中年男性が気をつけたいメタボ。
「俺はそこまで太ってないし大丈夫!」と思っていても、自分が気づいていないだけで“隠れメタボ”というケースも…
今回は、メタボかどうかを確かめる簡単なセルフチェック項目と、メタボの主な原因や今日からできる対応方法を紹介していきます。
メタボとはどんな状態のこと?
メタボとは、正式名称「メタボリック症候群(メタボリックシンドローム)」を指し、生活習慣病のリスクが高まった状態をまとめた呼び方です。
診断では、下記の【1】に加えて【2】~【4】のうち2項目以上が当てはまる場合にメタボと判断されます。
【1】ウエストが規定以上
男性:85cm以上/女性:90cm以上
【2】脂質異常症
中性脂肪150mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL以下
【3】高血圧
家庭での計測で、上(収縮期)が130mmHg以上、下(拡張期)が85mmHg以上
【4】糖尿病
空腹時血糖値110mg/dL以上
複数の数値が基準を超えると体に負担がかかりやすくなるため、早めの対策を意識したいところです。
メタボになるとどうなる?
内臓脂肪が増えたまま放置すると、体のどこにどんな危険が起きるのでしょうか?
ここでは、メタボが招く具体的なリスクを紹介していきます。
命に関わる病気になりやすい
メタボとは、単なる「お腹まわりの脂肪」ではなく、内臓脂肪が増えたことで 高血圧・脂質異常症・糖尿病のリスクが一気に高まる状態を指します。
これら3つは“死のトライアングル”と呼ばれ、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気を引き起こしやすくなるのです。
がんの発症確率を高める
近年の研究では、内臓脂肪の蓄積が、大腸がん・肝臓がん・膵がんなどの発症リスクを高める可能性が示されています。
内臓脂肪が炎症物質を分泌し、全身に慢性的な炎症が起こることが原因の一つと考えられているのです。
メタボの原因3つ
恐ろしいメタボ。ここからは、メタボを引き起こす主な原因を紹介していきます。
暴飲暴食でカロリー過多になる
最も典型的な原因は、暴飲暴食によるカロリーオーバーです。ランチで大盛りを頼み、夜はお酒と揚げ物で締める…そんな日が続くと、内臓脂肪はどんどん蓄積されます。
また「時間がないから」と偏った食事が続くことでも太りやすくなります。特に外食中心の男性は無意識に摂取カロリーが増えていますので要注意です。
運動不足で代謝が落ちる
身体を動かす機会が減ると、消費カロリーが低下し、同じ食事量でも脂肪がつきやすくなります。特にデスクワーク中心の男性は、1日のほとんどを座って過ごすため基礎代謝が大きく落ちてしまうことも。
通勤を車から徒歩に変える、階段を使うなど、日常の小さな運動量でもメタボ予防には十分役立つでしょう。
ストレスで食欲や生活習慣が乱れる
強いストレスを受けると、ついドカ食いしてしまったり、疲れて運動をサボったりと生活リズムが崩れやすくなります。
仕事の締め切り前に甘いものを無性に食べたくなる…といった行動もその一例です。
ストレスによってホルモンバランスが乱れることで、脂肪をため込みやすくなる点にも気をつけたいところでしょう。
睡眠不足で太りやすい体になる
睡眠が不足すると、食欲を増やすホルモン「グレリン」が増加し、逆に食欲を抑える「レプチン」が減少します。その結果、深夜の間食が増えたり、朝のだるさで活動量が減ったりして、メタボの悪循環にハマりがちです。寝不足が続く男性ほど体重が増えやすいのは、このホルモンの影響といえるでしょう。
メタボになりやすい男性の特徴とは?
生活習慣や性格の癖がメタボ体質をつくることがあります。
ここでは、メタボになりやすい男性の特徴を詳しく紹介していきます。
デスクワーク中心で座り時間が長い
デスクワークが多い人は、1日10時間以上ほとんど動かずに過ごすことも珍しくありません。外回りや立ち仕事に比べて消費カロリーが極端に低いため、内臓脂肪が蓄積されやすいのです。
気付けば「仕事だけで一日終わってしまう」という男性ほどメタボリスクは高まるので、意識的に動く時間をつくりたいところでしょう。
ご飯が進む濃い味を好む
濃い味の料理は箸が止まらず、つい食べ過ぎてしまう傾向があります。特に唐揚げ、豚丼、焼肉系は脂質・糖質が多く、中性脂肪を増やしやすいメニューの代表格です。
また「残すのがもったいない」と無理に食べ切るクセがある男性も太りやすく、メタボにつながりやすいと言えるでしょう。
飲酒が日課になっている
毎晩の晩酌が習慣化していると、お酒に含まれる糖質に加え、おつまみからも高カロリーを摂取してしまいます。気付けば“酒太り”の典型パターンに陥ることも。
とはいえ断酒しようと無理をすると、かえってストレスで暴飲暴食に走る恐れもあります。飲む頻度や量を調整しながら向き合いたいところでしょう。
ストレスを受けやすい環境にいる
責任感の強さや完璧主義の気質がある男性は、ストレスを抱え込みやすい傾向があります。
仕事で追われ、家でも気が休まらない環境が続くと、心身のバランスが崩れ、食欲の暴走や運動不足を招きやすくなります。その結果、メタボの悪循環に入りやすくなる点に注意したいところです。
睡眠不足が慢性化している
睡眠が不足すると、食欲を増進させるホルモンが増え、反対に「満腹」を感じにくくなります。深夜の間食が増えたり、翌日の活動量が減ったりして太りやすい生活リズムが続いてしまうのです。
夜更かしが習慣化している男性ほど、メタボに直結しやすい特徴と言えるでしょう。
メタボを防ぐには?
すでに太っている人や太り気味な男性も、その気になれば改善の余地はいくらでもあります。
ここからは、今日からできるメタボにならないための予防&対策方法を紹介していきます。
規則正しい生活をする
まずは生活リズムの乱れを正すことがメタボ予防の基本です。
夜更かしが続くと食欲を高めるホルモンが増え、深夜の間食に手を伸ばしがちになります。朝は決まった時間に起き、3食を適切な時間にとることで代謝も安定します。
休日だけ生活が乱れる男性も多いので、できる範囲で日々のリズムをそろえていきましょう。
身体を動かす機会を増やす
運動不足はメタボに直結するため、意識的に身体を動かす時間を確保しましょう。ジョギングやウォーキングが理想ですが、忙しい男性は「一駅歩く」「階段を使う」だけでも十分な対策になります。
短時間でも習慣化すれば基礎代謝が上がりやすく、体脂肪が燃えやすい身体づくりにつながるでしょう。
ストレスをため込まない
過剰なストレスは暴飲暴食を招く大きな要因です。
職場や家庭で強いストレスを抱えているなら、まず原因を把握し距離を置く工夫をしましょう。
好きな映画を観る、散歩するなど気持ちを切り替える時間をつくれば、心身のバランスが整い、食欲の暴走も抑えられるかもしれません。
食事の順番を工夫する
メタボ予防には、食べる順番も大きく影響します。最初に野菜で血糖値の上昇をゆるやかにし、次にタンパク質、最後に炭水化物をとる流れを意識しましょう。
焼肉でいきなり白飯をかきこむ…という食べ方は、脂肪が蓄積しやすくなる典型パターンですので注意が必要です。
飲酒量を見直す
お酒は糖質が多く、さらに“締めのラーメン”など高カロリー行動を誘発しがちです。毎晩の晩酌が習慣化している人は、量を半分にする、休肝日を作るなどの調整をしていきましょう。
ただし、完全にやめようとするとストレスになるため、無理のない範囲で向き合うことが大切です。
外見だけでは分からない“隠れメタボ”の落とし穴
痩せ型に見える男性でも、内臓脂肪が多ければ隠れメタボに該当する可能性があります。特に、デスクワーク中心で筋肉量が少ない人、外食が多い人は要注意でしょう。
「自分は細いから大丈夫」と思い込むほど発見が遅れやすく、気づいたときには血糖値や血圧が高くなっていた…というケースも珍しくありません。
気になる方は一度専門医の検査を受け、生活習慣を整えるところから始めてみましょう。




