納得、合意、了承……相手の人を説得する時のかしこい交渉の進め方

チームで仕事に取り組む時や、家族や恋人に提案を受け入れてもらいたい時など、日常いろいろな場面で求められるスキルの一つが「説得力」。
誰かを説得するためには、ただ自分の意見を押し通すだけでは、相手の合意を得ることはできません。
今回は、相手の人を説得する時のかしこい交渉の進め方についてご紹介します。相手の人からのスムーズな納得を得るためには、交渉のやり方を工夫しましょう。

その①|まずは交渉相手のことを知る

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まず、誰かを説得する前に、その人が「どういう性格の持ち主か?」「どういう立場で物事を考えている人なのか?」など、説得する相手の人をリサーチすることが肝心です。

たとえばセールスで、誰かにモノやサービスを売り込む時、商品を買ってもらいたいターゲットの相手が“女性”と“男性”ではそもそもニーズが異なりますし、“若者”と“高齢”でも求めるものは違いますよね。
『相手は誰か?』ということをロクに分析もせず、ただ闇雲にこちら側の要求を一方的に伝えるだけでは、相手にNOを突きつけられてしまうのがオチ。

これは人間心理を動かし、人を説得する時にも同様のことが言えます。
交渉する相手に対して、ただ感情的にぶつかったり、こちら側の要求を一方的に押し付けるだけでは、相手からの納得を得ることなど到底できません。誰かからの納得や合意・了承を得るためには、説得する内容云々以前に、まずは交渉する相手を知ることは必要不可欠なのです。

そして、事前に交渉する相手の人物像をリサーチしておくことで、交渉への入り方、会話で聞く耳をもってもらうための惹きつけ方も当然変わってくるはず。交渉で人からの合意を得るためには、交渉の前段階からすでに勝負は始まっていると心得ておきましょう。

その②|客観的事実を話す

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交渉する相手のことをリサーチした後は、客観的事実の共有を行いましょう。

たとえば、夫婦2人でテレビの購入を検討した際、奥さんは“値段”、主人は“インチ数”にこだわりがあるとします。もちろん奥さんは、家計の面を考慮し値段を重視、主人は毎日テレビを観るシーンを考慮しインチ数にこだわっていることが考えられますよね。

そして、まさに2人の意見がぶつかるこのシーンで、「でも欲しいんだよなぁ」などと、自分の気持ちを訴えかけるばかりでは、なかなかGOサインはでません。

そこで相手を説得するために、有効な手段が客観的事実の共有です。

たとえば、「このテレビ、このインチとこのインチだと3万くらい違うけど、テレビってそうそう買い替えるものじゃないよね。最低でもたぶん5年は買い替えないでしょう?だとしたら1年に6,000円で1ヶ月なら500円、だいたいタバコ1箱分節約すれば買えるんだよね。5年は短いようで長いから、どうせならこっちのテレビを買いたいと思ってるんだ。」という具合に、数字から見た客観的事実と、購入後の生活をリアルにイメージさせた上で、相手の納得を得るやり方です。

相手からスムーズに了承を得たい時は、感情任せに訴えかけるのではなく、自分の意見に対する客観的メリット(事実)をより具体的に述べ、相手がイメージしやすいような交渉を心掛けましょう。

その③|実話や経験談を交えて話す

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相手を説得する時に、事実に基づいた話をしても、なかなか了承を得られない場合も当然あります。特に職場の上司という立場から部下に対して説得する時は、はじめは説得のつもりで話していても、徐々に説得が命令に変わってしまうことも少なくありません。

そんな、相手の本人がまだ完全に納得していない、腑に落ちていない場合は、自分の体験談や教訓を交えて説得する方法がオススメです。もしくは、自分ではなくお互いに共通する知人(先輩)や偉人・有名人などの事例を交えて話しても構いません。

「実は僕にも同じようなことがあってね…」
「○○さんているじゃない?あの人が前に言ってたんだけど…」
など、実話や経験談は、人の心に響きやすく最終的な説得材料になりやすいのです。

また、まだ相手の完全な納得が得られていない時は、失敗談を話して共感を得る方法もオススメ。失敗談を話して一気に納得まで至らない場合でも、相手の心を開かせ、警戒心を解くぐらいの効き目は期待できます。

説得に至る最終局面でも、焦って強引にコトを進めるのではなく、相手の共感を誘う交渉を心掛けましょう。

その④|最後は自分の気持ちを伝え、共感から納得を生む

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相手の人をリサーチし、客観的事実をもって交渉、そして実体験を話したら、最後に相手からの納得を得る方法としては、やっぱり気持ちが大事。

論理的説得や事実に基づいた説得は、納得はできても共感は生みません。

そこで、相手の共感を誘うためにも、最後の一押しとして、たとえば、「是非協力してほしい」「助けてほしい」「君にしかお願いできない」など、自分の本心、感情や気持ちを伝えて最終的な合意を図りましょう。

説得とは、相手の人が、自分の意見や希望に納得や合意・了承をしてこそ、はじめて成立するもの。最後の一押しは情熱を持って相手と向き合いましょう。

説得力に長けた人というのは、「冷静」と「情熱」を併せ持つもの。
いくら説得したいからといって、半ば強引に自分の気持ちを押し付けたり、感情的にぶつかるだけでは、相手を納得させることはできません。
まずは相手の人をリサーチ、そして客観的事実を話し、さらに実体験を交え、最後は気持ちを伝えて合意を図る。

この手順を守り、相手の人が心から納得する交渉・説得を心掛けましょう。

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この記事のライター
黒田 亜希子
黒田 亜希子
都内在住★ 趣味でDJなどを少々♪ ものを書くのが好きなので、役に立つ情報を楽しくお届けしていきます!