【大人向けに上質な服を】セレクトショップの大御所、ユナイテッドアローズの特徴と魅力を解説!

メンズウエアを買う際に、今ではすっかり定番となったセレクトショップの大御所、ユナイテッドアローズ。
今回はセレクトショップ御三家の一つ、ユナイテッドアローズの特徴や魅力について解説したいと思います。

「ユナイテッドアローズ」とは?

ファッション好きの男性であれば、大半の人が知っているであろうユナイテッドアローズ。
1989年の会社設立をへて、1990年に第1号店を東京渋谷にオープンします。

その後、さまざまな商品ラインナップを発表し、売上も順調に拡大。そして2012年にはじめて100,000百万円の大台を突破し、直近では国内の店舗数200を超す大手アパレル企業の仲間入りを果たしました。

短期間のうちに、これだけ目ざましい成長を遂げた実績を見ても、私たち日本人にいかにユナイテッドアローズの洋服が浸透しているか、納得できるのではないでしょうか。

「ユナイテッドアローズ」が展開する服の特徴

ユナイテッドアローズは設立当時、セレクトショップであるBEAMSから独立する形で展開したせいか、比較的カジュアルな商品展開を行っていたBEAMSよりも、ハイレベルな服やスーツを中心に商品展開していました。

また、その背景には“自分達が本当に売りたい商品だけを取り扱いたい”という強い想いもあったようです。

実際に当時、スーツやジャケット類の生地には国産生地を使用することが既製服業界としては常識的な考え方でしたが、ユナイテッドアローズは設立早々の段階から現代の主流でもあるイタリア製のインポート生地に着目。
近年、このイタリア製の生地を使用して服を製造するという流れを築いたブランドとしても知られています。

そんな今では幅広い消費者をターゲットに、数々のストアブランドを展開するユナイテッドアローズですが、創立当初から掲げる『大人向けの上質な服を提案する』というコンセプトは、今でも変わらず受け継がれており、後述するユナイテッドアローズの品質にも継承されています。

“セレクトショップ”の位置付け

“セレクトショップ”という販売形態は、老舗のアパレルメーカーやデザイナーズブランドに比べて、はるかに後発でありながらも、今では実に幅広い消費者層に認知されています。

しかし、セレクトショップを展開するほとんどのアパレル企業は、製品染めや異素材の組み合わせなど、単品の洋服でオリジナリティを追求することや、インパクトのあるデザインで製品開発することがあまり得意ではありません。

むしろ、他のメーカーやブランドが展開する服のテイストを少し変えて製品開発したり、別々の服同士を組み合わせたり、生地メーカーから珍しい生地を買い付けて新しい服を仕立てることを得意戦略としています。

さらにデザイン面においては、前衛的な色や形を採用するのではなく、比較的伝統を重んじた服のデザインを採用し、商品展開するという特徴があります。

ただしこれは、斬新かつこれまでに見たことのないような新しい服のデザインを、毎シーズン発表しているデザイナーズブランドが正しいなど、そういう単純比較が話の論点ではありません。

それこそバブル期までは、これまでに人が見たことのないような斬新かつ新規性の高い洋服のデザインに対して「新しい」という高評価が下されたり、あるいは遠くから見ても目立ちやすいサイズ感や色合いの服を消費者が望んでいたという、時代背景が大きく関係しています。

そこからバブル期以降といえば、着ていても疲れにくい極力シンプルな洋服が消費者に好まれたり、シンプルさの中にも上質な仕立ての洋服を着たい、という消費思考の変化が伴い、その欲求をセレクトショップ側が的確に掴んだ上で、店舗運営・製品開発に役立てているからなのです。

「ユナイテッドアローズ」のブランド展開

ユナイテッドアローズは、メンズ向けだけでもいくつものストアブランドを展開しています。
その主要ブランド名と特徴についてご紹介します。

■UNITED ARROWS
創立時から変わらず、最も定番のブランド。基本的にはフォーマルな服を中心に展開していますが、カジュアルな服を綺麗に着こなしたい場合にも最適です。

■BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS
洗いざらしのシャツをカジュアルに着こなしたい時におすすめのブランド。年齢も10代~40代以上と幅広く対応しています。

■UNITED ARROWS green label relaxing
リーズナブルな価格帯で特に家庭をもつ世代の男性の方に人気のブランド。品揃えも豊富で、オンオフ問わずトータルコーディネートが作れてしまいます。ブランドの立ち上げ当時こそ、本家UNITED ARROWSの廉価版のような位置づけで認知されていましたが、独自の商品展開と品質の高さ、良心的な価格帯で多くのファンを虜にしました。

■District UNITED ARROWS
これまでに“コムデギャルソン”をはじめ、知名度の高いブランドとコラボ商品を展開してきたユナイテッドアローズの中でも最も前衛的なブランド。まだまだDistrictの商品を取り扱う店舗の数も少ないため、着ているだけで希少価値は高めです。

■THE SOVEREIGN HOUSE
ユナイテッドアローズで最もスーツに力を入れているブランドです。
価格帯は比較的高めですが、普通のスーツではあまり使用されることの無いような高品質かつ珍しい生地素材を使ったアイテムが数多く取り揃えてあります。

「ユナイテッドアローズ」がこだわる服の品質

ユナイテッドアローズの品質を語る上で外せないのが、服の仕立て方。今回はユナイテッドアローズの上着の仕立てに着目してみました。

仕立ての優れたジャケットやスーツには、良い生地素材が使用されていることはもちろんですが、目に見えない上着の“芯地”にも手を抜きません。

本来、上着に芯地を使用せず、表の生地と裏地だけで作ると、全体的にクタッとした仕上がりになり、洋服の形状を保てなく、型崩れを起こしたり、見た目の着こなしもだらしない印象になってしまいます。
そこで、表の生地と裏地の間に“芯地”を挟み込むことで、パリッとした上着のフォルムに仕上がるというわけです。

この芯地には、糸で固定する『毛芯』と、接着材で張り合わせる『接着芯』という2つの作り方があります。『接着芯』のほうが、より安価に作れますが平坦な見た目でしなやかさに欠けるのが欠点。
良質な上着には、ほぼほぼ『毛芯』の製造が採用されており、上着のウエスト部分に入るシワの柔らかさが見極めの特徴と言えるでしょう。

そしてユナイテッドアローズでは、この『毛芯』を採用。目に見えにくい部分で品質に対するこだわりがあるのです。

芯地の見分け方

最後に、この『毛芯』と『接着芯』の見分け方についてご紹介。

まずは実物の上着を手に取った際に、上着の下半分、つまりお腹から裾にかける部分の生地を指で摘まんでみてください。

その時に、上着の表生地だけを摘まむことが出来れば、ほぼほぼ毛芯を使っていると思って間違いありません。
一方、接着芯の場合はというと、通気性やしなやかさの少ない化学繊維を芯地に使用し、表生地と一緒に芯地がくっついているため、指で摘まむと厚みや固さを感じます。

もし違いが良く分らないという場合は、袖部分を摘まんだ際の感触と比較してみると良いでしょう。一般的に袖の仕立てには、表生地と裏地のみで構成されているため、袖部分を摘まむと、生地だけの感触を得られるはずです。

また、上着の見頃下半分には“接着芯”を使用し、上半分には“毛芯”を使用するという仕立て方は「半毛芯」もしくは「ハーフ毛芯」と呼ばれ、コストの問題ですべてを毛芯として使用できない場合に、苦肉の策として用いられる手法もあります。
さらに、上着の見頃すべてに毛芯を使用する仕立て方は「フルキャンバス」もしくは「総毛芯」と呼ばれます。

柔らかく、しなやかさのある着心地を求めるのであれば、総毛芯で仕立てた上着を選ぶようにしましょう。

今回は、セレクトショップ御三家の一つ、ユナイテッドアローズの特徴や魅力についてご紹介しました。
ユナイテッドアローズがどんなコンセプトで展開しているのか、また同社の魅力でもある“品質のこだわり”についてもお分かり頂けたのではないでしょうか。

Cover画像: store.united-arrows.co.jp

ファッション #ユナイテッドアローズ #セレクトショップ #スーツ

この記事のライター
ヨシカズ
ヨシカズ
DCブランドのコレクター。 MENDYのアンバサダーとして「ファッション」をテーマに執筆活動しています。