「隠れ鬱」とは? 症状の特徴から見極め方のポイント、その対策方法までを詳しく解説!
ストレス社会において、いつ誰が発症してもおかしくない精神の病「鬱(うつ)」。
鬱の中には、日頃の言動からはっきり鬱と分かる人もいれば、よくよく観察しなければ見抜けない“隠れ鬱”の人もいます。もしかしたら、あなたの身近な人の中にも隠れ鬱がいるかもしれません。
そこで今回は、隠れ鬱の特徴をはじめ、筆者の知人が招いた隠れ鬱の詳しい症状や原因、さらには見極め方のポイントとその対策方法までを詳しく解説したいと思います。
鬱の中には、日頃の言動からはっきり鬱と分かる人もいれば、よくよく観察しなければ見抜けない“隠れ鬱”の人もいます。もしかしたら、あなたの身近な人の中にも隠れ鬱がいるかもしれません。
そこで今回は、隠れ鬱の特徴をはじめ、筆者の知人が招いた隠れ鬱の詳しい症状や原因、さらには見極め方のポイントとその対策方法までを詳しく解説したいと思います。
「隠れ鬱」とは?
鬱(うつ)は、日頃から重い責任や強いプレッシャーを感じ、ストレスが蓄積している人がかかりやすい病気です。そんなうつ病の中には「隠れ鬱」と呼ばれる、いっけん普段と何ら変わりなく、言動もいたって普通の人が発症しているケースもあります。
隠れ鬱の特徴は、本来のうつ病に比べて周囲もそして本人も自覚症状がないことが挙げられます。
「隠れ鬱」は具体的にどんな症状?
隠れ鬱の症状は、うつ病とほとんど同じで、何事にも意欲がわかない「ココロの病気」と、食欲の低下や睡眠障害、倦怠感などの「カラダの病気」に分けられます。しかし隠れ鬱の場合、普段と比べても言動に変わりがなく、はたから全く見抜けないため、周囲からは単にやる気がないと思われてしまうこともしばしば…。
また、隠れ鬱は疲れが蓄積された状態と似ていることから、いっけんただの疲労と勘違いしやすく、つい見過ごしてしまう人も多い病気。
このように自分の中に原因を求め、自身を責めてしまうことで症状が悪化するケースもあるため、できるだけ早く発見する必要があります。
知人が「隠れ鬱」に…。その原因とは?
筆者の知り合いに、日頃から高血圧のために摂取していた薬を少し強めの薬に変えたところ、うつ病の発症につながった人がいます。その人は、血圧を下げるため、これまで摂取していた薬から少し強めの薬に切り替えたそうです。その処方された薬を毎日服用し続けていたところ徐々にうつの症状に発展…。
はじめは周囲の人たちはおろか、本人にも自覚症状がなくいつも通りの日常を過ごしていました。
しかしある日のこと、周りが話しかけても気づくことができず、さらに仕事の打ち合わせで人の話を聞いているときも上の空…。不安やストレスで夜も眠れず一日1~2時間の睡眠が続いたところ、昼夜にかかわらず常に目がギラギラした状態になっていったんだそうです。
薬を変えただけで鬱に繋がるとは、まるでウソのようなホントの話。
疑いの目を向けるのではなく、その人の何気ない変化に周りが気づいてあげることが大切といえるでしょう。
ただし、高血圧の薬の副作用に「うつ」はありません。高血圧になるようなストレス状態であったため、うつを合併したものと思われます。実は、高血圧とうつはよく合併するといわれています。薬に対して恐怖心を抱くのではなく、まずは高血圧を治療することを第一に考えて、医師の指示に従うことが大切です。
また、うつの治療も並行して受けることで、血圧のコントロールが良好になることも期待できます。
「隠れ鬱」の見極め方とは? ポイント5つ
うつ病の症状がひどくなると、何も手につかなくなります。自暴自棄になり、生きることさえ辛く感じてしまうこともあるでしょう。本格的なうつ病を引き起こす前に、早期に見極めることが大切です。ここからは、「隠れ鬱」の見極め方としてポイント5つをご紹介します。
(1)寝ているのに疲れが取れない
しっかり寝ているはずなのに疲れが取れないのは、睡眠の質が低下している原因の可能性が高いでしょう。うつになると、夜中に何度も目覚めたり、眠りが浅くなったりするため、以前に比べて明らかに睡眠の質が低下している場合は、隠れ鬱を疑った方がいいかもしれません。(2)毎晩アルコールを飲まないと寝付けない
うつになると、寝るときに優位になるはずの副交感神経がうまく働かず、眠気が起こらなくなる場合があります。その結果、お酒に頼らなければ眠れなくなり、最悪の場合アルコール依存症へとつながることもあるのです。寝酒の一杯が習慣になっている人は、隠れ鬱に注意しましょう。
(3)趣味を楽しめなくなった
うつになると、これまで楽しかったことが全然楽しめなくなる場合があります。趣味を楽しめなくなったり、周りのことに興味がなくなったりした場合は、隠れ鬱の可能性があるでしょう。(4)朝から疲労感がある
朝から疲労感があるのは、睡眠不足や睡眠の質が低下していることのほかに、会社に行くことが億劫になっていることが原因の可能性があります。隠れ鬱になると、自分でも自覚がないまま心に負担がかかり、朝から疲労感を覚えるようになるのです。
(5)以前に比べてミスが増えた
うつになると思考力が低下するため、ミスが増えたりもの忘れが激しくなったりします。また、人によっては受け答えにまで支障をきたす場合もあるでしょう。さらに、仕事でミスを繰り返すことで自分を責め、さらに症状が悪化する可能性もあります。ちょっとしたミスが増えている場合は、隠れ鬱の可能性を疑ってみるといいかもしれません。
「隠れ鬱」にならないための対策方法6つ
隠れ鬱を引き起こさないためにも、日頃から次のような過ごし方を意識しましょう。・趣味をみつける
自分が夢中で取り組める趣味を持つことで、心の拠り所になったり、ちょうどいい息抜きになったりします。趣味を持つことで生きがいを感じられて、うつになりにくくなる可能性があります。・好きなことに没頭する時間を作る
一日の中に自分の好きなことに没頭する時間があれば、気持ちの切り替えや嫌なことから解放されるようになります。オンとオフのメリハリをつけることで、仕事のモチベーションが高まり結果的に成績が上がるなど、さらに気分がよくなる可能性もあります。・森や海など自然を眺める
森や海などの自然を眺めることで、リフレッシュできるようになるでしょう。本物の景色ではなく、ネットで画像を検索して海や森などを見るのも効果があります。
・悩み事を整理する
悩み事を解決しないまま放置にすると、問題が山積みになり気分が沈みやすくなります。悩み事は常に整理して、解決できることとできないことを分けるようにしましょう。そして、解決できることは早めに解決することを目指してください。
・適度な運動を習慣づける
適度な運動は、生活習慣病の予防に役立ちます。また、普段とは違った景色を見ることで気分がよくなるでしょう。音楽を聴きながら近所を散歩をするだけでもストレスの解消につながります。・睡眠の質を高める
睡眠の質が低下している場合は、寝る前の行動や寝る場所の環境を見直しましょう。寝る前にスマホやパソコン操作をしたり、熱すぎるお風呂の湯につかったりすると、睡眠の質が著しく悪化する可能性があります。また、部屋の暑さや寒さ、湿気なども睡眠の質に影響しますので、その日の気候にあわせて柔軟に調整しましょう。
隠れ鬱に気をつけよう
今回は、誰にでもかかる可能性のある「隠れ鬱」について、症状の特徴から見極め方のポイント、さらには対策方法までを詳しく解説しました。睡眠の質を見直したり、適度な運動を習慣づけたりするだけでも、隠れ鬱のリスクを引き下げる効果が期待できます。うつ病は、一度発症すると改善に時間がかかるため、予防の意識を強く持ちましょう。