スーツ以外にも“中衣”として大活躍!「ジレ(ベスト)」で作る、大人メンズの着こなしコーデ

主にスーツなど、シャツとジャケットの間に着る袖のないアイテムのことを指す「ジレ」。一方、ジレとは別に「ベスト」という呼び方をしたりもしますよね。
基本的には3ピーススーツをはじめとしたスーツ着で身につけることの多い「ジレ」ですが、本来の“中衣”としての役割以外にも、アウターのアクセントとして使うこともできる万能選手です。
いつものスタイルに「ジレ」を取り入れれば、大人の装いにプラスしてオシャレ度も確実にワンランクアップ! 今回は、この「ジレ」を使った着こなしコーデの作り方についてご紹介したいと思います。

Tシャツ×デニムパンツにジレを1枚プラス

まずは暑い夏のシーズン定番ともいえる、Tシャツとデニムパンツを組み合わせたカジュアルスタイルにジレを1枚プラス。
“Tシャツ×デニムパンツ”というラフな着こなしに「ジレ」を1枚プラスすれば、あっという間に大人のカジュアルスタイルに大変身。

シンプルコーデに、あともう少しプラスしたいと感じる時には、ストールを巻いたりキャップを被るような感覚でナチュラルにジレを羽織るのがおすすめです。

ショートパンツにジレを1枚羽織れば、大人リゾートスタイルの完成

こちらも初夏から秋口まで大活躍のショートパンツ。
カジュアルの印象が強いショートパンツですが、上着に1枚「ジレ」をプラスすると“大人のリゾートスタイル風コーデ“に早変わりします。

ナチュラルコーデにジレを羽織る際は、特に麻やコットンなど軽い素材を選ぶのがおすすめ。
また、上下同系色のアイテムを選ぶとコーデ全体がまとまりやすく仕上がります。ショートパンツと合わせるには少し勇気がないという方は、まず同じ色味のもの同士を組み合わせるとコーデのバランスも作りやすくなるはずです。

いつものカジュアルコーデも、ジレ1枚で着こなしをアップグレード

カジュアルシャツにコットンパンツ、足元はスニーカーという主に春や秋など中間季節にぴったりな着こなし。
ちょっと肌寒い日には、いつもであればカーディガンやブルゾンを羽織るところですが、ここにあえて「ジレ」をチョイス。

例えばプリントシャツに合わせるのであれば、シャツの中に使用されている色と同じ色味のジレを選ぶと、コーデ全体が引き締まり自然とまりまりやすくなります。

涼しい季節は、ダウンベスト代わりに厚めのジレを1枚プラス

春や秋など涼しい季節に最適なスウェット×デニムパンツの組み合わせには、カジュアルな生地やデザインの「ジレ」を選ぶのがおすすめ。
また少し厚みのあるスウェットには、薄い生地のジレよりもボリュームのある生地を選ぶとバランスよくキマります。

そしてジレは、ボタンを留めずにカジュアルに着こなすことがポイント。例えばこれまでダウンベストを合わせていたコーデを、ジレに変えてみるという着こなしにも使えます。

タートルニットにオンしてコーデのバランスを調整

シャツではなく、タートルネックにジレを合わせてもより個性的なコーデが作れます。
首元を隠すことでどこかクラシックな印象も漂わせつつ、大人の装いを演出することが可能。そこにシックな色合いのタートルネックを選べば、一層上品な大人コーデの完成です。

まさにタートルネック1枚だと少し物足りなく感じる、中間季節のコーデにぴったりな着こなし方。
ビジネスシーンでは、上着にジャケットなんかを羽織っても素敵にキマリます。

また、タートルネック×ジレの組み合わせはトップスシルエットがタイトになるため、ヘアスタイルもワックスやジェルを使ってスッキリめにまとめたほうが全体もバランス良く整います。

ジョガーパンツも、ツイードジレを1枚羽織ればドレスアップの完成

カジュアルなボトムス「ジョガーパンツ」と上品な印象の「ツイードジレ」という相反するアイテム同士の組み合わせは、一見ミスマッチにみえて実は好相性。そろそろツイード素材を取り入れたいと感じる秋や、まだ少し肌寒さの残る春にぴったりの着こなしです。

また足元はスニーカーではなくレザーシューズをチョイスするなど、全体的に落ち着いたトーンの色合いに統一し、あまりカジュアル寄りになりすぎないようにコーデするのがポイント。
例えばジョガーパンツを穿いて、全体的にカジュアルすぎる場合などは、このジレを使って着こなし全体を引き締めるのもアリですね。

正統派のセットアップコーデには、あえてジレの柄で遊ぶのもアリ

オールシーズンに渡って着れるスーツのセットアップコーデに合わせるなら、「ジレ」本来の“中衣”としての役割をいかした着こなし方がおすすめ。
もちろん3ピーススーツの中衣として羽織る正統派のコーデも素敵ですが、あえてジレだけ違う柄物や色に変えてみるなど、遊び心をプラスしてみるのも面白いですね。

そしてスーツ着にジレを取り入れる際は、基本的にジレの一番下のボタンは外して身につけること。着こなしのマナーを守った上でアイテムを使うことも、大人のオシャレ作りにおいて大切なポイントです。

いつものジャケパンスタイルも、ジレを1枚羽織ればグッとオシャレ度がアップ

季節を選ばずに着れるジャケパンスタイル。
今や多くビジネスマンに支持される人気の着こなしですが、このジャケパンスタイルに中衣の「ジレ」を1枚プラスするだけで、グッとオシャレ度が高まります。

またジャケパンコーデにジレを組み合わせる際は、シンプルなデザインよりも柄物やダブルなど個性的なデザインのジレを選ぶのがおすすめ。
例えばボトムスにラフなデニムを穿いた場合でも、少しオシャレな柄物のジレとタイを組み合わせれば着こなし全体が上品に仕上がり、”きちんと感”を演出することができます。

レザージャケットとの重ね着にも、ジレは大活躍

ハードな印象かつ冬の定番アイテム“レザージャケット”に「ジレ」をインすると、カッコいい大人の着こなしコーデが作れます。

その際、ジャケパン風に上下別々のデザインを選ぶよりも、セットアップ風に上下で同じデザインのもの、もしくは同じ色味のアイテムを選んだほうが全体的にスッキリまとまりやすいのでおすすめ。
そしてインナーにはシックなシャツを合わせて大人っぽく仕上げたほうが良いでしょう。

レザージャケット×ジレの組み合わせは、タイドアップすると上品に、ノータイだとカジュアルでワイルドな印象に仕上がります。

冬のコートに直接インすれば、ジャケット代わりにジレが使える

冬などは特に「ジレ」をジャケット感覚で着こなし、あえてその上から直接コートを羽織るという着こなしスタイルがおすすめ。

ジャケットを省くことで全体がかさばらないため、コートを選ぶ時の幅も広がります。例えばPコートのようなショート丈、ステンカラーのようなミディアム丈、チェスターのようなロング丈など、コートの種類によっても印象は大きく変わります。

またこの着こなしにした場合、当然コートを脱いだらジレとインナーのみですので、くれぐれも見られても恥ずかしくないような組み合わせ、そしてジレのサイズ感やデザインも抜かりなく整えておきましょう。

今回は、主にスーツの“中衣”としての印象も強い「ジレ」を取り入れた大人メンズにおすすめの着こなしコーデをいくつか紹介してみました。
着こなしとは、変な固定概念にとらわれず、さまざまな洋服同士を組み合わせてオシャレを楽しむのが本来のあり方。
決められた着こなしだけではなく、手持ちの既製服を上手に使って、自分に似合う着こなしを作ってみましょう。
自分なりのコーディネートを工夫することで、着こなしの幅もグッと広がるはずです。

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この記事のライター
田中 優
田中 優
長らくファッション雑誌(メンズ・レディース)の編集として勤務。現在はフリーのエディター。 初心者の方にもわかやすく、メンズファッションのHOW TOを中心に執筆していきます。