基礎代謝量を増やす4大メリットとは? いいこと尽くめの基礎代謝を上げる方法をプロが解説!

「痩せるためには、基礎代謝を上げることが大事!」
そんな話を聞いたことはありませんか?
“基礎代謝”という言葉は、これまでなんとなく聞いたことがあっても、基礎代謝について正しい知識を持っている人はどれくらいいるでしょうか。

そこで今回は、意外と知らない人も多い「基礎代謝」について、年代別の平均から基礎代謝量を増やすメリット、そして具体的に基礎代謝を上げる方法までをプロトレーナーの筆者が詳しく解説していきます。
ダイエットや筋トレなどのボディメイクをする上でも重要な「基礎代謝」について、ぜひ理解を深めてください。

まず知っておきたい、エネルギー代謝の種類3つ

まず知っておきたい、エネルギー代謝の種類そもそも、人間のカラダがエネルギー消費のために使うエネルギー代謝の種類には、「基礎代謝」「食事誘発性熱産生」「身体活動代謝」の3つがあります。
まずは、それぞれを詳しく解説していきます。

(1)基礎代謝

基礎代謝(もしくは、基礎代謝量)とは、カラダを動かさずその場にじっとしていても自然と消費されるエネルギーのことを指しています。

(2)食事誘発性熱産生

食事誘発性熱産生とは、食後にカラダを動かさず安静にした状態で消費されるエネルギーのことを指しています。

(3)身体活動代謝

身体活動代謝とは、スポーツをはじめとした運動と、家事などの非運動を含めた日常生活全般で消費されるエネルギーのことを指します。

「基礎代謝」の特徴は?

「基礎代謝」の特徴は?
人間が持つエネルギー代謝の一つ「基礎代謝」は、おもに生命活動を維持するための呼吸や臓器の活動維持、体温の維持などのエネルギー消費に使われており、カラダ全体で消費されるエネルギーの約6~7割はこの基礎代謝で消費されているのが特徴です。

ちなみに、基礎代謝と勘違いしやすいものに「安静時代謝」というのもあるのですが、これは基礎代謝量と食事誘発性体熱生産の一部が合わさっているもので、正確には基礎代謝と言いません。
安静時代謝とは、快適な室温環境で安静にしている状態で消費されるエネルギーのことを指します。

平均の基礎代謝量はどのぐらい? 年代別に解説

平均の基礎代謝量はどのぐらい? 年代別に解説
では、人間の基礎代謝量はいったいどのくらいなのでしょうか。厚生労働省が発表している各年代別の基礎代謝量の平均を見つつ解説していきます。

・18~29才:男性=1,520kcal/女性=1,110kcal
・30~49才:男性=1,530kcal/女性=1,150kcal
・50~69才:男性=1,400kcal/女性=1,110kcal
・70才以上:男性=1,290kcal/女性=1,020kcal

※厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書より

それぞれ人の体型や筋肉量によって多少の差はあるものの、日々これくらいのエネルギー量が基礎代謝だけで消費されているのです。
また、データを見てお分かりの通り、男女ともに年齢を重ねていくことで基礎代謝量は徐々に低下していく傾向が強いといえるでしょう。

基礎代謝量を増やす4大メリットとは?

基礎代謝量を増やす4大メリットとは?
ここからは、基礎代謝量を増やすことの具体的なメリットについて紹介していきます。

(1)1日あたりの消費エネルギーを高められる

まず基礎代謝量を増やすことのメリットとしては、消費エネルギーを高められる点が挙げられるでしょう。

基礎代謝は、その日の運動量に関係なく自然と消費されるエネルギーのこと。そのため、たとえば基礎代謝量が多い人と少ない人が同じ行動で1日を過ごした場合、エネルギー消費量は基礎代謝量が多い人の方が高くなります。

1日単位で見ればその差はほんの僅かですが、これが毎日、何年も積み重なり続くことでその差はとても大きく広がるでしょう。

(2)太りにくくなる

基礎代謝量を増やすことで、太りにくく痩せやすい体質に変えられるというメリットも期待できるでしょう。

基礎代謝量が低い人は基本的にエネルギー消費量が少ないため、摂取したエネルギーをどんどん体内に貯めこんでしまい、太ってしまいます。
つまり基礎代謝量が高ければ、日頃から消費されるエネルギー量が多くなるため体脂肪の蓄積を防ぐことができるというわけです。

また、基礎代謝はあくまでカラダを動かさずに自然と消費されるエネルギーであるため、例えば、日常生活中に運動を取り入れることで消費されるエネルギー量はさらに増え、より痩せられるようになるでしょう。

(3)美容効果も期待できる

基礎代謝を増やすメリットには、美容効果も期待できます。

基礎代謝量が増えれば、エネルギー消費が活発になりその影響で必然的に基礎体温も上がります。そして、基礎体温が上昇することで体内の血行が促進されるため、肌の色やツヤが良くなるなどの美容面にも好影響をもたらすというわけです。

ニキビや乾燥肌など肌荒れに悩んでいる方は、毎日のスキンケア以外に基礎代謝を高める取り組みに目を向けてみるといいかもしれませんね。

(4)体調が良くなる

基礎体温の上昇にともない体内の血行が促進されることで、肩こりや腰痛・むくみなどの症状が緩和され、体調が良くなる点も基礎代謝を増やすメリットの一つといえるでしょう。

また、消費エネルギー量が高まり、体脂肪の蓄積や肥満の抑制につながることで、内臓疾患や心疾患・脳血管疾患などを引き起こすリスクが高い「糖尿病」や「生活習慣病」を予防する効果も期待できます。

基礎代謝を上げる方法2つ

基礎代謝を増やすと、いいことが沢山あります。
では、実際に基礎代謝を高めるにはどうすればいいのでしょうか?
ここからは、基礎代謝を上げる方法について2つポイントをアドバイスしたいと思います。

(1)筋肉量を増やす

筋肉量を増やす
まず基礎代謝量を増やす上で、やはり筋トレの運動は欠かせません。なぜなら筋肉は基礎代謝の中で最も比率の多い組織だからです。

その割合は肝臓の21%、脳の20%を上回る、全体の約22%を占めるほど、臓器や脳以上に筋肉はカラダ全体に占める消費エネルギー量が多い組織なのです。

また、基礎代謝を増やす上で内臓や脳のサイズを大きくすることはできませんが、筋肉量であれば割と容易に増やすことが可能という点もオススメの理由。
人間の基礎代謝量は、筋肉量同様に年齢とともに落ちていきますが、筋トレでカラダを鍛え、筋肉量を増やすことができれば基礎代謝量の維持・向上はいつからでも可能というわけです。

基礎代謝を上げるためには、筋トレが最もスタンダードな方法かつ効率的なやり方といえるでしょう。

(2)タンパク質の摂取

タンパク質の摂取
基礎代謝を上げるには、筋トレなど運動による筋肉量の増加が効果的。その上で筋肉量を増やすためには、トレーニングでカラダを鍛えることと同じくらい食事への配慮も重要です。

まず筋肉をつけるための食事メニューとして、筋肉の元となるタンパク質の摂取が必要不可欠。
筋肉量を増やすことを目的とするのであれば、タンパク質の摂取量は【除脂肪体重×2~3g】を目安にすると良いでしょう。

また、タンパク質の栄養分は、食事誘発性熱産生が高いことも特徴的で、例えば脂質約4%、糖質約6%に比べ、タンパク質は約30%と、食事で消費されるエネルギー量が多い点も基礎代謝を高めたい人にとっては嬉しいポイント。
筋肉をつけながら、消費エネルギーも増やしてくれるのがタンパク質の魅力でもあるのです。

基礎代謝を高めて、カッコイイ肉体作りを!

今回は、基礎代謝のメリットや上げる方法についてあれこれ紹介してみましたが、少しは理解できましたでしょうか?
ダイエットやボディメイクのために有酸素運動で消費エネルギーを増やすのもいいですが、どうせなら筋トレを取り入れ基礎代謝量を増やした方が、カラダを効率よく変化させることができます。
筋トレをはじめとしたマメな運動で基礎代謝を高め、カッコイイ肉体作りを目指しましょう!

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この記事のライター
和田 拓巳
和田 拓巳
プロスポーツトレーナー歴16年。 プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガに関する知識も豊富でリハビリ指導も行っている。 医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関す...