心理士が語る! 男女でまったく違う「嫉妬」と「浮気」について理解しよう

男性が浮気と自覚しないことでも、女性は浮気と判断し怒り出すことがあります。
これは人間が心の中に抱く“感情”の一種「嫉妬」が強く影響を及ぼし、男女それぞれで「嫉妬」に対する捉え方・感じ方が異なるからと考えられています。
はたして女性はどのような瞬間に「嫉妬」を感じるのでしょうか?
今回は、男女でまったく違う「嫉妬」と「浮気」の考え方について、具体的なデータ・事例も交えながらご説明したいと思います。これを知らないと、思わぬところで彼女の怒りを買うことになりかねません。

「嫉妬」とは何か?

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まずは、この「嫉妬」とは何かについて見ていきましょう。

ライオンにしても、Tレックスにしても、基本的に動物が配偶者を得るには恋のライバルと争う必要があります。また、せっかく努力や苦労を重ね獲得した配偶者でも、恋のライバル達はその相手から配偶者を奪う機会を虎視眈々と狙っています。

当然このような恋のライバル達にパートナーを奪われないように、配偶者を守る必要があります。このような行為を「配偶者防衛」といいます。

そしてこの「嫉妬」は、まさに「配偶者防衛」から派生した怒りの感情の一種。本来「嫉妬」は、配偶者を誘惑する恋のライバル達に向けられるべきところですが、なぜか矛先を見誤り、配偶者自身を傷つけてしまうこともあるのです。
その感情こそが世間一般でよく言われる「嫉妬」と呼ばれるもの。

男女で「嫉妬」はどのように違うのか?

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では、この「嫉妬」は男女でどのように違うのでしょうか?

心理学者のデビッド・バスは、アメリカ・韓国・日本の男女で“身体的浮気”と“精神的浮気”、どちらに嫉妬を感じやすいのかを調べたところ、配偶者が身体的浮気をした場合、女性より男性が強く反応し、配偶者が精神的浮気をした場合、男性より女性が強く反応するという調査結果が出たとのこと。

つまり、男性は肉体関係を持つことが浮気だと考える傾向があるのに対して、女性は好きという気持ち含め精神的浮気に敏感であり、肉体関係にいたらなくても浮気だと考える傾向があるようです。

なぜ男女で「嫉妬」の対象が違うのか?

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基本的に動物は、①自分の生命維持、②自己の成長、③子孫繁栄の順番で自分のエネルギーを使う傾向があります。その中で「嫉妬」とは、③子孫繁栄にあたる感情。

哺乳類は、メスが子供を産み、メスが子供を育てることが基本で、特に、人間は子供が成人するまで、長期間を必要とします。女性は子供か大人になるまで育児には手がかかり、自分と子供のために十分に食料を調達することができません。そのため、女性は子供の父親(女性の配偶者)に食料の援助をしてもらう必要があります。そして万が一、女性の配偶者が他の女性と精神的浮気をした場合、食料などの資源が浮気相手に流れ、自分と自分の子供に与える食料の取り分が少なくなってしまいます。
自分の配偶者が肉体関係に至らずとも、女性が男性の精神的浮気に敏感に反応するようになった理由には、このような背景が隠れているのです。
子を守る母親の立場としては、もし自分の旦那が、他の女性を好きになって、その女性に貢ぐことになれば、生死に関わる大問題へと発展するわけですから当然といえば当然の話です。

反対に、男性が肉体的浮気を嫌う理由としては、配偶女性が肉体的浮気をした場合、自分以外の男性の子供を配偶女性が身ごもり、自分以外の男性の子供のために自分の狩猟した食料などを食べさせることになってしまい、自分自身の「子孫繁栄」に支障をきたすためという背景があります。
もし自分の奥さんが自分以外の子供を妊娠したら、たまりませんよね。このような背景から、男性は配偶者の精神的浮気は許容できても肉体的浮気に対しては敏感に反応してしまうのです。

女性に「肉体関係はなかった」という主張は通用しない

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法律的には「不倫」を規定する条項はありませんが、不貞行為とも呼び、これまでの判例では配偶者以外の人と肉体関係を持った場合は、違法とみなされ、相手側から多額の慰謝料を請求されるケースもあります。

言ってしまえば、既婚男性がソープランドへ遊びに行っても不倫の扱いになる可能性もあるということ。
ですから、パートナーに浮気がバレた、もしくは疑われた時に、多くの男性が「エッチをしていないから浮気ではない!」「挿入していないから浮気ではない!」などと主張しますが、女性は精神的浮気を嫌う傾向が強いため、そもそもこの主張自体、彼女や奥さんには通用しないということなのです。

男女の「浮気」に対するボーダーラインの違い

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もう少し具体的に説明しましょう。あるアンケートが行われました。次の4項目は、どこから浮気かという浮気のボーダーラインについての質問です。

(1)好きだという気持ちになったとき
(2)二人きりで会うようになったとき
(3)キスをしたとき
(4)肉体関係になったとき

(1)から(4)に至るほど男女が交わる関係性がより深くなっています。貴男は次のどの行動をとった時に浮気だと考えますか? 「肉体関係になったとき」と考えてはいませんか?

男性の場合は、自分がどのような状態になった時に浮気と考えるかについて、(4)「肉体関係になったとき」と答える人が多く、(3)「キスをしたとき」(2)「二人きりで会うようになったとき」(1)「好きだという気持ちになったとき」の順番で少なくなっていくようです。

これに対して女性の場合は、男性の浮気について(1)「好きだという気持ちになったとき」と回答する人が最も多く、要は、あきらかに自分以外の女性に好意を抱き、男性から好きという気持ちを感じた瞬間に浮気と判断する人が多数派なのです。

まさに、このギャップこそがボタンの掛け違いの原因。男性が「パートナー以外の女性と食事をするぐらいいいだろう」と考えていても、女性はそれを浮気と判断してしまうのです。
男女で違う「嫉妬」、そして「浮気」についての考え方違い、お分かりいただけたでしょうか?
妻帯者のいる既婚男性は特に、普段のご自分の行動と考え方を見直してみる必要があるでしょう。

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この記事のライター
村田 芳実
村田 芳実
心理士の村田です。 認定心理士として、おもにビジネス・モチベーション・メンタル・恋愛・摂食障害など、誰でも使える心理学の記事を執筆しています。 人間の心は不思議でいっぱい。男性の皆さんが恋愛や仕事に活用できる心理をご紹介していきたいと思います。