自分らしさを徹底的に貫く、自称「超オタク」経営者 ~INMホールディングス会長 兼 ネットマイル取締役 畑野仁一 様にインタビュー!~

インターネット市場でポイントを相互交換できるユニバーサルポイントプログラム「ネットマイル」事業のビジネスモデルの考案者であり、そのネットマイルを日本最大のポイントプログラムサービスへと牽引してきた、株式会社ネットマイルの創業者・畑野仁一。
現在は、ネットマイル社ならびにインタレストマーケティング社を傘下とするINMホールディングスの会長として、IT業界だけでなく、生活・エネルギー産業にも参入し幅広くビジネスに取り組んでいます。

バブル期に学生という立場からビジネスを経験され、その後のサラリーマン時代、そこからの起業、とさまざまな立場から仕事を経験されてきました。そんな畑野さんに、現在に至るまでのエピソード、ご自身の生き方・考え方についてお聞きしました。

学生起業からサラリーマンを経て感じたこと

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Q:まずは、畑野さんのご経歴から教えていただけますでしょうか?

畑野:実は、大学時代に起業しているんです。当時はバブルの真っ盛りで、友達やその両親の車を買ってきて、オークションで売るという形で自動車ブローカーをしていました。
学生も皆、車に乗っていて、家族の車もあって、一家に2台は車があり、車検の時期が来ると車を乗り換えるという時代。おまけにインターネットがないから相場なんていうものも全く分からないですから「下取りの査定金額より10万高く買う」というと、皆、車を持ってきてくれました。それを買い取った金額よりも高く売れば、僕は儲かるというわけです。今と違って、完全にクローズドの世界でしたから、査定金額よりも随分高く売れましたし、今よりも年収があったぐらいです。ポルシェにも乗っていましたし、その当時のいい車には乗り尽くしました。
でも、学生だからといって遊び感覚だったわけではなく、当時はその事業に本当に真剣で、車の査定士の免許も、保険の上級代理店の資格も自動車整備士の資格も持っていました。
そんな学生時代を送っていると、いつの間にか自動車業界では有名になっていて、マツダから学生のニーズをリサーチしてほしいと依頼がかかり、学生時代からマツダに今で言うインターンのような形で参画し、卒業後はそのままマツダに入社しました。

Q:随分ユニークな学生時代を過ごされていたんですね。

畑野:バブルですから。今の若い人からすると、嘘みたいな時代だったんです。
一方で、就職活動の時に、普通だったらじっくりと自分の人生とかキャリアとか考えるはずの時に、何も考えずに入社してしまったので、社会人になってから相当に悩みました。自分がどう生きたいのか、どうありたいのか、3年ぐらい悩みに悩んだ結果、はっきりとした結論は出なかったんですが、バカな人の下で働きたくなかったし、志の低い人間と一緒に時間を過ごしたくないと思ったんですね。でも、サラリーマンはそんな我が儘を言う訳にはいかないので、自ずと起業するしか道がないわけですよ。
学生時代はブローカーの仕事が面白くて勉強なんか全くしていなかったので、ビジネスを改めて学ぶために慶應の大学院のMBAコースに入り、2年間フルタイムで勉強し直しました。僕は“自称オタク”と思っているですが、大学院では勉強にハマって、朝から晩まで月に500時間位、勉強しました。好きだった戦略論の本やマーケティングの本は暗唱できるほど熟読しました。

Q:その後、コカ・コーラに入社されましたね。

畑野:大学院には奨学金で行っていたので、それを返済するために、給料のいい会社を探しました。一度、外資系で働いてみたかったので、MBAで学んだマーケティングの理論を自由に試させてくれる日本コカ・コーラは、職場としては文句ナシでした。思う存分、プロモーションやブランティングに関わる仕事をさせていただいて、借金を返し終わった後に、やはりコカ・コーラの看板ではなくて、裸の自分がどれぐらい勝負できるのか試してみたかった。
その時にスティーブ・ジョブズの本を偶然にも読んでいて、学生起業したスティーブ・ジョブズが自分の会社のパートナーとしてペプシ・コーラの副社長ジョン・スカリーを口説く下りがあったんですね。「ジョン、君は一生黒い砂糖水を売り続けるの? 僕と一緒に歴史を作らないか?」と誘うんですが、その時、自分がコカ・コーラで働いていたこともあって、その言葉が胸に響いた。IT業界に行ってみようと思ったのは、それもきっかけとしてあります。そして、起業するための会社、インキュベーターのネットエイジに入社しました。

自分の「心次第」で人生は面白くなる

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Q:ネットエイジに入社してネットマイル創業に繋がるんですね。先ほどバカな人の下で働きたくない、とおっしゃっていたのですが、畑野さんが尊敬している人もしくは魅力的で惹かれる人って、例えばどんな人ですか?

畑野歴史上で言うならば、織田信長と曹操です。二人に共通しているのは、既成概念を壊して新しいものを作り出そうとした人たちということ。諸葛孔明のような軍略家ではなくて、元々あったものを破壊して、全く新しいものを生み出すというところに惹かれますね。

Q:ちなみに自分を変えた言葉、好きな言葉はありますか?

畑野:尊敬する高杉晋作の辞世の句でもありますが『おもしろきこともなき世をおもしろく、棲みなすものも心なりけり』という言葉が好きです。27歳で死んでいった高杉晋作は、日本史上でも最も濃い人生を生きたと思うんですが、その彼が「世の中なんて面白くないものだ。そんな人生なんだけど、それを面白くするのもつまらなくするのも自分の心がけ次第だ」と言っていて本当にその通りだと思うんです。
元々、僕は人生が27年であろうが、50年であろうが70年であろうが短いと思っています。時間というのは有限で、生まれた瞬間に砂時計の砂が確実に落ち始めて、最後の一粒が落ちた瞬間に死んでしまう。誰もそれを変えることはできないわけです。
でも、その砂時計も日本の歴史、地球の歴史から見ると本当にちっぽけな一部分にしか過ぎなくて、一瞬にして終わってしまう。一番平等で、貴重なものは時間だとずっと思っているのですが、その一瞬の人生を面白くするのも、結局は自分の心がけ次第だと思うんです。

Q:なるほど、時間は確かに貴重ですね。でも、この時間の重要さって社会に出て気づく人が圧倒的に多いように思うのですが、社会に出てからでも人一倍濃い人生を過ごすためのコツなんか、お考えありますか?

畑野迷ったらワイルドな方を選ぶ、これに限ります。「楽」と「大変」の2つの選択肢があると、“ワイルド”は「大変」な選択肢の方になります。もちろん「大変」を選ぶ方が困難なことが待ち受けているのですが、その困難を乗り越えているうちに自分に力がつく。修羅場をくぐり抜ければくぐり抜けるほど、身につくものがあるんです。この“ワイルドな方を選択する”ということを徹底すれば、仕事や人生において、自然と濃い過ごし方ができると思いますよ。

遊びでも何でも、突き詰めて考え取り組むのが好き

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Q:プライベートのことも少しお聞きしたいのですが、ストレス解消など休日の過ごし方を教えていただけますか?

畑野:アウトドアをメインにさまざまやりますが、ストレス解消という点でいえばサバイバルゲームとトライアスロンです。ただ、ストレス解消法というよりは、なんでも突き詰めて真剣にやってしまうタイプなので、遊びの感覚ではないですね。
最近では、自衛官や警察の人が参加するような実戦の訓練にも年に3~4回参加しています。ストーリーがあって、人質役、テロリスト役とか皆が真剣に取り組んでいる。実際に命の駆け引きをしているという実感があるし、そういう場所に身を置くことで自分を見つめ直す事にもなっていると思います。自分をワイルドな方へワイルドな方へと追い込まないと、人生ってあっという間に終わってしまうんです。

Q:遊びもストイックですね。服装などにこだわりはありますか?

畑野:基本的に物欲も少なく、服のこだわりもあまりありません。ただ、ジーンズは好きですね。スーツは着ませんし、正装はジーンズにジャケット。だからジーンズだけはこだわりがあります。仕事でも普段から「ヤコブ・コーエン」のジーンズを履いていますが、こんなに履きやすいジーンズはないというぐらい履きやすいです。他の経営者の中にも「ヤコブ・コーエン」を愛用している方は多いですよ。

時間ほど貴重な財産はない!

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Q:お話をお聞きしていても、畑野さんはとても刹那的だと思うのですが、昔からでしょうか?

畑野:最初に死を意識したのは小学生の頃(笑)。それからずっと死について考えてきて、死生観というのは僕にとってとても大事で、DNAに深く刻み込まれているんです。毎朝起きるたびに、一日死に近づいたなって思うんです。
そんな僕にとって、とにかく時間が一番貴重な財産です。お金や他の何ものにも変えられない。なぜなら時間は作り出せませんし、24時間全人類に等しく同じくある。いくらお金持ちでも24時間しかないし、いくら貧乏でも24時間ある。どんな優れた人間でもダメな人でも1分1秒も変わらず24時間なんです。

Q:時間軸に対してワイルドに生きることこそ、畑野さんの生き様と言えそうですね。

畑野:そうですね。先ほどのアウトドアもサバイバルゲーム以外にもいろいろチャレンジします。トライアスロン、登山、狩猟からマリンスポーツもしますし・・・釣り以外は大体なんでもやります。釣りは待っているのがダメ(苦手)ですね(笑)。
海外旅行も大好き。外の世界を見ると勉強になりますから、男だらけのワイルドな海外旅行!(笑)なんかも企画して行きます。日本人旅行客が誰もいないような南米の僻地に行ったり、一度モンゴルの非武装地帯では遭難しかかりました。とにかくワイルドなことが大好きなんです。ワイルドなことをしていると生きているなって実感できる。病気ですね(笑)。

学生時代から、自らリスクを背負って事業を興してきた畑野さんは、生まれながらの起業家タイプ。何事も徹底的に突き詰めるストイックさと、それを「オタクですから」と笑い飛ばすギャップが人を惹き付ける魅力なのだろうと感じました。また、人生を砂時計になぞらえて刹那的に、そしてワイルドかつ果敢に挑む姿は、まさに「頼れるアニキ」の代表格と言えそうです。
「仕事」「遊び」と無理に区切らず”とにかく人生を謳歌する!”。傍からみれば一見ムチャクチャなことでも、男としての憧れを感じると共に、どこか嫉妬心もくすぐられてしまう、そんな生き方ではないでしょうか。

~今回「MENDY(メンディ)」でFOCUSした"人"~
-株式会社INMホールディングス
-代表取締役会長:畑野 仁一

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この記事のライター
MENDY journal
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