“どこでもドア”を夢見た少年の気持ちを持ち続け ~株式会社マイネット 上原 仁社長にインタビュー!~

“オンラインサービスの100年企業”を掲げて、オンライン化の最先端で人と人を結びつけるサービスを提供する(株)マイネット。ニュースキュレーションアプリの草分け的存在になった後、飲食店サービスのオンライン化をいち早く推進。最近では、コミュニティ型のゲームサービスを多数運営するなど、オンラインサービスとスマホゲームのリーディングカンパニーとなった同社トップの上原仁社長にインタビューしました。

夢を実現する会社の経営者になる!

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Q まずは、上原社長の簡単なご経歴からお聞かせください。

大学卒業後、98年にNTTに入社しました。当時、NTTは光ファイバーを全国各家庭に張り巡らして10メガbpsを使い放題で1万円にするという“マルチメディア”構想を掲げていました。今は当たり前になっているサービスですが、その当時は画期的で、ものすごい可能性を感じたんです。“どこでもドア”が実現するんだったら、この会社だと思って、その夢を実現するためのポジションに行こうと心に決めました。

Q 『ドラえもん』の“どこでもドア”ですか?

そうです。“どこでもドア”は、小学生4年の時からの夢でした。どうしたらどこでもドアが作れるようになるのか、どんな会社に入ればいいのか、入社してからもNTTのどこの部署に行ったらいいか、実現するためにはどんな成果を出したらいいのか、ということばかり考えて進んできました。
法人営業を経験した後、光戦略会社の立ち上げに参画、2年後に映像コミュニケーション部の立ち上げのために東京へ来たんですが、その事業が大失敗でした。その後、NTTレゾナントのポータルサイトgooの編成チームに引っ張ってもらったんですが、通信のことばかりやってきて、インターネットのことは分からないし、正直言って、失意の中にありました。
それが2004年だったのですが、その頃ちょうどブログやSNSが入ってきたタイミング。面白いなと思って調べてみると、同世代の人たちがやっているんです。NTTのサラリーマンでありながらgooのリソースを使って、その同世代の起業家たちと事業開発を始めたんです。そんなことをしているうちに、いよいよ自分も何かをやらなきゃいけないと思うようになってきたんです。

Q それがご自身の起業につながっていくわけですね。

当時、私はカンファレンスの運営をしていました。80~100人を集めてテーマ設定をし、詳しい人に話をしてもらった後にケーススタディをし、そのディスカッション結果をフィードバックするということを30回ほど主宰していました。その中の2人と大学時代の後輩2人でマイネットを作りました。NTTレゾナントが社員の個人活動も後押ししてくれたし、会場も無償で使わせてくれたので助かりました。
これから起業したいという人には、小さくてもいいから自前のコミュニティを作ることをオススメしますね。そこから仲間も集まるし、最初のお客さんや投資家、いろんな分野に詳しい人に必ず出会えます。

人は死して名を残す

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Q 先ほど“どこでもドア”の話がありましたが、起業家になろうと思ったのは、いつ頃ですか?

起業家ではなくて、経営者になろうと思っていました。“どこでもドア”を作る会社の社長。
そう思ったのは、小学5年生の頃でした。「虎は死して皮を残し、人は死して名を残す」という言葉に感銘を受けて、何をして名を残すのかと考えた時期があったんです。歴史上で名前が残っている人を調べてみると、大体が政治家。でも、その当時はロッキード事件があったり、中曽根内閣が売上税を導入すると言っていて、世論の反対を受けたりしていて、政治家に対するイメージが良くなかった。
そんな中で小学館の『小学5年生』の冊子を開いたら、『松下幸之助伝記』があったんです。「松下は家電を作っているのではありません。人を作っているんです」という話を読んだ時に、ピンときたんです。立派な経営者になろう、“どこでもドア”をつくる会社のトップになりたいと思ったんですね。起業する時のコンセプトの中核も“どこでもドア”でした。“どこでもドア”を実現する会社を、ただ起業するだけじゃなくて、長期経営思想の中で100年続く会社にしようというのが2006年の起業したときに思ったことです。

Q ドラえもんの数ある道具の中から“どこでもドア”を選択した理由はあるんですか?

ものすごい寂しがり屋だったんです。でも、親が共働き、兄2人とも家にいなくて家にひとりきりという時間がものすごく嫌で、なんとかしたいと思っていた時に『ドラえもん』を読んでいた。“どこでもドア”があれば、いつでも誰かに会いたい時にすぐに会いに行ける。だから作りたいと思ったんですね。今は、どこでもドアは象徴ではありますが、人と人が会うところに最強のバリューが生まれる、その信念は変わりません。

コンビニの缶ビールでスイッチオフ

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Q 休みの日も誰かと一緒に過ごしているんですか? オンとオフはどのようにして切り分けていますか?

社会人1年目で結婚したんですが、サラリーマン時代はハードワークで家に帰れなかったりということがずっとありました。そんな中で、最初から決めていたことは、月~金の5日間、120時間は100%仕事にあてる、その代わり土日の48時間は100%家族にあてるということです。それは今でも崩していなくて、土日は必ず家族で過ごします。

Q そういうメリハリは大切だとは思うんですが、なかなかうまくいかないですよね。どこでスイッチを切り替えるんですか?

コンビニの缶ビールです(笑)。サラリーマン時代、仕事が終わると人を誘ってコンビニに行って、缶ビールを飲んでいたんです。子供が若いうちにできたので、お金がなかったということもあるんですが、周りの人も、これは合理的だと賛同してくれて。家に帰る前にコンビニの前に集まって、「お疲れさま」と乾杯して、スイッチをオフにしました。

Q 健康のために日常生活に取り入れられていることはありますか?

毎日1本は野菜ジュースを飲んでいます。気持ちだけかもしれませんが、健康な気持ちになりますよ(笑)。
また、毎朝5キロ走っています。この習慣は、ある年の初夢で会社が潰れる夢を見てからずっと続けているんです。実際に会社の状態がどん底の時に、そんな初夢を見てしまって、朝4時か5時ぐらいに、滋賀が実家なのですが思わず琵琶湖まで走り出しました。
このままではいけない、走り続けよう、それと何か大事なものをかけて、願掛けをしようと思って、酒をやめようと思いました。月商が3倍になるまでお酒を飲まずに走り続けるということをやったのですが、実際にその年の12月には月商が4倍になっていました。その後、お酒は飲んでいるのですが、ランニングは続けています。
これは健康維持や体調のためというだけではなくて、朝走ると頭の回転もよくなりますし、始業時点でマックスのテンションで迎えられる。成果につながる健康法だと思っています。

家族、友人の存在が支える夢

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Q 起業されてからは、そうやって走り続けてこられたと思うんですが、サラリーマン時代に仕事を楽しむためにされていたこと、コツみたいなものはありますか?

一番になりたいことを決めて、一番になること。一番早く資格を取るとか、チーム内で一番の成績を取るとか、なんでもいいんです。ただ、一番になると決めて、一番になる。それに向かうプロセスも楽しいですし、到達した時はもちろん嬉しい。これがチームで一緒に達成できたりすると、なおさら楽しいんですよね。

Q 面白いですね。ご自分を飾らずに缶ビール仲間を作ったり、“どこでもドア”の少年の頃の夢を語れる。ぶれることはなかったんですか? 例えばどこでもドアを作る経営者になるという夢も、抱き始めて随分長くなりますが。

ないですね。小学5年生の頃、経営者になろうと思った時に、世の中の報道を見ていると悪いやつばかり出てくる。経営者を志すと、そんなことをしなきゃいけないのかなと思って父親に尋ねたんですね。そしたら、「そんなことはない」って。たったの一言、説明も何もなかったんですが、腑に落ちたんですね。それが鮮明に記憶に残っていて、今でも支えになっています。
人が幸せになる、社会に貢献することが事業をやる上で基本中の基本だと思っていますが、そういった正しいことをやって、きちんと成長し続けるということができると表層認識じゃなくて、DNAレベルで思えるのは、その父親の言葉だと思っているんです。
もちろん、起業してから資金が底を尽きそうになったということは何度もあり、苦しい思いもしました。でも、家族と友達が支えてくれた。「生き残ろう、サバイブしたらその次が絶対にある」と呟いてくれた友人がいたこと、家に帰るといつでも「おかえり」と自分の場所を作って待っていてくれる家族がいたこと。それで乗り切ってくることができたと思っています。

少年時代の夢を大人になっても持ち続けるというのは、簡単なようでものすごく難しい。何度壁にぶつかっても、諦めないハートの強さのみならず、周囲と深く関わりながら支え、支えられる人間らしいしなやかさが必要なのかもしれないと、“どこでもドア”を語る上原社長の笑顔に感じさせられました。人の顔の見えないネット上でも、「人と人をつなぐ」サービスを提供するマイネット社が、幼少時代に全国の少年/少女が憧れた"どこでもドア"をどのような形で実現していくのか楽しみで仕方ありません。

~今回「MENDY(メンディ)」でFOCUSした"人"~
-株式会社マイネット
-代表取締役社長:上原 仁
-コーポレートサイト:Mynet Inc. (http://mynet.co.jp/)

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この記事のライター
MENDY journal
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