これって「DV」かも…?男女のカップル間で起こる「デートDV」とは

DVという言葉が既に認知されて久しいですが、デートDVという言葉はご存知ですか?
これまでは「ちょっと強引なだけ」と、なんとなく許されていたことも、実は「DV」と認識されてしまうかもしれません。

「DV」と「デートDV」の違い

これまでDV(ドメスティックバイオレンス)というと、配偶者間で起こる暴力のことを指していましたが、デートDVは、結婚する前、カップルの間で起こるDVのことを指しています。
DVには「身体的、精神的、性的」3つの暴力があります。
内閣府男女共同参画局の資料に基づき、どんなケースが「デートDV(恋人間暴力)」に当てはまるのかご紹介していきたいと思います。

【精神的DV|Case.1】無視をする

まるでそこには誰も存在していないような空気感を出し、何を言っても何をしても無視するのはDVの一種。「こんな些細なことで?」と思うかもしれませんが、喧嘩をして少しインターバルを置こうとするような短期間のことではありません。
相手がヒステリックになって話にならない場合、元からモラハラ発言が多く、高圧的な態度で無視をする行為。無視が長期間続くので精神的なダメージも大きいんです。

【精神的DV|Case.2】人前でバカにする、命令口調で脅す

人前でバカにしたり、命令口調で脅したりするのも精神的DVになります。
例えば、自分が悪いことでも「お前のせいだ」と責める、「お前みたいなバカ女」と罵る、「別れると言ったら殺す」と脅す、「少しは痩せろよデブ」など人前で笑いものにするような発言もDVに当たります。
デートDVの場合、友人間の笑いとしかとらえておらず、本人は「いじってるだけ」と思っているかもしれませんが、言われている方にとっては罵倒でしかありません。

【精神的DV|Case.3】物を投げるフリをして脅かす

実際に投げていないとしても、投げるフリをして脅せばそれは立派なDVです。
もちろん殴るフリ、蹴るフリも同様です。
壁を殴ったり、物を殴ったりして、「いつ自分に危害が及ぶか分からない」という恐怖心を相手に与えた時点でアウトです。
日頃から殴る、蹴るが日常化している中で「殴るフリをしただけで実際に殴ってない」と言っても、言い訳にはならないのです。

【身体的DV|Case.1】実際に物を投げる、凶器を身体につきつける

物を投げるフリをするのは精神的DVですが、実際に物を投げたら身体的DVとなります。
喧嘩や言い争いの中で掴み合いになり、ヒートアップしたまま手元にあった刃物や凶器となるものを身体に付きつけるのもアウト。
つねったり、熱湯を浴びせかけたり、首を絞めるのはもちろん、直接死に至らなくても、生命の危機を感じるような一方的な暴力はすべて身体的DVに当てはまるんですよ。

【身体的DV|Case.2】髪を引っ張る、腕をねじる、引きずりまわす

自分の思い通りにならない場合、殺すまでは至らなくても、懲らしめてやりたいという思いから暴力をふるうことがあります。
髪を引っ張ったり、腕をねじったり、引きずりまわすなど、喧嘩の衝動を抑えられずに乱暴を働いてしまいます。「俺の言うことが聞けないのか?」といった態度でテーブルの下などの見えないところでつねったり蹴ったりするなど、相手に恐怖を与えることで行動を制限していることがあるんです。

【身体的DV|Case.3】身体を傷つける可能性のある物で殴る

鈍器になりそうな灰皿やビール瓶、カッターや包丁など身体を傷つける恐れのある物で殴るのもデートDVの一つ。決して投げた物が当たらなければ言い、という問題ではありません。
その時は明確な殺意を持っていなくても、自分が凶器を投げることで相手が死ぬ危険性を認識しているなら、それは「未必の故意」として殺人罪が適用される可能性もあります。

【性的DV|Case.1】ポルノビデオやポルノ雑誌を見せる

相手が嫌がっているのに、無理矢理AV(アダルトビデオ)やポルノ雑誌を見せる行為もDVに当たります。
例えば、AVと同じような暴力的性行為を強要したり、嫌がっているのに「これと同じことやれよ」と命令するのもいけません。当人が嫌がる性行為は全て性暴力といっても過言ではありません。
女性が性的なものに嫌悪感を持っている場合、酷い場合は「性嫌悪障害」になってしまうことも。たとえ加害者と別れても、性嫌悪から新しいパートナーとセックスすることができなくなってしまうこともあるんです。

【性的DV|Case.2】性行為の強要、避妊に協力しない、中絶の強要

望まない性行為や、避妊に協力しないのもDVの一つ。
「生の方が気持ちが良いじゃん」などといって避妊に協力せず、女性だけに「ピル飲んでおいてよ」などと避妊を強いたりするのもよくないですね。性行為に応じないからと不機嫌になれば、女性も嫌われたくないという気持ちが働くので、本当は嫌なのに我慢してしまうことがあるんです。
また、避妊に協力せずに妊娠し、中絶を強要するのもDV行為となります。

女性から男性へのDVは嫉妬からくるもの?

デートDVは男性から女性だけでなく、女性から男性へと行なわれるケースもあります。

●他の女性と喋ると怒る
●スマホを勝手にチェックされ、GPSで行動を監視されている
●いつも奢らせる
●自分の予定を優先させないと無視する、不機嫌になる
●「能なし」「甲斐性なし」と罵る
●「別れると言うなら死んでやる」と脅す

これらは上記の項目に加え、女性の行動で目立つ行動なので、もし当てはまっている人がいたら注意した方がいいですね。

独占欲が強く嫉妬深い人や、男尊女卑の考え方の強かったり、弱い者いじめをするなど、DVを起こす人にはいくつかの特徴があります。一人で悩む必要はありません。「もしかして…」と思ったら周りに助けを求めたり、市町村の相談窓口に相談をしてみましょう。
詳しい情報は「内閣府男女共同参画局」よりご確認ください。

内閣府男女共同参画局

恋愛・デート #デートDV #カップル #暴力

この記事のライター
華見 月
華見 月
気になることはすぐに調べたくなる性分。海外ドラマや映画が好きだけどジャンルが偏りがち。その日にあった嫌なことは大体寝れば忘れていくスタイル。