【愛液の話】男性が知っておくべき、セックスにおける女性器の変化とホルモンの関係

基本的に女性の性器は、性的に興奮したときや性感帯が刺激されることによって濡れてくるもの。それは、神経伝達物質である「オキシトシン」というホルモンが引き金になって影響を及ぼします。
今回は、充実したセックス・ライフを過ごすためにも男性が知っておくべき、セックスにおける女性器の変化とホルモンの関係についてご紹介したいと思います。これで、性行為中の愛撫や前戯の重要性が少しは理解できるはずです。

「神経伝達物質」とは?

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まず人体が受け取る「刺激」とは、神経から神経に電気データとして運ばれるもの。

上の図では、黄色い細胞にオレンジ色の別細胞の腕のようなものが見えますが、その間は離れており、その隙間は神経伝達物質によりデータが伝えられる仕組みになっています。

この神経伝達物質とは、脳細胞と脳細胞の間でデータを運ぶために分泌される物質のこと。別名『脳内ホルモン』や『脳内物質』とも呼ばれます。
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上の図をご覧ください。神経の模式図です。図の「○」が神経伝達物質です。「Y」が神経伝達物質を受け止める「受容体」です。左上の細胞から神経伝達物質が放出され、右下の細胞の受容体が受け止めるのです。

愛液(膣分泌液)の主成分は、血液

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性行為のときに女性器を湿潤させる粘液のことを愛液(膣分泌液)と言います。愛液(膣分泌液)には、ペニスと膣の摩擦を軽減する潤滑油の役割があります。

この膣分泌液が少ない(濡れていない)状況では、性行為中に違和感や痛みを伴いやすく、それが原因で性行為をすることに恐怖心をいだく可能性もあります。

膣分泌液の主な原料は血液で、血液から赤血球や白血球などの血球を除いた血漿と呼ばれる液体部分です。女性は血液をも絞り出して、セックスに備えるのです。

セックスに誘う「オキシトシン」の心理効果

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上の図は脳の模式図です。
神経伝達物質である「オキシトシン」のホルモンは、この脳内“視床下部”という部分の神経分泌細胞で合成され、“脳下垂体”から分泌されます。唇に触れるキスや皮膚接触などの性的刺激により、視床下部にフィードバックされ、オキシトシンの生成量は飛躍的に向上します。

また、このオキシトシンは『愛情ホルモン』とも呼ばれ、体内に放出されると、不安を軽減し、反対に幸福が増幅され、相手を抱きしめたくなります。つまりオキシトシンが体内に放出されることで、セックスにいだく不安を軽くし、幸福を増すことで、よりスムーズに性行為へと導くことができ、くわえて性的刺激を求める心理も働きやすくなるというわけです。

女性器を濡らす原因は、オキシトシン

またこのオキシトシンは、膣分泌液の分泌を促進し、男性器であるペニスを受け入れやすくする作用も働きます。

まず女性に性的刺激を与えることで、血中にオキシトシンが放出され、子宮の筋肉を収縮。そしてオキシトシンが子宮を収縮させ、血液から血漿(けっしょう)が絞り出され、膣分泌液として分泌されます。
このオキシトシンこそが、女性の性器を濡らす原因だったのです。

ちなみに女性をレイプした場合も、たしかに自分自身を守ることから膣分泌液は分泌されますが、いくら性器が濡れていたからといって、けして合意をしていたというわけではありません。

なぜ乳房などに対する愛撫が愛液を分泌させるのか?

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前述のとおり、キスやタッチングなどの前戯で女性に性的刺激を与えると、オキシトシンが女性の性器を充血させ、膣分泌液の分泌を促進させる作用が働きます。

また、女性の乳房を刺激する行為も同様に脳の下垂体に伝わり、脳下垂体はオキシトシンを放出し、乳腺を緊張させる作用が働きます。

さらに皮膚においても、ゆっくりした皮膚接触も刺激も脳の下垂体に伝わり、乳房に対する刺激と同じプロセスを辿り、そして、オキシトシンが女性の性器を収縮させ、血漿を絞り出すことで、性器を十分に濡らして、あなたを受け入れる準備が整います。

つまり、乳房や皮膚接触などに愛撫を重ねることで、徐々に女性の性欲はピークに達し、あなたを強く求め、セックスに対する誘いも拒否することができなくなるというわけです。

性欲を促進する「テストステロン」

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人間の性欲を高めるホルモンには「テストステロン」というものもあります。
基本的にテストステロンは男性ホルモンですが、女性の性欲も高めます。普段は微量のテストステロンしか持たない女性ですが、女性でもテストステロンが多くなることがあります。

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30代後半、また40代を迎えた中年女性の場合は、加齢に伴う影響から自然と女性ホルモンが減少し、男性ホルモンであるテストステロンが体内で勝ることから、徐々に肉食系の女性へと変化していくのです。

またキスなどの愛撫も同様に、唾液を通じて相手の女性にテストステロンが供給されることから、男性ホルモンを増やし、性欲を促進させる行為の一つと言えるでしょう。

性の快感が忘れられなくなる「ドーパミン」

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基本的に女性の性欲が高まると、快楽ホルモンと呼ばれる神経伝達物質のドーパミンが大量に放出されます。このドーパミンが放出されることによって、女性は快感を覚え、満足することになるのです。

つまり、女性の脳はドーパミンによる快感を得たいために、男性と性行為の機会を求め、テストステロンと同様に、女性の性を満たす行動を活発に促すのです。

そしてセックスをした後は、オキシトシンが大量に分泌され、その満足感から安心して眠りにつくことができます。これこそが、女性の性的欲求を満たすための仕組みです。

男性の場合は、AVなどの外部刺激により、男性の性器が勃起することで準備万端になりますが、女性の場合は、ホルモンの媒体が必要になりますので、準備するまでに時間がかかります。ですから、十分な前戯が必要になるというわけです。
オキシトシンは、女性器の生理的側面とともに、愛を深めるという心理的側面、性欲を促進するという面で、強い影響力を持っていることがわかります。
単なるテクニックを磨くだけではなく、愛情を持ってオキシトシンを刺激し、愛の深まるセックスを心がけましょう。

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この記事のライター
村田 芳実
村田 芳実
心理士の村田です。 認定心理士として、おもにビジネス・モチベーション・メンタル・恋愛・摂食障害など、誰でも使える心理学の記事を執筆しています。 人間の心は不思議でいっぱい。男性の皆さんが恋愛や仕事に活用できる心理をご紹介していきたいと思います。