外国人にも人気!日本のサブカル代表「メイド喫茶」。その歴史と進化の過程は?

日本のサブカルの代表格ともいえる「メイドカフェ」は、今や外国人にも大人気。そして海外に旅行に行っても見つけることができるようになりましたよね。

日本が発信したジャパニーズカルチャーですと、胸を張って言えると思っているのですが、そういえばメイド喫茶っていつからできたのでしたっけ?ちょっとした雑学として、この辺でメイド喫茶の歴史を振り返ってみるのも良いかもと思いました。フラッシュバックでその進化の過程を振り返りましょう。

草創期

メイド喫茶の発端は、なんと1998年に遡ります。

1998年
8月に行われた「東京キャラクターショー1998」に出展したキャラクターコンテンツ業者のブロッコリーは、かわいいキャラクターや制服で人気を博したゲームソフト「「Piaキャロットへようこそ!! 2」。の舞台となるレストランを「Piaキャロットブース」内に出展。「Piaキャロット」の装飾を施した喫茶店を設置し、コスプレをしたコンパニオンが軽食と飲み物の販売を行いました。
 「Piaキャロット」をリアルの世界に作ってしまったこの企画は、驚きをもって迎えられたが、このイベントが後のメイド喫茶・コスプレ喫茶へとつながってゆくことになったのです。

1999年
7月、コンテンツ業者ブロッコリーが、秋葉原のゲーマーズ スクエア店6階のイベントスペースに期間限定で「Piaキャロレストラン」をオープン。秋葉原初のコスプレ喫茶となった同店は大きな話題を呼び、再び期間限定で、同年12月に営業を開始しました。

2000年
またまたブロッコリー、秋葉原のゲーマーズ本店7階に「ゲーマーズカフェ」を開店。ウェイトレスはコスプレをしていたようです。

ゲーマーズスクエア店においては、この年3月中旬より「Piaキャロレストラン」を再々度オープンし、4月末まで営業を行った模様です。
この後を受けて5月初めにオープンした「Cafe de COSPA」(カフェ・ド・コスパ)は、「Piaキャロレストラン」の路線をほぼ継承し、常設の店舗になりました。ここでは、Piaキャロだけに留まらず、多様なコスプレが見られるようになったとか。

確立期

2001年
秋葉原に世界初のメイドカフェ『Cure Maid Café』がオープン。
これは、前出の「Cafe de COSPA」(カフェ・ド・コスパ) がリニューアルされたもの。このリニューアルにより、ウェイトレスのコスチュームがメイド服に統一され、世界初のメイド喫茶がここに誕生したのでした。

この流れを受けて誕生したのが、台東区にできたメイド居酒屋『ひよこ家』。コスプレ喫茶・メイド喫茶としては初めて、季節もののコスプレ(ゆかたなど)をイベントとして行うなど、親しみやすいサービスを提供しました。


2002年
7月、大手PCショップのT・ZONEが、昌平橋通り沿いのビルにコスプレ喫茶「Mary's」(メアリーズ)をオープンしました。同店のウェイトレスは、昼はメイド服、夜はそれぞれ独自のコスプレをするのが特徴でした。
月に5000人が来店し、時には入店待ちの行列を作るほどの盛況を見せた同店のオープンは、秋葉原のマニアたちだけでなく、メイド喫茶の存在を一躍日本全国に知らしめることになりました。

9月、名古屋のメイドカフェ『M's Melody』が開店。「お帰りなさいませご主人様」のフレーズを一般的にしたのがここでした。

2003年
「Cafe Mai:lish」と名前を変えた前出の「Mary's」は、吉祥寺店をオープン。吉祥寺店は、秋葉原の倍となる70の客席数を備え、パーティー・ルームを運営するほか、新たな試みとして、女性向のコスプレ・スタジオを設置し、コスプレ衣装の貸し出しやプリクラによる写真撮影サービスを行うなど、女性を積極的に呼び込む方針を掲げ、女性にもメイド喫茶ファンを作り出しました。

全盛期

2004年
「萌え」や「おたく」文化がメディア上で頻繁に取り上げられるように。一般にも広く知られるようになると、メイド喫茶も大ブレイクし、全国に増殖することとなりました。 中には風俗店と変わらないようなサービスをする店が現れたりしまして、摘発される店も出て社会問題ともなりました。

2005年
11月、秋葉原に妹カフェ、「Pash Cafe NAGOMI」 がオープン。 勝つと景品が貰えるゲームなどが行われました。


発展期

2006年
3月、秋葉原の妹系カフェ 「Pash Cafe NAGOMI」 がツンデレイベントを開催。 常設ではないが、定期的にイベントは開催。 ツンデレ喫茶の始祖となります。

また、同じく3月、池袋に初の女性客向け執事カフェ「Swallowtail」が開店。
これこそ女性向けメイドカフェの進化形と話題になりました。

6月、世界初の萌え系メイドファーストフード 「Akiba Maid Deli 萌バーガー」 が秋葉原でプレオープン。 秋葉原Laoxザ・コンピューター館の裏通りにはメイド系店舗が続々と開店。

6月、渋谷に、スタッフ全員が外国人で外国人執事が女性客をプリンセスとしてもてなすというコンセプトの「外国人執事喫茶 BUTLERS CAFE」が開店。日本初の外国人執事喫茶が登場した。

7月、世界初の移動式メイド喫茶 「そよカフェ」 が秋葉原にオープン
8月、世界初の常設ネコミミ喫茶 「Cafe with Cat」 が秋葉原、虎の穴本店2Fでオープン

2007年
11月、ライブとオタ芸を売りとした「Dear Stage」が秋葉原にオープン。同店には「ディアガール」と呼ばれるライブアイドルが所属し、一日数回のステージとお給仕をしています。

2010年
3月、茨城県のひたちなか海浜鉄道と鹿島臨海鉄道で列車を使ったメイド喫茶「メイドトレイン」を運行した。1960年代の食堂車をイメージしたウエイトレス風のメイドが、鹿島臨海鉄道ではリゾート列車マリンライナーを用い秋葉原のメイド喫茶をイメージした萌え系のメイドがそれぞれ給仕を行いました。

そして、忘れてはならないのは、日本におけるメイド喫茶の広がりと共に、台湾・中国・韓国・タイ・フィリピン・カンボジア・チェコスロバキア・メキシコ・カナダ・アメリカなどなど...諸外国でも、同じ様な業態の店が続々と開店していることです。
日本国内でも依然進化を続けているメイドカフェ。まだまだこれから、新しいことをやってくれるカフェが現れるのではないでしょうか。目が離せませんね。

Cover画像: matome.naver.jp

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この記事のライター
大久保桃
大久保桃
フリーライター。 美しいもの、食べること、健康、猫を筆頭に、色々なことに興味あり。 人生のモットーは、「チャレンジ、笑顔、美しく」