家具を通して日本をインテリア先進国に ~株式会社リビングハウス 北村甲介社長にインタビュー!~

「人々のくらしに魔法をかける」をキャッチフレーズに店舗販売をしているインテリアセレクトショップ(株)リビングハウス。好景気とはいいがたい家具業界にありながら、全国12店舗を次々に展開。さらには、ルームシューズ専門店、店舗プロデュースなど事業拡大を行い注目を集めています。大学卒業後、ベンチャーへ、家業を継ぐまでに修行を重ねてきた同社トップ北村甲介社長にインタビューしました。

トラックを運転していた修行時代

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Q まずは、北村社長の社会人スタートのご経歴から教えていただけますでしょうか?

大学を卒業後、アパレル商社に入社しました。周囲の友人には大企業にいく人が圧倒的に多かったんですが、僕はベンチャー商社のようなところを選んで試験を受けていて、家業を継ぐことなど考えもしなかった。親もやってくれとは一言も言わなかったし、就職時には考えもしなかったことなんですが、入社1年で退職して、何をしようかと考えた時に家業が初めて頭の中をよぎりました。
10~20年後、自分がどうなりたいか考えた時に、家業の方をやっておけば良かったという後悔をもしかしたらするかもしれないと思った。軽い気持ちと言ったらおかしいですけど、やってもいいかなと思って、父に相談してみました。
ただ、家業といっても何もわからないので、勉強した方がいいんじゃないかということで、当時取り引きのあった外国の家具ブランドを取り扱う会社でお世話になりました。トラックを運転して、家具をお客様にお届けするという仕事を1年半したんですが、これがものすごくいい経験になりました。というのも、毎日5、6軒はお客様のお宅に家具をお届けしていたので、人の家の中が見える。日本の家庭のインテリア事情が身を持ってわかったんですね。
また、福岡の会社でも勉強させていただいたんですが、地方の会社で仕事を経験することで、地方の文化、人のメンタリティ、家のサイズの違いなど、数字上では分かりえないことを体感できたことは、当社が全国展開するようになった現在に役立っています。

3代目社長のプレッシャー

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Q その後、正式にリビングハウスに入社したんですね。

そうです。最初は1店舗立ち上げがあったので、そこの店長を任され、2011年、33歳の時にバトンタッチしました。いずれは父から会社を受け継ぐとは思っていましたけれども、予想していたよりも早かったですね。
でも、我々のビジネスには感性が必要ですし、時代的にもIT化がどんどん進んできていた。感性と技術という面でも若いうちに変わった方がいいと判断したんだろうと思います。

Q 実際、社長になられてから、周りの反応や評価はどうでしたか? 苦労されたことはありませんか?

あまり人の目を気にするタイプじゃないんです。3代目社長は、会社を潰すか、大きくできるかだと世間ではよく言われていますよね。後者にはなりたいという思いはもちろんありますが、プレッシャーを感じたことはありません。そういう点では苦労したことはありませんし、悩みも少ないんです。
悩みって自分の手では、どうにも解決できないことが悩みですよね。例えば、インテリアの業界で言えば、消費税の増税前に家具のような耐久材はよく売れて、増税後にはガンと落ち込むことが多いですよね。それを悩みだとすると、そんなことはくよくよと考えても仕方ないと思っています。それをクリアするための課題はいくらでも出てくるし、できることもあると思います。ですから、苦労と言われて、思い浮かぶことがあまりないんですよね。

Q では、社長になられてからは、順調だったんですね?

そうですね。就任した時には、もちろん何を守って、何を変えていくか難しいところがあるじゃないですか。どうしようかと思っていた時に、経営理念以外は何でも変えてくれていい、と父から言われたんですね。その瞬間に胸の中のもやもやしていたものはなくなった気がします。今までにない事業展開をできたのも、その言葉のおかげですね。

なりたい人の視点で物事を考える

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Q 経営者になられた今、サラリーマン時代を振り返ったときに仕事を楽しむために工夫されていたことはありますか?

コツ、という言葉に当てはまらないかもしれませんが、僕が社長だったらどうするだろう、といつも妄想していました。楽しむって、自分の意思と深く関係している。だったら、言われた通りに動いて、会社の歯車になってしまうんじゃなくて、自分でどう行動すればいいのか考えると、自分で決めたことだから、辛いことでも楽しめますよね。自分だったらどうするだろうと考えていくと、仕事って知らず知らず楽しくなっていくものだと思いますよ。

Q オフの過ごし方はどうされていましたか?

まずはオンタイムで頑張るのは、当たり前ですよね。オフタイムの時間の使い方が、人の人生を左右すると僕は思っていたので、経営の本を読んだり、中小企業診断士の資格を取ったり、いろんな勉強をしました。とにかく、学生時代に、全く勉強していなくて、社会に出てからまずいと思ったので、サラリーマン時代はとにかく、その分を取り返そうという焦りもあって勉強をしていました。
あとは読書にも多くの時間を費やしました。特に20代半ばには、神田昌典さんの本を貪り読んでいたのですが、その中で「レバレッジリーディング」という本に出会いました。一言で言うと、たくさん本を読みなさいという本なんですが、元々読書量が多かったのに加えて、さらに読書の量が増えましたね。今でもそれは変わりませんし、社員にも読書を進めています。社内報にオススメの本について紹介したりもしています。

Q 読書に加えて、いま健康や体調維持のためにされていることはありますか?

仕事で移動がものすごく多いんですね。半分東京で、半分大阪。国内も海外も出張が多くて、年々疲れが取れにくくなったり、腰が痛くなったりすることもあります。なので、隙間時間をみつけては、体のメンテナンスに努めています。ジムにも行きますし、整体、カイロプラクティックにも通っているので体のメンテナンスには時間もお金も結構投資していますね。

無駄に周りと比べるな!視点を変えれば、何事も学びにつながる

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Q 感性が大切な仕事だと仰っていましたが、情報収集はどうされているんでしょうか? やはりスマホですか?

一番重要視しているのは、バランスです。テレビもネットも新聞も、ファッション誌や女性誌も見ることがありますが、直接仕事には関係ないことでも、世の中でどんなものが流行っているのか、時代がどんな風に動いていっているのか、知らないよりは知っておいた方がいいと思っているんですね。
テレビもよく見ますが、二つの目的を意識して見ています。ひとつは情報収集、もう一つは息抜き。「情熱大陸」や「プロフェッショナル」といった番組も見ますし、肩の力を抜いて笑って見られる『アメトーク』なんかも結構好きです。要はバランスなんです。仕事でもバランス感覚は、特にこの業界では必要だと思います。

Q 先ほど、自分の意思次第で仕事は楽しくなるということと関係していると思うんですが、家業を継いで経営者になろうと思ってから、考え方などは変わりましたか?

会社を継ごうと思って会社に入ったわけなんですが、修行時代には毎日毎日配送の仕事です。最初は、それも目新しかったんですが、大学の同級生は大手企業やテレビ局、広告代理店などで華やかな生活を送っている。皆、稼ぎも良くて、楽しそうで羨ましくて、俺は何をしているんだろうと目的意識を失いかけている時期がありました。
でも、これではダメだと思って、目線を変えてみようと思ったんです。指示されて仕事をする側から自分が社長だったら、という目線へシフトした。すると、自分がなぜ今ここにいるかという意味が分かったんです。配送の仕事では、毎日、タダでお客様の家の中を見ることができる。これは店頭で販売しているだけでは得られない、何事にも代え難い経験なんです。
日本のインテリア事情が欧米に比べて遅れているといっていた父の言葉の意味が分かりました。と同時に、これから自分が何をすべきなのか、見えてきたんですね。遅れているということは、そこにビジネスチャンスは必ずある。それを身を持って体験できたことは、今の仕事の源泉になっていると思います。

3代目社長というと、恵まれた環境の中で生まれながらにして経営者の道を歩んでいると思われがちですが、そんなイメージを覆すほどの貪欲さ、自らをいつも客観視することのできる人物が北村社長なのだと感じました。また、トラック運転手時代の、無駄に周りと比べてしまい現実に嘆くのではなく、自分がやっていることを誰よりも上手く、先に繋げようと視点を変える考え方は是非参考にしていきたいですね。時代の流れの早い昨今ですが、いつの時代においても、継続していく力、そのための工夫が大切なのだと感じました。
北村社長は物腰穏やかで、控えめながら、感性豊かで勉強家。拡大路線を貫くその手腕に今後の発展が楽しみです。

~今回「MENDY(メンディ)」でFOCUSした"人"~
-株式会社リビングハウス
-代表取締役社長:北村甲介
-サービス:LIVING HOUSE(http://www.livinghouse.co.jp/)

仕事・ビジネス #経営者 #インタビュー #インテリア #家具 #リビングハウス

この記事のライター
MENDY journal
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