プロトレーナーが教える!「筋トレ」の効果を最大限高めるために押さえておくべきポイント9つ

トレーニングのメニューとして欠かせない「筋トレ」。
筋肉をつけてカラダを鍛える、余計な脂肪を落とすダイエット、または汗をかいてストレス発散に繋げるなど…人それぞれ様々な目的をもって筋トレに取り組んでいることでしょう。そしてこの筋トレも、ある程度の習慣が身につくと、今度はいかに効率よく筋肉をつけるか、また効果的に筋力を高めるか、その方法に興味が湧いてくるもの。どうせ筋トレに励むのであれば、やっぱり最短かつ最大で効率的に筋肉をつけたいものですよね。
そこで今回は、プロの目線から筋トレの効果を最大限高めるためのポイントを9つご紹介したいと思います。

ポイント①|トレーニング前は「糖質」を摂取する

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まずトレーニング前は栄養補給から始めましょう。

トレーニング中にエネルギー不足が生じると、トレーニングの強度が低下したり、集中力が低下してしまう恐れがあります。
さらに、長時間のトレーニングを行う場合は、時間の経過とともにエネルギーが徐々に不足していき、エネルギー不足によって筋肉が分解され筋肉を作り出す効率が悪くなってしまいます。

ですので、トレーニング前はエネルギーのもととなる「糖質」を摂取しておきましょう。
また、トレーニング前に食事の摂取によって糖質を補給する場合は、消化・吸収の時間も考慮し、最低でもトレーニング2時間前には食事を終えておくのがベスト。反対に、トレーニング前に食事の摂取ができない場合は、ゼリータイプの飲料やサプリメントなどを活用し、最低限の糖質を摂取しておくと良いでしょう。

ポイント②|トレーニング前は「ダイナミック・ストレッチ」をする

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筋トレを始める前はしっかりとウォーミングアップを行いましょう。ウォーミングアップを行うことでケガを未然に防ぐとともに、神経の働きを活性化しトレーニングの効果をより高めてくれます。

そして、ウォーミングアップのやり方としてよく取り入れられる方法の一つが『ストレッチ』。しかしストレッチにも様々な種類がありますので、適切なストレッチ方法を選ぶ必要があります。

中でも筋トレ前のウォーミングアップに適したストレッチとしては、カラダを動かしながら筋肉を伸ばす「ダイナミック・ストレッチ」と呼ばれる方法がオススメ。ラジオ体操やサッカー選手が良く行っているブラジル体操などがダイナミック・ストレッチにあたります。

反対に世間一般で広く認知されている、止まった姿勢のままじっくり筋肉を伸ばす「スタティック・ストレッチ」と呼ばれるストレッチ法は、静止している時間が長く筋肉が冷えてしまうことによって、力が発揮しにくくなるという研究結果もあります。

トレーニング前のウォーミングアップ時は「ダイナミック・ストレッチ」を中心に、うっすら汗ばむぐらいを目安に10分程度行いましょう。

ポイント③|トレーニング中の「負荷」を徐々に高めていく

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筋トレの効果を最大限高めるためには、トレーニング中の内容も徐々に変えていく必要があります。
そして筋トレのメニューを変える上で最も重視すべき点が「負荷」

人間のカラダというのは、自然と刺激に慣れていくもの。そのため、いつもと同じ負荷でトレーニングを行っていては、筋肉をつける上で十分な刺激が与えられず、トレーニング初期頃と比べてもさほど目ざましい変化が得られないまま効果がどんどん停滞してしまうのです。

以前よりも回数を多くこなせるようになってきたのであれば、それは成長の証です。それと同時に更なる効果を求めるのであれば、トレーニング中の負荷を徐々に増やしていくようにしましょう。

ポイント④|トレーニング中の「関節可動域」は最大に

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筋トレなど、エクササイズ中に意識すべきポイントの一つが「関節可動域」です。筋肉を効果的に刺激するためには、カラダの関節可動域全体で動作を行うように意識しましょう。

実際に筆者もスポーツジムなどで、せっかく重い重量を持ち上げてカラダを鍛えているのに、なぜか狭い可動域で行っている人をよく見かけます。
何か目的があってのことであればいいのですが、筋肉づくりや筋力向上のためであれば、それは効果的とは言えません。
特に筋トレの効果を最大限高めたいのであれば、関節可動域全体をしっかり動かせる状態で負荷設定するようにしましょう。

ポイント⑤|トレーニング後は「スタティック・ストレッチ」をする

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そしてトレーニング後は疲労の蓄積をやわらげ、次のトレーニングまでにカラダを回復させておくためにもしっかりクーリングダウンを行いましょう。

この筋トレ後のクーリングダウンには、「スタティック・ストレッチ」と呼ばれる、カラダの反動を使わずに静止した状態で筋肉を伸ばすストレッチ法をオススメします。

プロのアスリート選手であれば、このクーリングダウンに1時間くらいかけてしっかりとクールケアに充てる人も多いですが、普通に趣味の一環として筋トレを行う人であれば、そこまで長時間のクーリングダウンは必要ありません。ただし時間がない場合でも、最低15分くらいを目安にクーリングダウンすることをオススメします。

またこれはクーリングダウンとは別ですが、もし筋トレ中のケガや筋肉に痛みが出ている場合は、アイシングなどで炎症を抑えることも忘れずに行いましょう。

ポイント⑥|トレーニング後は「タンパク質」と「糖質」を摂取する

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そしてトレーニング後は速やかに栄養摂取を行い、筋肉の材料を補給しましょう。

筋トレ後の栄養補給で必ず摂取したいのが「タンパク質」。タンパク質は筋肉の元となる栄養素になります。
特にトレーニング後は成長ホルモンや筋肉の合成を促すインスリンが多く分泌され、筋肉の合成が活発になる時間帯です。そのため、トレーニング後は30分以内を目安にタンパク質を摂取するとより効果的に筋肉をつけられるでしょう。

さらにタンパク質の摂取と合わせてオススメしたいのが「糖質」。糖質も一緒に摂取することで、トレーニング中に枯渇したエネルギー量を補給し、筋肉の分解を抑えてくれます。

また摂取の観点で言えば、最も理想的なのはトレーニング直後に食事をすることなのですが、もし時間が取れない場合やハードなトレーニングで食事が喉を通らない場合は、まず簡易的な食事としてオニギリや菓子パン・バナナ・プロテインなどで栄養補給しておき、後ほどしっかりとした食事で栄養補給を行うと良いでしょう。

ポイント⑦|トレーニング後は飲酒しない

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トレーニング後のビールが楽しみ!という人も少なくないでしょう。
しかしそれは、筋トレによって筋肉を効果的につける観点でみれば明らかなNG行為。多くの研究においてもアルコールの摂取が筋トレの筋合成効果を阻害するという結果が出ています。

中でもアルコール摂取によって筋トレに及ぼす悪影響の一つが、テストステロンの分泌。本来テストステロンは、摂取したタンパク質を合成させ筋肉を作る働きを担っているため、筋トレの刺激によって分泌されるのですが、アルコール摂取によりこのテストステロンの分泌量が減少してしまうのです。

また、アルコール摂取によって分泌される「コルチゾール」というホルモンは、エネルギー源である糖を生み出すために、筋肉の分解を促進させてしまう恐れもあります。

その他にも、アルコールによって食欲が増しつい食べ過ぎてしまったり、摂取したアルコールのエネルギーを消費している時は食事から摂取したエネルギーが消費されないなど、エネルギー過多になってしまい体脂肪を蓄積してしまう原因にもなりかねません。

ただお酒の中にも、少量であれば筋合成の影響を受けないという研究結果もあります。アルコールの分解能力には個人差もありますが、だいたい目安としては500ml(ロング缶1本分)程度までの飲酒であればギリギリの許容範囲。しかし量が少なくてもアルコール度数の高いお酒には、注意が必要です。
特にビール・日本酒・カクテル・サワーなど、糖質の多いお酒類はオススメできません。糖質が少ない焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を選ぶことで、少しは体脂肪の蓄積を防ぐことができるでしょう。

ポイント⑧|日常生活において「タンパク質」を意識的に摂取する

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筋トレ後にプロテインを飲んだり、トレーニングした日の食事にはできる限り「タンパク質」の豊富なメニューを摂取するという人は多いですが、逆にトレーニングをしていない日は特に食事の内容を意識していないという人も多いことでしょう。

しかし筋トレの効果を最大限高めるためには、トレーニングした日だけではなく、普段の日常生活から食事内で意識的にタンパク質の摂取量を増やす癖を身につけておくことが大切です。

例えば、ある程度タイムリミットの期間を設け、三ヶ月の間に筋肉の量を増やすなどの目標を掲げ、一定期間集中して筋トレに取り組む人の場合であれば、トレーニングをしない休息日においても、タンパク質が豊富に含まれる肉や魚・卵や乳製品などの食事を積極的に摂取し、加えてプロテインなども活用してタンパク質の摂取量を多めに確保するといった工夫が必要でしょう。

ポイント⑨|適度に「休養」の期間を設ける

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筋トレの効果を最大限高めるためには「運動」と「栄養」が何より大事ですが、当然それだけでは不十分。きちんと“休養”を設けることでカラダは変化していくのです。このことを「超回復」と言います。
超回復とは、運動後一時的に体力が低下し、その後適切な栄養と休養を取ることで運動前の体力レベルよりも向上させるという理論。

筋トレ後に適切な休息を取り入れなければ筋肉は回復せず、徐々に疲労が蓄積されていき筋力低下や筋肉の減少などを引き起こします。また反対に休養の期間が長すぎる場合においても、時間の経過とともに筋力が徐々に衰え、筋肉はトレーニング前と同じ状態に戻ってしまいます。

トレーニング中の負荷や強度によっても多少異なりますが、だいたい一般的な超回復には筋トレ後約48~72時間ほどの休養が目安。
超回復の効果が出るように、しっかり休養を取り入れながらトレーニングのスケジュールを組みましょう。

今回ご紹介した各ポイントは、トレーニング中に限らず、一般的なカラダ作りのための基本とも言える内容です。
しかし筋トレに励む人の中にも、意外と疎かにされている部分でもあります。

筋トレによってより効率的に筋肉をつけたい、また出来るだけ短期間のうちに最大の効果を出したいという人は、是非この9つのポイントを参考にしてみてください。

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この記事のライター
和田 拓巳
和田 拓巳
プロスポーツトレーナー歴16年。 プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガに関する知識も豊富でリハビリ指導も行っている。 医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関す...