プールトレーニングの4大メリットを解説!「水中」と「陸上」それぞれで得られる効果の違いとは?

カラダを鍛える方法は色々あります。その一つがジム等に併設されているプールを活用した運動。
通常は陸上で行う「筋トレ」や「ランニング」などのトレーニングメニューも、場所を水中に変えるだけで、陸上とはまた違った効果が得られます。

今回は、水中と陸上それぞれで得られるトレーニング効果の違いをはじめ、プールトレーニングの4大メリット、さらにはトレーニングの目的別にプールを活用したオススメのエクササイズ方法をご紹介します。

「水中」と「陸上」それぞれで得られるトレーニング効果の違い

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まずは、「水中トレーニング」と「陸上トレーニング」それぞれで得られる効果にどのような違いがあるのかについて見ていきましょう。

負荷のかかり方が違う

基本的に陸上トレーニングでは、負荷が常に重力方向へとかかります。また、ランニングマシンを使った場合も同様に負荷のかかり方は一方方向で、直線的なかかり方をします。

一方、プールなどを活用した水中トレーニングでは、重力の影響が少なくなり、負荷のかかり方も多様。上半身・下半身、前側・後側、体幹・四肢などを分け隔てることなくカラダ全体の筋肉を使うため、陸上とは違い、一度のトレーニングで非常にバランスよく全身を鍛えることができるのです。

このように、“水中”と“陸上”ではそれぞれ負荷のかかり方に違いがあり、筋肉に与える刺激も変わるため、プールを上手に活用すれば陸上では決して得られないトレーニング効果が期待できるでしょう。

動き方が違う

水中ならではの負荷を活用すれば、陸上で行えないような動きを取り入れたトレーニングメニューを組むことも可能になります。

例えば、水泳。水中での腕や脚の動きは非常に独特で、同じ負荷を陸上でかけることは難しく、プールトレーニングならでは鍛え方と言えるでしょう。
また、筋肉の「筋肥大」や「筋力アップ」の効果は、陸上トレーニングに比べて多少劣りますが、その代わりプールトレーニングでは、なかなか陸上では鍛えにくい筋肉の部位を刺激できたり、関節を安定させた動きやカラダを連動させた動きで鍛えられたりという、プールトレーニングならではのメニュー設計を組むことが可能になります。

特にプールトレーニング初心者の中には、普段から陸上での動きに慣れていることもあり、はじめのうちはプールの中が動きにくいと感じる人もいるでしょう。しかし、その動きにくい状態こそが、普段使われていない筋肉を刺激している証拠なのです。

プールトレーニングにおいては、まさに「水の中」という日常生活とは違う特殊な環境で過ごしていることこそが最大の魅力でありポイント。水の中で運動することは「水」という特性が、ダイレクトにカラダを鍛える作用に大きな影響を与えるのです。

プールトレーニングの4大メリット

ここからは、プールトレーニングの4大メリットについて紹介していきます。

(1)消費カロリーが高い

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ジム等に併設されているプールは、基本的に体温より低い26~30度くらいの水温に設定されています。その上、水中は陸上よりも熱の伝導率が高く、体温が下がりやすいという特徴があります。

さらにこの水温効果によって、体温が下がり過ぎないようにカラダは常に代謝を高め体温を維持しようとする機能が働きます。
つまりプールトレーニングにおいては、体温を保つために自然と消費カロリーが多くなるというメリットが期待できるわけです。

ちなみに、体重60Kgの人がプールで20分間軽めに泳いだり歩いたりした場合の消費カロリーは以下となります。

・クロール=174kcal
・平泳ぎ=111 kcal
・背泳ぎ=101 kcal
・バタフライ=290 kcal
・水中ウォーキング(速め)=143 kcal


これを陸上トレーニングと比較した場合、例えばウォーキング(時速4.5~5.1km)をした場合の消費カロリーは 73kcal、ランニング(時速6.4km)をした場合の消費カロリーは126 kcalとなり、これらと比べても、プールトレーニングの方が消費カロリーを高めに燃焼できることがお分かりいただけるでしょう。

また、プールトレーニングには、体温が下がりやすいという水の特性を活かし、例えば陸上トレーニング後のクーリングダウンとして、カラダの熱をしずめる効果も期待できるためコンディション維持にも役立ちます。

実際プロアスリートでも、試合翌日はカラダをリカバリーさせる上であえて完全休養にせず、プールで軽めのトレーニングを行うことを義務付けているケースは良くあります。

(2)高負荷をかけられる

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水中で受ける水の抵抗は、陸上の空気中で同じ運動をする時の約800倍と言われています。
つまりプールトレーニングは、この水の抵抗によりただ歩くだけでもかなりの高負荷がかかり、カラダ全体がまんべんなく刺激され、自然とトレーニング効果を高められるというわけです。

また、“水の抵抗力”は簡単に変化させることが可能。水中で素早く動こうと速く動かせば負荷が強くなり、反対にゆっくり動かせば負荷が低くなります。

例えば、ジムでバーベルを持ち上げる際などは、いちいち自分で都度重さを調整する必要がありますが、プールの中であれば抵抗の強弱をその場で簡単にコントロールすることができ、より自分の体力に合わせた負荷調整の設定ができるというメリットも挙げられるでしょう。

(3)カラダへの負担がやわらぐ

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浮力の影響によって、水中では物の重さが6分の1~10分の1程度まで軽減します。それはプールトレーニングにも同じことが言えます。
つまりカラダに圧しかかる体重の負荷が軽くなれば、必然的に関節にかかる負担も少なくなるということ。

特に体重が重すぎたり、関節に痛みをかかえていたりする人がプールトレーニングを行えば、ケガの防止効果にも繋がり、安心・安全かつ効果的にカラダをリフレッシュされることができるでしょう。

よくケガのリハビリやお年寄りなどが、トレーニング時にプールを活用する目的は、まさにこの浮力による効果が大きいのです。

(4)血液の循環が良くなる

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水中では、カラダに水圧がかかります。水圧は、血管を圧迫し体内の血液や体液の循環を促したり、代謝を高めたりする効果として期待大。

そしてこの水圧は、単にトレーニング効果だけではなく、全身のむくみや足のだるさなど、循環器によって引き起こされるカラダの不調を改善する働きとしても役立ちます。

また、プールトレーニング後にサウナやジャグジーなどでカラダを温めれば、水の中で収縮した血管が一気に広がり、血液の循環をより高めるという作用も期待できるでしょう。

【目的別】プールを活用したエクササイズ方法3つ

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プールトレーニングのメリットや効果を確認したところで、ここからは、トレーニングの目的に応じた代表的なエクササイズ方法を紹介していきます。

①「筋力アップ」が目的の場合

プールを活用した水中でのトレーニングは、様々なメリットが期待できる反面、陸上競技に比べて効果が低下してしまうデメリットもあります。その最たる例が筋力アップ。

筋力は、ある程度の負荷がカラダにかからなければ向上していかない能力です。そのため、浮力の影響によって負荷が軽くなるプールでは、筋力アップを目的としたトレーニングはあまり適していないと言えるでしょう。

しかし、全く意味がないわけではありません。とりわけ運動初心者や体力の低い人、体重が重すぎて陸上で思うようにトレーニングが行えない人にとっては、プールトレーニングの方が効果的な場合もあります。

ちなみに、プールトレーニングで負荷を高める最も簡単な方法は、水中でカラダを動かすスピードを速くすること。
例えば、プールでウォーキングを行う場合もできるだけ速く歩いたり、水泳でもバタ足を速く行ったりするなど、動作スピードを上げることを意識してみましょう。

そして、ある程度プールトレーニングの動作にも慣れてきたら、今度はプールと陸上をセットで組み合わせてトレーニングメニューを設計すると、より筋力アップが期待できます。

②「心肺機能向上」が目的の場合

水中を活用したプールトレーニングは、心肺機能の向上にも大きな効果を発揮します。
特に心肺機能を高めたい人の場合は、長時間続けられる水泳がオススメ。クロールや平泳ぎなど、できるだけ休まずに継続して泳ぎ続けられる泳法で行いましょう。

そして、心肺機能をより高めるためには、ある程度の負荷も必要です。長時間プールで泳いでもそこまで疲れず泳ぎ続けられるようになってきたら、今度は泳ぐスピードを速くすることを意識してみましょう。

③「運動不足解消」が目的の場合

「日頃の運動不足を解消するためにも何か運動をしないと…」と考えている人にとって、プールトレーニングは安全かつ効果的に取り組めるエクササイズと言えるでしょう。

特に久しぶりの運動で、カラダを痛めてしまうことが不安な方にとって、プールトレーニングは最適です。
例えば、始めのうちはゆっくり歩いたり、徐々に横歩きや後歩きを取り入れたりするなど、様々なウォーキングパターンで全身の筋肉に軽めの刺激を与え、ケガのリスクを軽減させられます。
また、水中では腕を左右前後に大きく動かすだけでも十分な高負荷が加わりますので、自分のコンディション状態に合わせた刺激を効果的に与えられるでしょう。

もし「ただ歩くだけでは飽きてしまう…」という方は、好きな泳法で自由気ままに泳いだり、アクアビクス(水中で行うエアロビクス)と呼ばれる有酸素運動のプログラムに参加してみたりするのもアリです。

ゆったり泳ぐ水泳はリラックス効果も得られて、ほどよいカラダの疲れと合わさり、気持ちもスッキリします。
その気持ち良さから水泳にハマる人も多いのですが、もし自分に水泳のトレーニングが適していると感じるようであれば、陸上の筋トレやランニングではなく、プールを中心としたトレーニングメニューを組んでも良いでしょう。

プールトレーニングを有効活用しよう!

プールトレーニングには、有酸素運動の一つとして脂肪燃焼効果も期待できます。そのため、「ダイエットしようかな…」と考えている方にとっては、陸上のトレーニングに比べて負荷も少なく気軽に始められて、なおかつより継続しやすいため痩せる目的としても最適なトレーニングと言えるでしょう。
そして、ある程度プールトレーニングに慣れてきた場合は、筋トレのウエイトトレーニングや走るランニングなどの陸上競技とセットでメニューを組み立てて実践すると、より一層のダイエット効果が期待できます。
「はたして自分は何を目的にトレーニングへ励むのか…」まずはそこを明確にして、プールの利点・メリットをフル活用していきましょう。

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この記事のライター
和田 拓巳
和田 拓巳
プロスポーツトレーナー歴16年。 プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガに関する知識も豊富でリハビリ指導も行っている。 医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関す...