鼻の穴からチョロっとはみ出すこともある鼻毛。
「人に指摘されて恥ずかしかった」または「自分で気づいて慌てて抜いた」という人もいるでしょう。
今回は、そんな鼻毛の役割から鼻毛が伸びやすい人の特徴、そして鼻毛の本数や太さの違い、さらに鼻毛の処理方法までそれぞれ詳しく解説していきます。
なぜ鼻毛は生える?鼻毛の役割2つ
一見ムダ毛とも思える鼻毛、実は日常生活を快適に過ごす上でとても重要な役割を果たしているのです。
まずは鼻毛の役割について、きちんと理解しておきましょう。
(1)異物を吸い込まないフィルター機能の役割
人は、呼吸をするときに空気と一緒にほこりや細菌、ウイルス、カビ、花粉、化学物質などを吸い込みます。
これらは身体にとって異物であるため、鼻毛がフィルター機能を果たして体内への侵入を防いでくれているのです。
(2)鼻の中の乾燥を防ぐ役割
鼻毛には、鼻の中の温度と湿度を適切に保ち、空気が通ることによる粘膜の乾燥を防ぐ役割もあります。
肌の乾燥と同じく、鼻の粘膜が乾燥すると様々な刺激を感じやすくなり、場合によっては健康を害する恐れもあるでしょう。
鼻毛がないとどうなる?
鼻毛がないと、細菌やウイルス、カビ、花粉などの異物が体内に侵入しやすくなり、さまざまな感染症のリスクが高まります。そして鼻毛がない状態で花粉が侵入してきた場合は、花粉症になりやすくなるでしょう。
もともと身体には免疫機能があるため、鼻毛がないと必ず感染症にかかるとは限りませんが、体内への異物の侵入はできるだけ防いでおくことが大切です。
また、鼻の粘膜が乾燥して傷つきやすくなり、かゆみや痛みの刺激を感じやすくなる等のデメリットも覚えておくべきでしょう。
鼻毛の「本数」や「太さ」が違う理由は?
鼻毛が多い人と少ない人の違いは、ずばり男性ホルモンの量です。
男性ホルモンには、鼻毛を含むさまざまな体毛を伸ばす働きがあります。また、男性ホルモンの量は個人差があるため、鼻毛の太さや本数は人によって異なるのです。
たとえば女性の場合は、もともと男性ホルモンの量が少ないため、鼻毛が飛び出すなどのケアレスミスはなかなか見かけませんよね。
鼻毛が生えにくい体質の人は、それだけ鼻毛が出にくくなるため手入れに手間がかかりません。
しかし、鼻毛が出にくいからといって鼻毛のチェックを怠ると、いつのまにか鼻毛が1本チョロっと出ていて恥ずかしい思いをすることもありますので、鼻毛の量が多い少ないに関係なく、鼻毛チェックは欠かさずやりましょう。
鼻毛が伸びやすい人の特徴は?
鼻毛は、1日0.15mm、1ヵ月4~5mm程度のスピードで伸びます。ただし、体質や環境によって異なるため、これ以上のスピードで伸びる人もいます。
また、基本的に鼻毛が伸びるスピードも男性ホルモンの量が大きく関係しているため、腕や胸・すね・わきなどの体毛が濃く伸びやすい男性は、鼻毛が伸びるスピードも早いと考えられます。
さらに、部屋の掃除をほとんどせず、ホコリが大量に舞っている部屋で過ごしているような人も鼻毛が伸びやすい傾向にあるでしょう。
鼻毛のメカニズムは完全には解明されていませんが、日常生活において体内へ侵入する異物が多い環境で暮らす人ほど、本能的に鼻毛が伸びて身体を守ろうとする働きが強くなるといわれています。
鼻毛が太い、伸びるスピードが早い原因は?
鼻毛が太くなる原因と、鼻毛の伸びるスピードが早くなる原因は、どちらも男性ホルモンの量が多いことが関係しています。
くわえて、部屋の中が汚い、空気が汚れているといった理由でも鼻毛が太くなるといわれています。
また、全ての鼻毛が同じ太さになるのではなく、1本ごとに太さや長さが異なる点も特徴といえるでしょう。
これは、鼻毛1本ごとに「毛周期(もうしゅうき)」と呼ばれる生え変わりのサイクルがあるためです。
鼻毛が成長する“成長期”、成長が止まる“退行期”、自然に抜け落ちる“休止期”をへて、再び成長期へと戻るサイクルを繰り返すために、鼻毛1本あたりの太さがバラバラなのです。
鼻毛を抜くのはダメ!その理由とは?
鼻毛の応急処置として、手や毛抜きで強引に抜くことはおすすめできません。その理由は、鼻の粘膜を傷つけてしまう上に、鼻毛の機能が失われてしまうからです。
また、一度ひっこ抜くとその根元部分からは新しい鼻毛がなかなか生えてこなくなるため、刺激や異物の侵入に無防備な状態になってしまうリスクも考慮すべきでしょう。
さらに、抜いたところの皮膚が破れ、新たな鼻毛が生える前に皮膚が閉じることで、埋没毛(まいぼつもう)になる可能性もあります。
鼻毛の正しい処理方法3つ
鼻毛は、毎日鏡でチェックしてお手入れしましょう。出ている鼻毛だけを切っても、出ていない鼻毛を一緒に切っても、どちらでも問題はありません。
ただし、鼻毛を切りすぎると本来の役割を果たせなくなるため、極端に短くすることは避けましょう。
ここでは、鼻毛の手入れにオススメの処理方法を3つ紹介します。
(1)ハサミで整える
小型のハサミを使って、鏡で確認しながら飛び出た鼻毛だけを丁寧にカットします。刃先を奥に入れすぎると粘膜を傷つける恐れがあるため、浅めの位置でカットするのがポイントです。
初心者の方は無理をせず、まずは見える範囲から整えると安全でしょう。
(2)鼻毛カッターで処理する
鼻毛カッターは、先端の丸い刃が肌に触れずに毛だけをカットできる便利なアイテムです。刃が鼻の奥に入りすぎない設計のため、鼻毛を切りすぎたり、皮膚を傷つけたりする心配が少なく初心者にも最適です。
電動タイプなら短時間で仕上がるので、朝の身支度の一部として取り入れてみましょう。
(3)入口付近だけ脱毛する
鼻毛脱毛は、鼻毛の黒いメラニン色素に反応するレーザーを照射し、発毛組織を破壊する施術です。鼻毛がほとんど生えなくなるため、手入れがラクになる点が最大のメリットといえるでしょう。
ただし、すべての鼻毛をなくすと異物を防ぐ機能が低下するため、施術は入り口付近のみに留めましょう。
鼻毛は“整える”意識でケアしよう
つい見えてしまう鼻毛は不潔な印象を与えがちですが、実はホコリやウイルスを防ぐ大切な役割を担っています。すべてを短くするのではなく、出ている部分だけを整える意識が大切です。
定期的に鏡でチェックし、ハサミや鼻毛カッターで安全に処理しましょう。






