「結婚はしたくないなぁ…」という男性が知っておくべき、“事実婚”のメリット・デメリット

「法律婚」と「事実婚」の何が具体的に違うのかについて、いまいちよく分からないという男性の方も少なくないと思います。

法律婚といえば、普通に妻帯者の男性になるための婚姻届にサインをして、自治体の役所に提出すれば、めでたく戸籍上の夫婦が成立するということ、まぁこれは皆さんも当たり前にご存知のことでしょう。

では反対に事実婚とは何かといえば、昔から“内縁の妻”もしくは“内縁の夫”などという呼び方で括られていた男女関係、まさにああいった関係になることが、事実婚となるわけです。

ただこの事実婚においては、法律上の夫婦関係を証明する間柄ではないため、ある程度男女それぞれに自由度が高いというメリットがある反面、通常の婚姻関係とは勝手の違う部分も多いことは、あまり知られていません。
事実婚には、通常の法律婚とは異なるメリットもあれば、デメリットも存在するのです。

そこで今回は、男性が覚えておきたい、事実婚のメリット・デメリットについてご紹介したいと思います。特に「結婚って、なんとなく面倒くさそう…」「事実婚もアリかな…」という男性の方は、是非ご覧ください。

事実婚のメリット①|関係を解消してもバツが付かない

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まず通常の法律婚と事実婚では、男女が共生関係を結ぶ際の手続き方法が異なります。

法律婚では婚姻関係を成立させるために、婚姻届が必要となるわけですが、一方で事実婚の場合はこれに該当する書類は特に存在しません。

ただし、住民票の続柄の項目に男性は「夫(未届)」、女性は「妻(未届)」と記入することは可能です。この住民票だけで、いちおう婚姻関係の証明になるという点も利点と言えるかもしれません。

また事実婚の場合は、仮に共生関係が破綻し互いに別離しても、肩書き上バツが付くわけではありませんので、これは大きなメリットと言えるのではないでしょうか。

そもそも法律上の結婚をしていないわけですから、たとえ別れることになった場合でも離婚歴が積み重なることはないという理屈ですね。

事実婚のメリット②|“離婚”という言葉がなく、関係解消のハードルが低い

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法律婚をする上で、男性であれば恐らく誰もが一度は頭をよぎる懸念。
それが「もし離婚することになったら、色々めんどくさいだろうなぁ」という点ではないでしょうか。

実際、法律婚で夫婦になった男女がいざ離婚するとなった場合は、その状況次第では泥沼状態に陥るケースも少なくありません。
離婚に際して奥さんに家を明け渡し、慰謝料も相当数支払うことになった男性、世間にたくさんいますよね。

対して事実婚は、そもそも婚姻関係を法的に認めない男女の共生ですので、離婚という言葉が当てはまらず、離別、破局といったワードが適切です。

さらに役所に提出する離婚届も当然不要ですので、別れる際にもさほどの問題を抱えることがない点は、事実婚のメリットとして挙げられるところでしょう。
まあ、もちろん別れないに越したことはないのですが。

事実婚のメリット③|面倒な親族付き合いが無くてラク

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一般的に結婚をすると、当然ながら独身時代に比べて色々と人間関係に気を揉む機会が増えるもの。
男性の方であれば、奥さんの両親や親族と、それなりに密に接して上手くやらなくてはならなくなり、ストレスに感じることもあるでしょう。

しかし事実婚の場合は、別に正式な婚姻関係ではありませんので、双方の親族も距離を置くと言いますか、付き合いを遠慮してくれる傾向があります。
当然その背景には「事実婚なんて…」というネガティブな印象が根強いことも事実でしょうが、結果的に面倒な親族付き合いを減らせるというのは、これも人によってはメリットと言えるでしょう。

事実婚のデメリット①|配偶者控除が適用されない…

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一方で事実婚には、割と致命的とも取れるデメリットも少なくありません。
その代表的な例として、事実婚の場合、通常の婚姻関係を結んだ法律婚の男女に比べて税金面における待遇の悪さが挙げられます。
中でも世帯によっては重大な落とし穴になりかねないのが、配偶者控除が適用されないという点でしょう。

配偶者控除とは、普通の夫婦の場合ですと奥さんがパートで年間103万円以下の収入しかないという場合には、税金面での控除が適用されるという、割とよく知られたものですが、事実婚の場合は結局のところ内縁関係でしかないので、これを適用する法律が存在しません。
ですので、もし年収額の乏しい男性が、仮にパートだけで働く女性と事実婚を結び一緒に暮らすことになった場合、支出と税金が異常に増えて生活が破綻する、というケースにもなりかねないということです。

事実婚のデメリット②|資産相続できない&自分の子供の父親になれない…

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また、事実婚では互いに遺産を相続させようとしても、法的な婚姻関係ではないことが仇となり、相続不可になるという落とし穴もあります。
要は、法定相続人扱いにならない男女の共生が、イコール事実婚であるため、いざ相続となったときには、結局正規の手続きでの結婚をする羽目になるということですね。

ただし、お互いの間に子供がいる場合、きちんと申告手続きさえすればその子供を相続人として指定することができます。

また、これは子供好きの男性は特に覚えておきたい点ですが、事実婚では子供が生まれても、法的範囲内での正式な父親にはなれないというデメリットもあります。
事実婚の末に生まれた子供は、きちんと申告手続きをすることで法定相続人になる程度の待遇措置はありますが、一般的な結婚制度の末に生まれた子供とは、少々扱いが異なるのです。
ですので子供に自分の姓を名乗らせることも、そのままでは不可能ということになります。その場合は、また別の届出が必要となりますので、そこは要注意ですね。

とはいえ、元々事実婚を選択する時点で世間一般の結婚とは形態が異なることは織り込み済みでしょうから、相続、それから生まれた子供についてもあらかじめ知識を備えておくことができれば、そこまで大きなショックもないかもしれませんが。

事実婚のデメリット③|結局のところ一番苦労するのが、周囲からの理解が得にくい…

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それから、事実婚を選択した人にとって結構な障壁となるのが、周囲の無理解です。

「内縁の妻を持っている男性」というだけで、印象を良く思わない世代も中高年にはまだまだいますので、そのような人たちへの説明が面倒、かつ理解を得るのが極めて困難という点は、間違いなく事実婚のデメリットと言えるでしょう。

男女の共生に対するあり方のようなものは、まだまだ縛られるものが少なく、柔軟に物事を考えられる若い世代の人たちの方が理解しやすいのかもしれませんね。

という具合に、今回は事実婚についてのメリットと、デメリットについていくつかご紹介してみました。

まぁ、デメリットの比重が若干ヘビーな気もしますが、そもそも法律婚だって結構デメリットはありますし、その人の状況次第で捉え方はさまざま。単純に数で比較できるようなものではないでしょう。

また、不自由な部分も、決してまったく対処のしようがないというほどでもありませんし。
まずは事実婚を考えた場合、法律婚と似て異なるものということだけ、理解しておく程度でいいでしょう。

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この記事のライター
松本 ミゾレ
松本 ミゾレ
2013年よりフリーで活動開始。自宅に引きこもり原稿をこなす日々で慢性腰痛に。 趣味は怪獣フィギュア収集。 特技は猫あやしと怪獣フィギュア製作。 座右の銘は“休まず書け”で、野菜ソムリエの資格を持つ野菜嫌い。