50年先の未来を創るために、逆算して物事を考えよう ~株式会社オークファン/武永社長インタビュー!~

月間1500万人以上が利用する、ネットオークション・ショッピングサイトの価格比較・相場検索サイト「オークファン(aucfan.com)」を運営する株式会社オークファン。あらゆる人が、場所に捉われず、自由なモノの売り買いができる情報プラットフォームを目指し、ただいま世界にも活躍の場を広げようとしています。
サラリーマン経験の無いオークファン代表の武永社長は、京都大学の在学中から個人でビジネスを開始され8年の歳月で国内最大級の比較サイトに成長させたビジネス手腕の持ち主です。
今回は、そんな起業家と経営者の両側面を持つ武永社長に、これまでの苦労話からご自身の仕事に取り組む姿勢・人生観についてインタビューしました。

創業当時の苦労を支えた「応援歌」

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Q まずは武永さんのご経歴からお聞かせいただけますでしょうか?

京都大学在学中に、オークションと出会ったことが全ての始まりです。ネットオークションにパソコンを出品したところ、中古店査定の4倍の価格で落札され、これは新しい販売市場になる、その可能性がはっきりと見えました。その後、個人事業主として中古ブランドの販売事業にて起業し、2年後には売上1億円以上を達成しました。2004年に株式会社デファクトスタンダードとして法人化し、インターネットに特化した買取サービスを展開しました。
ただ当時既に、個人ユーザーとして利用していたオークファンの前身となる「オークション統計ページ(仮)」に新しい可能性を見出していました。インターネット上にある無数の情報ってバラバラでかつ信憑性がなかった。だからこそ、情報を統合して分析するビジネスモデルに価値があることに気づきました。知人のご縁から、その「オークション統計ページ(仮)」の開発者にお会し、サイトを譲り受けました。そして2007年にメディア事業として新設分割し、株式会社オークファンを創業しました。

Q オークファンは今でこそそれなりの知名度になってきてますが、創業当時から順調な道のりだったのでしょうか?

もちろん苦労だらけですよ。特に2008年頃はサブプライム住宅ローン危機などの煽りを受け、苦しい時期を過ごしました。毎月500万から1000万ほどの赤字を出しながら、数名の社員とともに寝ずに働きました。経済的にも精神的にも本当にボロボロでしたが、今となっては懐かしい思い出です。

Q なるほど、創業期の苦しい時期を支えたものは何かありましたか?

ものだけでなく人も含めて色々ありますけど、ひとつは音楽がありますね。
ラジオなどから流れてきたキマグレンの「LIFE」はよく覚えています。どんな人生でも良い、自分らしく生きようというメッセージ性が特に好きです。当時オークファンを創業したばかりで、苦しい道のりを選択した自分は間違っていない、そう思えるような応援歌でした。
耳にすぅーと入る感じは独特の共感を覚えて、今たまに聞いても当時を思い出したりします。

特別な「空間」と「時間」にこそ本物の価値がある

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Q 応援歌っていいですね。ところで武永社長をネットなどで拝見していると、いつもスーツにワイシャツというイメージがあるのですが、好きなスーツブランドや普段愛用されているモノはありますか?

スーツのイメージありますか(笑)特にスーツにこだわっている訳ではないですけどね。
ブランドも特にこだわりはありませんが、エルメスのシンプルさは好きです。
いま着ているプラダのスーツもそう、ブランド感を主張しすぎないものを好みます。見かけのためにブランド品で着飾らず、あくまでも知る人が知っているような高級感を共有できたらいいですね。
私服はホリスターのようなラフなものが好きですし、オークファンのロゴ入りペンなどの小物も使っていますよ(笑)

Q ハイブランドにこだわらず、好きなモノを愛用しているのですね。

モノにこだわりを持つことよりも、環境を変えることを大切に投資もしています。
仕事の出張、家族の旅行にかかる移動時間もそう、1つの環境の変化と捉えます。
飛行機は月に最低2,3回は利用していますが、国際線ってほとんどの機内でまだWi-Fi繋がらなかったりするので、移動時間は自分だけの「特別な時間」として過ごせます。
日頃の環境では、どうしても明日、明後日の仕事に追われてしまい、自分の時間を持つことがなかなかできません。
だからこそ、たまにはじっくり名書と呼ばれる本を読んだり、頭の中を整理したりと、ビジネスクラスの空間こそ価値あるモノとして投資しています。
そういう特別な時間はお金には代えられない価値があるので、多少のコストは投資として有効活用しています。

新しい出会いは人生を変える

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Q 断捨離もそうですが、ネットが仕事の人はネットから離れる空間/時間は大切ですよね。飛行機で本を読むとおっしゃっていましたが、これまでの一番の名書なんかはありますか?

日本マクドナルド創業者の藤田 田さんが書かれた「ユダヤの商法」は、これまでの価値観をぶっ壊すほどのものでしたね。
会社を創業した2005年頃は、事業を進めながらも心の奥のなかでは、「このまま、事業を続けていいのかな?」「お金をあまり稼ぐのは卑しいのでは?」と思う日々を過ごしていました。
「ユダヤの商法」と出会ったことで、お金の見方、稼ぐことへの価値観が転換できました。
「契約には絶対に時間をかけろ」「交渉は相手が泣いてでも、もう一歩踏み込め」というビジネスのエッセンスは今でも十分に通用しますし、当時ガツンと影響を受けましたね。

Q ユダヤについての本は色々出てますが、刺激的で面白いですよね。

本は知識を与えてくれるので良いですよ。

Q 本以外に情報収集している媒体やメディアはありますか?

ログミーのようなWEBマガジン、FacebookやTwitterから流れてくるニュースなど、断片的な情報もインプットするように心掛けています。最近は、様々な角度から物事を図るために、インプットする情報を増やすようにしています。

Q 武永さんには、オンとオフの切り替えが無いように思うのですが、どのようにストレス発散していますか?

いまは出張のついでですが、旅行の時間は、良いリラックスとなりますね。
大学時代には、ヨーロッパをバックパッカーとして3カ月間ほど回っていました。
当時、ハンガリーに着いたときに、友人がパスポートを無くしてしまって、国境で銃を持っている軍人に、何かの運び屋と疑われたりしましたね(笑)
今は家族との旅行を楽しんでいますが、いろいろな出会いがあるところも魅力でしょうね。

50年先の未来にこそ、今を生きるためのヒントがある

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Q 学生時代の出会いは大変というか恐ろしいですね(笑)出会いの他に武永さんが過去に影響を受けた金言/名言などはありますか?

私が10年以上大切にしている金言は「長い目で物事を考えよ」です。これは、米国のイェール大学の卒業式、ある教授が生徒たちへ送られた言葉ですね。
50年先の人生プランを決めているかどうかで、将来の収入、人生の満足度、自己実現が大きく違っていたという実際の話なんですが、私は25歳のときにこの言葉と出会いました。
そして、10年・30年・50年先の人生を見つめ直したときに、生き方に1本筋が通り、ちょっとしたことに対してイライラすることや怒ることはグッと減りました。
しかも、当時のメモを見返したら、10年後に目標としていたものが今ではほとんど叶っていました。
だから、50年先の未来を描きながら、「仕事」・「お金」・「健康」など叶えたいことをノートなどに書き出す。そして毎日見る。物事ってそんなところから始めると良いと思うんです。

Q 当時のメモを今でも見直したりするのですね。

本当は、3ヵ月に1度目標を見直したほうが良いのですが、今は移動中にメモを見たりする程度ですね。目標を更新していくと、まるで映画のように自然と細分化されていきますし、情報もキャッチしやすくなる。
しかも、人間の脳って不思議なもので、現実と妄想の区別ができないので、良い未来をイメージすればするほど目標にしていることの情報を引き寄せます。
周りにいる経営者も同じく、とにかくポジティブな方が多いですね。自分の人生が最高になるとイメージすることはタダなのに、しないのは本当に損ですよ。

Q なるほど、イメージを持つ人と持たない人では差も出そうですね。

人生を楽しむコツは、とにかく目的を持つことです。日頃取り組む仕事もそう、目的を持つためにはポジティブに捉えられるかが大切ですね。仕事上の目的と人生の目標が一致してくると、成長曲線を大きく描けますし、人生の楽しさにも自然とつながります。
もしも、日頃の仕事に対して、目的意識を見出せないならやらないほうがいい。私なら、事務のスピードがあがったとしても、50年先に目標としていることにつながらないだろうし。
人生の楽しさを自分の手で掴むために、向上心を持って、行動し続けるかが大事でしょうね。

最近の成り上がり系の経営者とは異なり、決して派手なイメージのない武永社長。
現在の輝かしいビジネスでの実績の陰には、創業当時の苦しい中にも大きく変わろうと常に何十年先を見つめ、何気ない日々を着実に積み重ねていく努力が生み出した成果であることを感じさせてくれるインタビューでした。
金言として頂いた「長い目で物事を考えよ」は、焦らず着実に歩を進めていくこと、継続していくことの大切さを武永社長ご自身から教えていただきました。

~今回「MENDY(メンディ)」でFOCUSした"人"~
-株式会社オークファン
-代表取締役:武永 修一
-aucfan (http://aucfan.com/

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この記事のライター
MENDY journal
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