もっとハードに、もっとチャレンジングに生きる! ~株式会社エニグモ/須田将啓社長インタビュー!~

“世界を買える”。このインパクトのあるキャッチコピーを耳にされた方もいるのではないでしょうか。
115カ国、6万人以上のパーソナルショッパーから世界中のアイテムを購入できるソーシャルショッピングサイト「BUYMA」を運営する(株)エニグモ。起業当時、月商4万円という会社を今や年間取扱高200億円以上にまで牽引し、BUYMAを海外ファッション通販サイトNo.1(認知度)にまで押し上げ、ファッションフリーマーケット“STULIO”、電子書籍サイト“BUYMA BOOK”にも事業を拡大している同社の最高経営責任者・須田将啓社長にインタビューしました。

マーケティングの価値にいち早く注目

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Q まず、須田社長のご経歴から教えていただけますか?

大学院に進むタイミングで、将来は社長か教授になる、と決めていました。大学院ではコンピューターを勉強したのですが、これは研究ではなくてビジネスでやるものだなと思ったので、社長になるという選択肢しか残っていなかったんです。
大学院を修了した後、2000年に博報堂に入社しました。30歳で起業しようと思っていたので、マーケティングの経験値を積みたかったというのが、大手広告代理店を選んだ理由です。商品の完成度が高くなって、機能差がどんどんなくなっていく以上、マーケティングの部分が価値を生み出すと考えたんです。

Q 期待通りのマーケティングは学べましたか?

役に立ちましたね。中でも、社名もオフィスも決まっていない、通信のベンチャーを立ち上げからマーケティングのサポートとして関わらせていただいた経験は、自分が起業する上で非常に有益でした。そのベンチャーは、営業を持たずにテレビCMで集客していたので、毎週、経営者の方とディスカッションして効果検証をさせてもらっていました。会社が増資してどんどん多くなっていくプロセスを実体験できたことも非常に想い出に残っています。

予想外の障壁に苦戦

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Q その後、ご自身が2004年にエニグモを創業されたわけですね。共同創業された田中さんと博報堂に勤務されているときから準備をされていたのですか?

最初は、自分たちで起業しなくても、BUYMAのアイデアが自分たちの中にあったので、それを世の中に出したかった。別の会社が作ってくれれば、それでいいと思ってパートナー探しをしていたんです。気に入ってくれた会社はもちろんあったのですが、自分たちが独立して会社を作った方が思い描いている通りのサービスを提供できるだろうという結論に至りました。
その結論に至るまでの間、毎週企画書を作って持ち寄ったり、課題を考えたり、ガチンコでディスカッションしていました。大体、タリーズのようなカフェに集まって話していたんですが、田中とは同じ職場だったので、ふと思いついたアイデアを隅っこの方に行って話したりもしていました。

Q 会社の立ち上げはスムーズに行ったんですか?

いいえ。BUYMAのサイトを委託していたのですが、開発が全くできていなくて、立ち上げに手間取りました。オープンさせた後も面白いぐらいに売れなかった。
C to Cのビジネスではあるのですが、売り手に任せてしまうと何を出していいかわからないし、買い手も何を売っているサイトなのかわからない。最初の方はなかなかマッチングが起こらなかったんですね。
でも、徐々にファッションと女性に特化して、品揃えを充実させて検索に引っかかるように仕組みを強化したことで、お客様が集まるようになってきた。そうすると、出品者も増えて、商品も検索もどんどん増えていくという好循環が生まれてきたんです。

戦闘モードに入りやすい服をチョイス

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Q なるほど。ちなみに、ファッション系のサイトを運営されていますから、普段着ておられる服もこだわりがありそうですね。スーツとかはどこで買われているんですか?

もちろん、BUYMAですよ(笑)。ただ最近では、決算期に合わせて、いいスーツを一着買おうと思っていて、仕立てたり、自分の身体に合っている気がするので、イタリア系のブランドから選んだりします。身体にフィットしている感じがするので好きなんです。

Q 他に身につけられているもので、こだわりモノとかブランドはありますか。例えば、腕時計とか?

腕時計もアクセサリーも付けませんね。高校時代、ボクシングをやっていたせいか、格闘系なんです。“野生”に近い方がいいと思っているし、アクセサリーや腕時計に興味はありません。そういう意味では、胸元が空いている方が動きやすくて戦闘モードに入れるので、Vネックのものが好きです。Vネックを見つけたら買うという習慣で、街で見かけると、衝動買いしています(笑)

Q 戦闘モードですか(笑)。確かに須田社長はVネックをよく着られている印象が強いです。今でも運動はよくされるのですか?

定期的にはしていません。でも、忘年会や新年会、歓送迎会など飲む回数が集中する期間がありますよね。そんな時には、身体をリセットするために、品川から江ノ島まで走ったりします。1時間に1回ぐらいコンビニを給水ポイント代わりにして休憩しながら、ゆっくり走って、七里ケ浜の『Bills』という世界一美味しい朝食が食べられる店で朝ご飯を食べて帰ってきます。これを一度やると、2~3カ月は体調がいいんです。オススメですよ。

困難な道を選ぶオン、気ままに思いつくまま過ごすオフの時間

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Q 経営者になってからは、オフの過ごし方も変わりましたか?

もちろんそうですね。サラリーマン時代は平日も休日も良く飲みに行っていました。平日は仕事が何時に終わっても先輩と飲みに行っていて、24時間営業している居酒屋とか寿司屋をリストとして持ってたぐらいです。単純な交流目的もありますが、やっぱり情報収集としての目的が一番大きかったですね。今は何も予定がない休日であれば、思いつくままに色んなことをやっていて、マラソンしたり、プールしたり、たまにドローンに花火をつけて飛ばしてみたり(笑)、枝豆を育てて食べたりしています。

Q オフ過し方とてもユニークですね(笑)また、サラリーマン時代のハードワークとアグレッシブさも起業に良い影響を与えてそうですね。起業されるときに不安はなかったですか?

不安はありませんでしたが、やっぱり仕事は楽しかったですし、いい人も多かったので後ろ髪を引かれる思いはありました。

Q それでも起業しようと突き動かされるもの何だったんですか?

やりたいことがあったということと、10年後の自分を想像したときに、独立している自分の姿の方が理想像に近いと思ったんです。短期的には、今の仕事を続けたいとか、十分に恩返しできていない状態で辞めるのに躊躇があったりしたのですが、長い目で見ると、明らかに起業するのは間違いないケースだと感じたんですね。
それに、高校時代ぐらいから、なんとなく選択肢が2つあると困難な道を選ぶということを指針にしてきていて、よりチャレンジングなものを選ぶということが体験的に身についていたんですね。

世界経済フォーラム(ダボス会議)Young Global Leaderに選出された須田社長。日本を代表するリーダーだけあって、オンもオフの過ごし方もパワフル且つ革新さが伝わるインタビューでした。須田社長が起業した当時は、ベンチャーを立ち上げる人はまだまだ少なかったそうですが、迷わずに自分らしい生き方を貫く姿勢が、周囲を巻き込み、市場を切り開き、業界をリードする原動力になっているのだと感じさせられました。

~今回「MENDY(メンディ)」でFOCUSした"人"~
-株式会社エニグモ
-代表取締役 最高経営責任者:須田将啓
-BUYMA:http://www.buyma.com/

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この記事のライター
MENDY journal
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