意外と知られていない…スクワットをするメリット6つ! 正しい「スクワットのやり方」も解説。

数ある筋トレの中でも、手軽に実践可能なエクササイズの一つ「スクワット」。
スクワットは、自分の体重を負荷に取り組めるトレーニングのため、場所を選ばず自宅や職場・屋外などどこでもすぐに行うことができます。

しかし、腕や肩・胸など目に見えやすい上半身の筋肉と違って、太ももをはじめとした下半身の筋肉を鍛える理由に、いまいちピンときていない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、意外と知られていない「スクワット」の魅力と下半身の筋肉を鍛えるメリット、そして正しいスクワットのやり方について解説したいと思います。

スクワットのメリット①|下半身をバランスよく鍛えられる

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股関節や膝・足首と、下半身にある複数の関節を同時に動かしながら行うスクワットは、それぞれの関節や筋肉を連動させながら動作を行うため、下半身の筋肉全体に刺激が入ります。

例えば、スポーツクラブにあるトレーニングマシンを使って下半身を鍛える場合、簡単に取り組める反面、太ももの前方にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)や太ももの後方にあるハムストリングスなど、特定の筋肉だけに刺激が入るものが多いため、脚全体を鍛えようとすると何種類もエクササイズを行う必要があり、トレーニングの回数や負荷のかかり方に偏りが生じると下半身全体のバランスを崩してしまう恐れがあります。

その点スクワットであれば、下半身全体をまんべんなく効率的にバランスよく鍛えることが可能。

またスクワットの動きは、複数の関節を同時に使いながら行うことから、実際にスポーツ競技のトレーニングメニューとして取り入れられるケースも多く、カラダの重心を安定させるうえでは最もメジャーかつ効果が期待できる点もメリットといえるでしょう。

スクワットのメリット②|姿勢が良くなる

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スクワットは、下半身全体にまんべんなく刺激を入れられるだけでなく、動作中の姿勢を保つための「体幹」に対しても大きな刺激を与えることができます。つまりスクワットによって体幹が鍛えられることで、姿勢が良くなったり、他のエクササイズで扱える重量が増えるなどのメリットが期待できるでしょう。

スクワットは、エクササイズ全体の中でも高重量を扱えるフリーウエイトです。重量を扱いながら行うスクワットでは、正しいフォームを維持するために姿勢を常に保っておく必要があり、そのためには体幹部の筋肉がしっかり働いていなければいけません。

例えばトレーニングマシンを使って下半身の筋肉を鍛える場合、基本的にはイスなどに座ったり寝た状態で姿勢を固定したまま動作するものが多いため、腹筋群や背筋群など体幹部への刺激は大きく減少します。
一方スクワットの場合は、基本的に立った姿勢で行うトレーニングのため、動作中は猫背にならないようしっかりと体幹部を意識して上半身の姿勢を保っておく必要があることから、そのぶん体幹部へ刺激が多く入りやすいというわけです。

また、スクワットをすることで股関節まわりの柔軟性が高まる点も、正しい姿勢を作るうえではプラスの材料といえるでしょう。

スクワットのメリット③|基礎代謝が上がりやすくなる

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下半身にある筋肉は、太ももやふくらはぎなどカラダの中でもとりわけ大きい部位ばかりです。そのため上半身に比べて下半身は筋量を増やしやすく、筋量が増えることで基礎代謝が大きく向上しやすい点もスクワットをするメリットといえるでしょう。

基礎代謝が高まれば、太りにくく痩せやすいカラダになり、ダイエットも効率よく進めることができます。

スクワットのメリット④|疲れにくくなる

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下半身の筋力が高まれば、日常生活での疲労も感じにくくなります。特に立ちっぱなしや歩くことが多い仕事に就く人などは、普段からスクワットで下半身の筋肉を鍛えておけば、仮にいつもと同じ労働量でも以前に比べて疲れにくさを実感できるでしょう。

また、重い荷物を持ち上げたり、階段を上り下りする、小走りなどのとっさに力を発揮する際も、だいぶラクに動けるようになります。
このように日頃からマメにスクワットで下半身を鍛えておけば、日常生活シーンにおいても沢山のメリットが期待できるでしょう。

スクワットのメリット⑤|骨が強くなる

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人間は年齢の上昇とともに骨密度が低下する割合は高くなっていきます。骨を強くするためには「カルシウムの摂取」と考えがちですが、体内にカルシウムを取り込むだけでは骨は強くなりません。骨を強くするためには、日頃の運動が必要不可欠なのです。

また運動の中でも、とりわけ長軸方向(縦の力)に負荷がかかるスクワットのような動きのあるトレーニングが効果的と言われています。
特に骨粗鬆症(こつそしょうしょう)などは、骨密度の低下には痛みを感じないため、知らず知らずのうちに進行している場合がありますので、骨を強くする意味にも普段から積極的にスクワットを取り入れていきましょう。

このように年齢を重ねることによる骨密度の低下を予防できる点もスクワットのメリットといえます。

スクワットのメリット⑥|関節の保護に役立つ

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スクワットをすることで「関節保護」のメリットも期待できます。
骨と同様に、人間のカラダは年齢の上昇にともない膝や腰などの関節の痛みなどを感じるようになります。
実はこの関節痛も関節自体が問題なのではなく、痛みの原因は下半身の筋力の低下です。下半身の筋力が低下することによって、関節にかかる負担が増え関節の消耗が増えてしまうというわけです。

また、これは以前スポーツなどでケガをした経験がある人も当てはまるでしょう。
若い時は筋力が高く、関節を保護できていたものが、年齢を重ねるとともに筋力が低下することで徐々に痛みが出てきてしまうのです。
日常生活を過ごすうえで欠かせない関節保護のためにも、できればスクワットを習慣づけておくと良いでしょう。

正しいスクワットのやり方・ポイント4つ

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沢山のメリットが期待できる「スクワット」も、正しいやり方で行わなければカラダに負担がかかるだけで効果は出てきません。ここからは、スクワットを実施する際のポイントをご紹介していきます。

(1)ヒザをつま先より前に出さないこと

スクワットの間違った動作の一つが、股関節をあまり曲げずに膝だけを曲げてしまうやり方です。
何よりスクワットは、股関節の動きが最大のポイント。
特にトレーニング初心者の方は、よく“スクワット=膝を曲げること”と認識している人も多いですが、実際は股関節を大きく動かし、お尻を後ろに突き出し上半身を下していくというのが正しいスクワットのフォームです。

股関節を曲げない状態でスクワットを行うと、カラダの構造上つま先よりもヒザが大きく前に出てしまう体勢となり、必然的に膝に対して大きなストレスをかけることになるため痛みを引き起こす原因になります。

スクワットをする際は、まず股関節まわりに意識を持たせ、お尻をしっかり後ろに突き出しながら膝を曲げ、つま先よりも膝が大きく前に出ないように気をつけましょう。

(2)つま先とヒザは同じ方向に向けること

関節の痛みを引き起こすスクワットの間違ったフォームはまだあります。それが、”つま先”と”膝”が異なった方向を向くようにしゃがんでしまうこと。

スクワットでは、つま先の向いている方向と同じ方向に膝が動くのが正しいフォームなのですが、つま先が外を向いているにもかかわらず、膝が内側に入ってしまう人もいます。そのようなフォームは「ニーイン・トゥーアウト」と呼ばれ、膝の内側にストレスがかかり、痛みの原因に繋がります。

スクワットの動作は、必ずつま先の向きと同じ方向へ膝を動けるということを意識しながら行いましょう。

(3)太ももは床と並行になるまで曲げること

トレーニングにおいては、関節の可動域を最大限に動かすことが効果を高めるポイント。狭い範囲で動作を行っていても、刺激は少なくなかなか高い効果は期待できません。

スクワットをする際、この可動域を大きく広げるためには股関節まわりの動かし方が重要です。
しっかり股関節を曲げて、カラダの重心を下すことを意識しましょう。
カラダを下す目安は、太ももが床と平行になるくらいがベストです。

(4)背中を丸めないこと

スクワットの際に意識すべきポイントは、下半身だけではありません。動作のない上半身も重要です。
よくスクワットの動作中に背中を丸めてしまう人を見受けますが、この姿勢は腰に対して大きな負担が生じ、腰痛の原因になってしまいます。

スクワット時に背中の丸まりを防ぐためには、顔をしっかり正面(もしくはやや斜め上)をむき、胸を張って腰を軽く反らせた体勢を意識すると良いでしょう。その姿勢を維持しつつ、しっかりお腹にも力を入れてスクワットの動作を行うやり方が効果的です。

スクワットは「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれるほど、効果の高いエクササイズです。
とはいっても、スクワットは難しいエクササイズではありません。誰でも取り組める種目です。

ただし、正しいフォームを意識したスクワットと間違ったフォームのスクワットでは、あきらかに効果が変わってきますので、どうせやるならしっかり効果が出る正しいフォームを心がけましょう。

また自分の体重負荷だけでのスクワットに慣れてきたら、今度はバーベルやダンベルなどのウエイトを使ってのスクワットにチャレンジしてみましょう。さらに高い効果が期待できるはずです。

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この記事のライター
和田 拓巳
和田 拓巳
プロスポーツトレーナー歴16年。 プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガに関する知識も豊富でリハビリ指導も行っている。 医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関す...