カラダが硬い人のデメリット6つ! カラダが硬くなる原因&柔らかくするための改善方法とは?

年齢を重ねるごとに失われていくカラダの柔軟性。
お風呂上がりや寝る前のストレッチ、また久しぶりの運動でリフレッシュしたときなど、昔に比べて自分のカラダが硬くなっていると気づきショックを受けたことはありませんか?
この柔軟性の欠落は、本人の自覚症状がないまま進んでいくため、気づいたときにはだいぶカラダが硬くなっていた…というケースも少なくありません。

今回は、そんなカラダが硬い人に生じるデメリットをはじめ、カラダが硬くなる仕組みや原因の解説、またカラダを柔らかくするための改善方法もあわせてご紹介したいと思います。
 

カラダが硬いってどういう状態?仕組みを解説!

カラダが硬いってどういう状態?そもそも『カラダが硬い』とは、どういう状態を指すのでしょうか。まずは柔軟性が失われる仕組みから解説していきます。
一般的に『カラダが硬い』といわれる状態は、関節の動く範囲である“関節可動域”が狭いことを意味しています。
この関節可動域は、“関節の問題”、“骨の問題”、“関節周りにある靭帯や腱の問題”など、いくつかの要因によって変化するものですが、その原因の多くは主に「筋肉」が関係しています。

もともと人間は、関節を動かせる限界の可動域が決まっているもの。
例えば腕を前後に動かした際、前から頭上にあげる肩関節の屈曲角度は180度まで、後ろに腕を上げる肩関節の伸展角度は50度まで、という形で動かせるベースの可動域は決まっています。
しかし、関節周りにある筋肉の柔軟性が低下することで、基本のベースよりも狭い可動域でしか動かなくなり、それによってカラダが硬くなったという認識につながるのです。

どうしてカラダが硬くなる? 筋肉の柔軟性が低下する原因2つ

筋肉の柔軟性が低下する原因では、なぜ筋肉の柔軟性が低下してしまうのでしょうか?
ここからは、カラダが硬くなる直接的な原因でもある筋肉の柔軟性が失われる要因をチェックしていきましょう。

(1)運動不足

運動不足でカラダを動かす時間が減れば、必然的に筋肉を動かす機会も少なくなり、おのずと柔軟性の低下を招きます。
つまり、普段から意識的に筋肉を使わなければ自然と委縮し衰えていくということ。これを「廃用性委縮(はいようせいいしゅく)」といいます。

経験のある人もいるかもしれませんが、骨折などによるギプス固定で長期間筋肉を動かさないと筋肉が細くカチカチの状態になり、関節を元の可動域に戻すまでに結構なリハビリ期間を要します。

運動不足程度ではそこまで心配する必要はありませんが、普段からあまり筋肉を使わない過ごし方をすることで、徐々に筋肉が衰え、カラダ全体も硬くなってしまうのです。

(2)加齢

やはり年齢の増加とともにカラダの機能は衰えてしまうもの。カラダの柔軟性が低下する原因もその一つです。

例えば、学生時代は体育の授業や部活動などで自然とカラダを動かす機会がもうけられていましたが、社会人など年齢を重ねると定期的にカラダを動かす機会が少なくなってしまい、その運動不足が積み重なった結果、柔軟性の低下に直結していると考えられます。

反対に、年齢を重ねても普段からウォーキングやランニング、筋トレやストレッチなど、意識的にカラダを動かす機会をもうけていれば、カラダが硬くなる心配も少なく筋肉の柔軟性は維持できるでしょう。

カラダが硬いとどうなる? 柔軟性を失うことのデメリット6つ

柔軟性を失うことのデメリット実際にカラダが硬いとどうなるのでしょうか?
ここからは、日常生活を過ごすうえで柔軟性を失うことのデメリットについてご紹介したいと思います。

(1)ケガをしやすくなる

関節の可動域が狭くなると、急な体勢の崩れによって関節可動域よりも広がってしまった際に筋肉や関節周りの組織を傷めるリスクが高くなります。

スポーツ中はもちろん、足を滑らせたとき、つまずいて手を着いたとき、しゃがんだ姿勢から立ち上がる際など、体勢を崩すタイミングは日常生活の中にも沢山あり、いざという時にケガをするかどうかは柔軟性の有無がカギを握っています。

(2)姿勢が悪くなりやすい

カラダ全体の筋肉が硬くならなくても、一部の筋肉の柔軟性が低下することによって、猫背などの悪い姿勢を招きやすくなります。

筋肉には、前後・左側右側・上半身下半身など、各部位の筋肉によってそれぞれ特徴・バランスが異なります。一つの部位にある筋肉の柔軟性が衰えることによって、その他の筋肉の部位にも悪影響を及ぼし、カラダ全体の姿勢を崩す原因にも直結してしまうのです。

(3)疲れやすくなる

カラダの硬さは、筋肉の緊張の強さともいえるでしょう。そしてこの筋肉の緊張が強まることによって、カラダ全体の血行も悪くなり、体調の不調を感じやすくなります。少し動いただけでも息切れしたり、疲れてしまったりする人は、もしかしたら体力の衰えに加えて、カラダの硬さも関係しているのかもしれません。

また可動域が狭くなることによって、カラダの動作時に余計な力を入れる必要があるなど、無意識的に疲れやすい行動を取ってしまっている可能性も考えられます。

(4)肩こりや腰痛を引き起こしやすい

筋肉の柔軟性が低下することによって姿勢のバランスが崩れ、今度は特定の部分にだけ強い負担がかかりやすくなります。特にビジネスパーソンをはじめ多くの人が悩まされている肩こりや腰痛など、慢性的なカラダの痛みは、そもそもカラダの硬さが原因で引き起こすことも多いのです。

肩こりの場合は、主に肩の上にある僧帽筋(そうぼうきん)、腰痛の場合であれば、主に脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)や腸腰筋(ちょうようきん)、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)などの筋肉が硬くなっている関係で痛みを引き起こしている可能性が考えられます。

(5)冷え性やむくみに繋がりやすい

カラダが硬く筋肉の動きが悪くなると、当然ですが血流も鈍くなり、冷え性やむくみの原因に繋がることもあります。

特に足周りの血液は、筋肉が収縮することによるポンプ作用を元に重力へと逆らい血液を心臓に戻す役割を担っています。
カラダが硬くなることで、このポンプの役割である血液を心臓部へと流す動きが弱まり、その結果むくみや冷え性を引き起こしやすくなるのです。

(6)運動中のパフォーマンスが低下する

カラダが硬くなることで、運動やスポーツのパフォーマンスが低下してしまう恐れもあります。
関節可動域が狭いことで、カラダに対する力の伝達がロスしたり、プレー中に動ける幅が限定されてしまったりするなど、もともと頭の中で思い描いていたプレーイメージとは程遠い動きになってしまうのです。

実際に年齢を重ねても現役で活躍し続けるアスリートたちは、皆このカラダが柔らかいという共通点があります。
練習前や筋トレ前に、全身のストレッチに1時間以上かける選手もいるぐらい、アスリートは筋肉の柔軟性をとても重要視しているのです。

硬いカラダを柔らかくするための改善方法

硬いカラダを柔らかくするための改善方法では、筋肉の柔軟性を高めるためには具体的に何をすればいいのでしょうか?
ここからは、硬いカラダを柔らかくするための改善方法についてご紹介します。

(1)ストレッチを取り入れる

硬いカラダを柔らかくするうえで、一番効率的な方法は「ストレッチ」。ストレッチを毎日コツコツ継続することで、徐々に筋肉の柔軟性が改善していきます。
そしてこのストレッチをより効果的に実践するためには、以下3つのポイントを押さえておきましょう。

①:カラダが温まった状態で行う

ストレッチの効果を最大限高めたければ、カラダが温まっている状態で行うようにしましょう。お風呂上がりや運動直後など、筋肉の温度が上昇しているタイミングは同じ動作でもカラダが伸びやすく、柔軟性の改善につながります。

②:痛みではなく伸びを感じるストレッチを

硬いカラダを柔らかくすることが目的なのであれば、痛みを感じるストレッチではなく、伸びを感じるスタティックストレッチが最適でしょう。
スタティックストレッチとは、カラダを伸ばした状態でとめ、そのまま動かさず20秒程度体勢をキープするやり方。
痛みを感じるストレッチは、反射的に縮こまってしまい十分な効果が得られなかったり、痛みがトラウマになって長続きしなかったりしますので、伸びを感じるスタティックストレッチをおすすめします。

③:日常生活にストレッチを取り入れる

日常生活にストレッチの動きを取り入れると、より効率的にカラダの柔軟性を改善させられるでしょう。
テレビを観ながら、イスに座って作業をしながら、お風呂に入りながら…と日常さまざまなシーンにストレッチの動きを取り入れることが可能です。
またストレッチはストレス解消にも役立ちますので、スキマ時間を有効的に活用しましょう。

(2)長時間の同じ姿勢を避けこまめに動く

長時間同じ体勢を維持したままで過ごすと、筋肉は緊張し硬くなりやすくなります。
勉強中や仕事中などイスに座った姿勢や立ちっぱなし、長時間に及ぶ車の運転、しゃがんだままでの庭仕事など、気づかないうちに同じ姿勢が続いてしまうことは日常生活で割と頻繁に起こります。
そんな時は、意識的に姿勢を変えることが大事。
こまめに休憩を取り入れ、その時にカラダを大きく動かし筋肉の緊張を緩めるだけでも、カラダの硬直を防ぎ柔軟性の改善に役立ちます。

柔らかいカラダ作りを

カラダが硬くなることのデメリットは沢山ある反面、メリットはほとんどありません。もしカラダが硬いという自覚のある人は、すぐにでも改善の対策を検討しましょう。
また、カラダを柔らかくすることは、筋肉をつけることと同様に短期間で効果が出るものではありません。ストレッチをはじめ毎日コツコツと継続的に実践することによって、徐々に柔らかいカラダへと仕上がっていくのです。
毎日のストレッチを根気強く継続し、柔軟性の高いカラダ作りを目指しましょう!

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この記事のライター
和田 拓巳
和田 拓巳
プロスポーツトレーナー歴16年。 プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院での治療サポートの経験もあり、ケガに関する知識も豊富でリハビリ指導も行っている。 医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関す...