そして汚れたら思い切って買い替えるのがベストな選択といえるでしょう。

今回は、普段の着こなしスタイルをファストファッションの洋服に頼りがちな男性に、注意点5つを中心にご紹介しました。
ファストファッションは、全ての世代に接点の持てる寛容性の高い商品展開を行っています。普段着や仕事着などで日頃からファストファッションを活用する男性の皆さんは、ぜひ今回ご紹介した点に気をつけながらファッションを楽しんでください。

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この記事のライター
ヨシカズ
ヨシカズ
DCブランドのコレクター。 MENDYのアンバサダーとして「ファッション」をテーマに執筆活動しています。