これは洗濯?それともクリーニング?衣服の生地・素材別の特徴5つ

2016年12月1日より消費者庁主導のもと洗濯表示のルール改定が施行されました。詳しくはこちら
これは、今後日本国内で生産される衣服類の洗濯表示を国際規格(世界共通)に合わせるというもの。
おもに輸入・輸出の際に表記変更の手間が省けるというメリットはありますが、慣れるまでには少し時間がかかりそうですね。今回は衣服類に使われる生地・素材別の特徴と、洗濯すべきか、クリーニングに出すべきか、注意点も踏まえてご紹介したいと思います。

【綿素材】>>洗濯向き

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「綿素材」とは、綿花から採取される天然の植物由来の素材のこと。デニム、Tシャツ、アンダーウエアなどの衣服に使用され、一般家庭に最も浸透した身近な素材といえます。
素材の織り方も様々で色染めしやすいことが特徴的。また着用した際の肌触り、汗の吸収性も高く、ファッションだけではなくあらゆる生活シーンにみかける素材でもあります。

この綿素材、基本的には通常の洗濯機で洗うことは可能。なかでもカジュアルウェアは洗いざらした風合いが見た目の味わいを深めオシャレ効果も抜群。

反対に洗濯機で洗う際、ニット素材は要注意。
ニットは、例え綿素材を使用していたとしても伸縮性を保つため、あえて緩めに編んであり、洗濯機で洗うことで網目が歪んだり、糸切れを引き起こす原因になることも。
ニットの他にはアウター類にも注意が必要です。
例え裏地が綿素材で洗濯可能とはいえ、水に濡れてしまい生地が縮んだり、強度が落ちてしまう危険性があるのです。

【麻素材】>>クリーニング向き

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「麻素材」は、植物から採取される天然素材という点では綿素材と同じですが、綿素材は綿花の綿状を絡め取るのに対して、麻素材は植物の茎部分を使い、それを一旦バラしてから綿状に仕上げるという違いがあります。

また、麻素材は綿よりシャリ感が強く、生地を薄く縫っても丈夫なことからおもに夏服に使用される素材でもあります。綿素材と同様にパンツやシャツ、ジャケット、ニットなど様々な衣類に使われていますね。

そして、麻素材の衣服を洗濯する際は、基本的にクリーニングがおすすめです。
麻素材は、強度的な側面(見た目の崩れやすさ)では洗濯機でも何ら問題はありませんが、麻の繊維は一度折れてしまうと元に戻らないことが難点。その点クリーニングであれば、麻の繊維に与えるダメージを軽減させてくれます。

しかし、今どきの着こなしファッションでは、反対に洗いざらした生地感を好むシーンも多く、とくにカジュアル向きの麻素材は、あえて洗濯機を使い洗ってみるのもアリ。麻素材独特のシャリ感が少なく滑らかに仕上がりますが好みで使い分けてみましょう。

【ウール素材】>>クリーニング向き

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「ウール素材」とは、おもに羊の毛を糸にした織物のこと。
このウール素材の特徴は何といっても保湿性に優れていること。秋冬のアウターやニットなど防寒目的の衣服類にもお馴染みですね。もちろん秋冬に限らず、糸の降り方を変えれば春夏向けの涼しい生地も作れてしまう万能素材です。

そしてウール素材は、水に濡れると縮みやすく硬くなってしまうためクリーニングに出すことが必須。

昨今では、市販の家庭用洗剤の中にもウール素材の洗濯が可能なモノも売られていますが、そもそもウール素材は水に通すと縮んで硬くなってしまうので要注意。
ウール素材から作られた高級なモノ、お気に入りの衣服は、クリーニングで洗うようにしましょう。

【ナイロン素材】>>洗濯向き

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「ナイロン素材」は、世界初の合成繊維として知られています。このナイロン素材は、汚れが落としやすく、アウトドアシーンでよく使われる生地素材。また水に強く濡れても生地が縮む心配も不要です。洗濯機でガンガン洗ってください。

反対に、このナイロン素材で作られた衣服を、クリーニングに出した際、アイロン掛けは絶対NG。
ナイロンの合成繊維は、熱を与えられると形状が固定されやすく、折り目が取れない、生地がテカってしまう等のトラブルになりかねません。

このナイロンと同じ特徴を持つ合成繊維としては、ポリエルテルがあります。
ポリエステルは、ナイロンよりも強度はありますが、熱との相性の悪さは同じ。ちなみにこのポリエステル素材も洗濯機で洗う方がコスパ的にみても良いでしょう。

【レーヨン・キュプラ素材】>>クリーニング向き

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「レーヨン素材」とは、天然繊維と合成繊維、両方の特徴をもつ“再生繊維”と呼ばれる生地のこと。
手触りが良く、吸湿性も高く、発色も良いため、プリントシャツ等に多く使われています。

また、このレーヨンと似た性質の再生繊維としては「キュプラ素材」があります。キュプラは、レーヨンよりも光沢感に優れ、おもにコートやジャケット類の裏地に使用されています。
ポリエステルと比べて生地も滑らかで、滑りが良く着心地の良さがキュプラの特徴です。
高級モノのジャケットやコート類の裏地には、ほとんどがこのキュプラが使われており、反対に安価モノにはポリエルテルが使われている違いがあります。
裏地の素材をみるだけで、高級or安価が判別できるなんて面白いですよね。

そして、このレーヨン・キュプラ素材ともに、水に濡れると極端に強度が落ちてしまいウール素材以上に縮みやすくなってしまうため、洗濯の際はクリーニングに出しましょう。

衣服に使われる生地・素材に合わせた洗濯方法として家庭で洗濯すべきか、クリーニングに出すべきか、おさらいも含めてご紹介してみました。
基本的には衣服に付いている洗濯表示タグに従うことがベターではありますが、着こなしに特徴をもたせたい時などには、わざと洗濯機で水洗いしてみるのもアリですよ。

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この記事のライター
ヨシカズ
ヨシカズ
DCブランドのコレクター。 MENDYのアンバサダーとして「ファッション」をテーマに執筆活動しています。